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1月22日、エキゾティックさを支点に、引き出される、表現の多様さ、豊かな色彩!ハーン、蝕明けの輝き!
しばらく演奏活動から離れていた、アメリカのヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンの復帰アルバム、"ECLIPSE"... ドヴォルザークとヒナステラのヴァイオリン協奏曲に、サラサーテのカルメン幻想曲。
Deutsche Grammophon/4862383
ドヴォルザーク(1841-1904)のヴァイオリン協奏曲(1879)に、ヒナステラ(1916-83)のヴァイオリン協奏曲(1963)、そして、サラサーテ(1844-1908)のカルメン幻想曲(1883)。それぞれ個性強めな3人の、ヴァイオリンを主役にしながら、それぞれに異なるベクトルで音楽を織り成す3作品、なかなかに凄い組み合わせ... 一見、脈略が無いようだけれど、そこには、国民楽派の様々な形が示されるのか... 実は、なかなかに興味深い風景が広がる。
チェコ、国民楽派ならではの味わいとキャッチーさに彩られたドヴォルザーク!アルゼンチンの民俗的な要素を取り入れたスタイルから表現主義へと変容していったヒナステラ、スペイン情緒のアイコンとも言えるキャラ、カルメンを見事にヴァイオリンで奏でるサラサーテ... いや、それぞれにエキゾティック!で、そのエキゾティックさを支点に、ヴァイオリンの表現の多様さ、オーケストラの様々な色彩、引き出され、幻惑される...
という、"ECLIPSE"、蝕(休暇という意味?)を聴かせてくれたハーン。予定されていたサバティカル(2019/2020年シーズン)+コロナ禍を経て、よりパワー・アップ!彼女ならではの美音を湛えつつの、よりスケール感が増したその演奏!余裕を以って繰り出される音楽に魅了される。オロスコ・エストラーダ指揮、hr響の演奏も瑞々しく、ハーンを盛り立てる!何より、蝕明けての輝かしさ、眩しい!