音野里たより(32) 〜梅雨の畑〜
梅雨に入った。
とたんに雨の日が増え、畑に行けなくなってきた。
雨の合間をぬって、草刈り・苗植えをやっている。
雨上がりに畑に行くときはヒヤヒヤしている。
イノシシが暴れてるのは雨上がりが多いみたいだから。
泥浴びしてるんだろうか、あちこちにデカい穴が開いている。
まるでブルドーザーみたいだ。
2週間前もそうだった。
3日ぶりの雨上がりに行ったら3カ所も掘られていた。
幸い、直接の被害はなかった。
もうひとつ、雨上がりで怖いのは、竹!
いつの間にか、背丈を越す竹が何本も立っている!
この繁殖力、成長力は異常なくらいだ。
手入れされてない山は竹で荒れている所が多い。
竹の有効利用は喫緊の課題だ。
でも、今日はそんな話じゃなく我が畑の果樹の話をしたい。
3年前に畑を始めて、最上段に果樹を植えた。
温州みかん、不知火、ゆず、南高梅、そして桃。
小さい苗を全部で10本くらい、肥料もなにもなし。
ここはわりとあったかい所だし、勝手に大きくなるだろう、
とたかを括っていたが、全然大きくならず、枯れるかもと心配になった。
幸い、枯れはせず、少しずつ成長し始めた。
その中で、一番の優等生がモモだ。
今はボクの背を超えて大きくなっている。
去年は実が二十個近くできた。美味かった!
今年も花がたくさん咲いて、期待していたが、
カメムシにやられてしまったようで、みな茶色に変色し萎んでる。
残念だ。
去年はトリかケモノかに枝を折られてしまったが、今年は虫か。
一昨年植えたクリは、去年イノシシにやられたが、なんとか生き延びて、
今年はボクの背を超えている。花も初めて咲いた。
一方、同時期に植えた富有柿は、やはりイノシシにやられなんとか
生き延びたが、ちっとも大きくならない。
モモクリ3年カキ8年、とはよく言ったものだ。
果樹も野菜と同じく、人間の保護前提で開発されたものが多いだろうから、
自然農で育てるのは難しいんだろう。
農業の本を読んだら、支柱や剪定など細かい手入れが必要と書いてあるが、
そこらの草木は勝手に生え勝手に大きくなり勝手に果実を作っているのだ。
なんで人間がそこまでやる必要があるんだろうって思ってしまう。
自然ではできないような甘くて大きな果実を作らせるためなんだろうけどね。
それをいつも美味しくいただいている身としてはあまり文句言えないけどね。
そのために、たくさんの肥料や農薬を使って、石油や化学製品を使って、
多くの人手やエネルギーを投入してるわけで、結果的に高値になるのだ。
去年はりんごが高すぎてほとんど食べられなかった。
ちょっとやり過ぎなんじゃないかな。
もちょっと、小さくても、甘くなくても、形が悪くても虫食いでもいいじゃん。
その分、もちょっと農家も楽になって、もちょっと安く買えるのだ。
なんでも値上げで家計が苦しいなかで、高い果物を買える人は少ないだろう。
我が家はモモなんて到底買えない!今はびわの季節だけど、見る気もしない。
小さくても、虫食いでもいいから、もちょっと安くなりませんかね〜。
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