9月19日、20世紀のミサ、現代の教会音楽、原点に立ち返る祈りの音楽に感慨...
リカルド・リンドベリ・カールソン率いるスウェーデンの合唱団、スンドビューベリ・ヴォーカルアンサンブルが、ヴォーン・ウィリアムズのミサと、スウェーデンの現代の作曲家による教会音楽を歌う、"Et in terra... "。
20世紀、イギリスを代表する作曲家のひとり、ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)のミサ(1920-21)に、シェル・ペルデル(b.1954)、スタファン・イースベク(b.1955)、パウラ・アフ・マルムボリ・ウォード(b.1962)、ダーヴィド・オーベリ(b.1980)、エミール・ローベリ(b.1985)、現代、スウェーデン、現役の作曲家たちによる、ア・カペラでの教会音楽の数々...
絢爛たる教会音楽の時代はとうに過ぎての近代、現代における教会音楽の、改めて祈りを見つめ直すような真摯さ... 絢爛たる教会音楽の時代以前へと還るようなア・カペラ... 長い音楽史のスパンから捉えれば、原点に立ち返るようであり、そのア・カペラの姿、いろいろと複雑化してしまった音楽の在り方から解き放つようでもあり、何か感慨深いものがある。
また、20世紀のイギリスと現代のスウェーデンを並べて浮かび上がる、それぞれの音楽性も興味深く... イギリス・ルネサンスを継承するような瑞々しさを湛えるヴォーン・ウィリアムズのミサに対し、意外とエモーショナル?現代のスウェーデンの作曲家たちの鮮烈な教会音楽... ア・カペラだからこそ、それぞれの音楽性が炙り出されるというおもしろさ!
という"Et in terra... (この地に... )"を聴かせてくれたリンドベリ・カールソン+スンドビューベリ・ヴォーカルアンサンブル。ストックホルム郊外、スンドビューベリの教区の合唱団でもあるとのこと... で、実際に教会で歌っているからこその地に足の着いたハーモニー、活きるなと... ただ美しいだけでない人間味のある歌声、心に響く。