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ライドカメンズ「レッツロール!エキサイトトリック!」イベント覚書

※話の流れ、セリフなどネタバレ部分があります。
※文章は加筆修正することがあります。
※間違えている部分、補完できる情報があれば教えてください。

〇イベント『レッツロール!エキサイトトリック!』

今回のクラス越境イベントのテーマはインラインスケート。メインに荒鬼狂介とQが登場する。今回の主人公はQであり、ランス天堂ではないところがポイントである。
《ガシャ入手》
星4:荒鬼狂介(RY/専用衣装あり)、Q(RY/専用衣装あり)
星3:伊織陽真(RB/専用衣装あり)星2:颯(RG)
《イベント報酬》
星3:海羽静流(BG/専用衣装あり) 星2:阿形松之助(BY)

予告動画では音声ONで、Qの悲痛な叫びを聞くことができる仕掛けになっている。

〇イベントストーリー『Let's RoLL!』

イベントストーリー『Let’s RoLL!』では、ランスがインラインスケートの大会に出場するところから始まる。
大会の優勝賞品はカオストーン。だが、大会そのものがマイタスの罠だった。ランスと入れ替わってそれに気付いたQは、ランスにカオストーンを渡さないために自分で優勝しようと練習を始める。なぜなら、ランスの記憶が全て戻った時、後天的につくられた人格である自分は消えてしまう―Qはそう恐れているからだ。
そんな悩みを抱えつつも、周りに同情されたくなくてあまのじゃくに振る舞うQと、そこに関わる狂介がとてもいい。狂介の裏表のないまっすぐな性格と、他人を素直に思いやれる優しさが、Qの対比としてクローズアップされていると感じた。

なお、それぞれのカードの調査エピソード及びサポートエピソードは、スケート大会に向けて、もしくは、スケート大会当日の話が主な筋になる。
大会出場当日なのに、肉屋の屋台バイトをしてる狂介や、ボランティアでホットドック屋を手伝う陽真の姿が見られ、そんな場合か!?とは思いつつも、彼ららしいような気もする。

こちらでわかるように、前回までの『D&N』『SMC』イベントと違い、今回は全キャラの調査エピソードにエージェントが関わっている。

メインストーリーやそれぞれのエピソードを読んでいくと、颯は宗雲にスケートを禁止されて出場はできず、静流は作曲に力を注ぎ、松之助はバイトの時間が増えて忙しく、陽真はシューズを買うのに悩んで練習に出遅れ、そして狂介は基本的に夜しか練習時間が取れないという事情が見えてくる。QはQで「ランスと入れ替わりたくないから、あんまり寝たくない」と言っており、練習時間はあっても体調が万全でないことを示している。

〇イベント限定リンクスキル

今回は恒常リンクスキルが多いためか、松之助(BY)と静流(BG)が5人中4人とスキルが発動するものの、「松之助と静流」のリンクスキルは無い。
逆に陽真(RB)と颯(RG)は松之助及び静流としかリンクスキルが発動しない。この辺りの事情はカオストーン属性の関係もあるのだろうか?

〇Qとランス天堂

今回のイベントで気になったのは、ランス天堂の内面開示の薄さだ。
Qの苦悩は以前から描かれており、『TheSTARS』ではエージェントに「Qは素直じゃないね」、『D&N』では颯に「Qにも思い出を作ってあげたくて」と言われたりと、その内面を気遣われるエピソードが続いている
だがランスに関してはあまりその印象が無い。ランスはランスで、自分がサッカーに向いているかもしれないと挑戦してみたり(TheSTARS)、宗雲に気遣われたり(D&N)などのエピソードがあるが、Qほど自分の存在について思い悩んでいる様子ではなく、Qのイタズラに困っているエピソードの印象が強い。むしろランスは親愛エピソードで「Qは
Qもランスも気を遣われるのは苦手なのもあるし、スラムデイズの周りのメンバーもそれに気付いているのかいないのか(気付かれないようにしているのか)、ランスやQの苦悩について触れることはない。だから彼(ら)を気遣うような発言は常にクラス外の人間によるものになる。

また、今回のイベントストーリーで気になったのは、狂介のランスに対する評価である。狂介は「天堂も大概だが、てめェはもっといけ好かねェな」とQに言ってしまうのだが(目の前でそれを言えるのがまた狂介らしいのだが)、ランス天堂は基本的に人当たりがよく、悪印象を与える人間ではない。しかし、狂介はQに「天堂と違って」ではなく「天堂も大概だが」という言い回しをする。狂介とランスに何らかのエピソードがあった記憶はないが、狂介はその野生の勘で何かランスのことを嗅ぎ取っているのかもしれない。

(これはかなりニチアサ寄りの胡乱な深読みになるが、私は「ランス天堂」の「天」の字がとても怪しいと思っている。わざわざ「天」を付ける意味とは。)

〇あとがき

まだ私自身狂介やランスに関してあまり深く読み取れていない可能性もあるが、それにしてもこのふたりはあえて隠されている部分が多いように見える。ふたりとも内面の苦しみを外から察することが難しい人たちだと思えてしまうからだ。
また、(ランスではなく)Qと狂介は共にメインビジュアル組という不穏さを抱えている。今回のイベントでは消滅の不安を抱えていたのはQであったが、狂介のモチーフ元であるモモタロスも消滅の
そんな彼らが「ありえないってのが一番ありえねェ」「不可能を可能に」として関わり合ったことに、この先に繋がる大きな意義があるような気がしてならない。