人間は9タイプ。あなたのキャラはどのタイプ?/シナリオライター12年生が学ぶ心理学
本日のまとめ!(いきなり)
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シナリオライター12年生のしむらです。いろいろ書くシナリオライター。とにかく作るのが好き。パンダも好き。レッサーパンダも好き。
そんな私、心理学も大好きです。
シナリオ、ドラマ、物語って、その中にいる《人間》が動かすものだから、その人間を動かす《心理》にはいつだって興味がつきません。
ところであなたは《性格診断》って好きですか?
四柱推命やら動物占いやら星座占いやらなんらやかんやらで、「あなたはこういう人」って診断してくれるの、好きな人多いですよね。
では、《エニアグラムタイプ性格診断》って、聞いたことありますでしょうか?
ここまで挙げたものたちが、生年月日をもとにその人の性格を推察するものであるのに対し、
エニアグラムタイプ診断は、実は2000年以上も前からイスラム圏に存在し、ユングさんを始めとした心理学者の間で研究され、現代においてはアメリカの大企業の人事担当者の必携知識としてその効果を実証されている──
という、《科学》と言って差し支えない性格診断なんだそうです。
9つのタイプで人間の性格に着目するエニアグラム
エニアグラムタイプは、人間の性格を9つに分類しています。これが大きな特徴。ざっと列挙してみます。
※各タイプの名称はエニアグラムタイプを取り扱う本の著者さんや訳者さんによって異なったりします。ここでは私が一番最初にエニアグラムを学ばせていただいた日本エニアグラム学会さんの表記に倣います。
改革する人
人を助ける人
達成する人
個性的な人
調べる人
忠実な人
熱中する人
挑戦する人
平和をもたらす人
人間の性格は、必ずこのどれか1つに当てはまる──というのが、エニアグラムタイプ性格診断の公理です。
公理です。(大事なことなので)
10個めのタイプは存在しないし、どれにもあてはまらないよ!っていうことはない!とまで言い張っているのです。エニアグラムタイプの力ってすげー。
このエニアグラムタイプ診断、私にとっては長年心から信頼してきた羅針盤のようなものなのですが、
その理由は、根拠とする設問の多さや、「分裂」「統合」といった、その人間が置かれた状況によっても性格は変わってくるよと教えてくれている点、
またなによりかにより、自分を含め周りにいる人達みんな、必ずこれのどれかに当てはまるよなぁって納得できてしまう点にあるんです。
一言で言うなら、隙がない。
とにかく隙がない性格診断、それがエニアグラムタイプ性格診断なのです!
そんな私は「3:達成する人」らしい
さて、よかったらこの記事を読んでくださっているあなたにも、まずはエニアグラムタイプ診断をやってみてほしいです。
ちょっと設問数が多いので、お時間があればでどうぞ。
ポイントは、ありのままの自分で答えること!(自分の「こうなりたい」理想の姿で答えると、本質が求められないため!)
かくいう私も、実はちょっと油断すると「4:個性的な人」になってしまうんです。(たぶんそれは、私が4っぽい人格に憧れを抱きがちだからなんだと思います)
なるべくそういう理想の自分にはいったん引っ込んでもらって、「高校生の頃だったらなんて答えてたかな~」くらいの感じで答えてくと……あら不思議。僅差ではあるものの、診断結果は「3:達成する人」になるんですね。
※実際高校生の頃に初めて診断を受けたときは「3」だったので、3が私の本質と言って差し支えないかと思われます。うん。
「3:達成する人」がどんな人なのかというと…これも、日本エニアグラム学会さんの記述を引用させていただきます。
もうね、これね。
おもしろくって膝を打つしか無いんですよ!!(パァン!!
私と長い付き合いの人なら「おとのさんぽい」って言ってくれるかもしれません。そのくらい↑の傾向、私、かなりあります。
特に「失敗を極度に恐れる」というのが、私の人生を長く苦しめてきた厄介厄介な側面でして(本当に…)今でさえこれのせいで、実行に踏み切れていないことが多々あります。自覚してます。はい。
だってnote書くのだって本当は怖かったくらいだもんね。
変なこと書いて総スカンくらったらどうしよって。昔、某所で一回やらかしてるから尚更……(詳しくは聞かないで…(しおしお
あと、これは別の書籍からの引用になりますが、
これもまったく持ってその通りすぎて、あっ、これは私の人生を書いた本ですね? って思いました(違うよ)
調子のいいときなんか、旦那についつい「昔これやって褒められたんだよ~~~」って激烈アピールしちゃいます。いつも「ふーん」って聞いてくれてありがとう、旦那。
エニアグラムタイプはキャラクター造形にもお役立ち!
さて、タイプ3ならではの「世に出たい欲」が撒き散らされた後で、本題に戻ります(スン
エニアグラムの性格診断としての面白さはここまでで伝えられたかななんて勝手に思っているのですが、今の私は心理学者でも性格診断オタクとしてでもなく、シナリオライター12年生としてこのnoteを書いております。
そう、このエニアグラムタイプ診断、
創作においてはキャラクター造形にもお役立ちなんです!!
シェークスピアさんやコナン・ドイルさんがすげーのはもちろんなのですが、彼らの作品に登場する人間が「エニアグラムタイプの人間像を矛盾なく描いている」っていう点、このエニアグラムタイプ性格診断というものが、どれだけ《真理》なのよって思ってしまいます。
しかしながら、シェークスピアさんやドイルさんのような卓越した人間観察力は、一朝一夕で身につくようなもんじゃあありません。
現代の私は、こんにちまでに体系立てられたこのエニアグラムタイプ診断を、創作のヒントにしない手はないな! と感じます。
そもそも、私がエニアグラムタイプと出会ったのは、実はある創作物──とあるゲームの設定資料だったのです。
ゼノサーガのキャラクターにはエニアグラムタイプの設定がある
私が中二病真っ盛りのころ、愛したゲームがあります。
「ゼノサーガ」シリーズ。
全3作に渡るSF叙事詩的RPGの超大作なので、ご存知の方も多いかもしれません。今は「ゼノブレイド」も人気ですね!
特に私はケイオスというキャラクターを愛しすぎました。
今風に言うと「推し」ってやつ。推しのグッズに結構貢ぎましたね。
この子は、現在の私の創作にも多大過ぎる影響を与え続けているのですが、その話を始めると長くなるので割愛。
上図は、2002年にエンターブレインより発刊された、同作のオフィシャル設定資料集のケイオスのキャラクター設定ページです。
見てください。全体の半分くらいがエニアグラムタイプに基づく彼の性格の解説になってるんです!
もしかしたらこれは、シナリオ設定資料を制作・販売する上で、本書の精密さを演出するためにあてがわれた「後付け設定」なのかもしれませんが(実際どうなんだろ?知ってる方いたら教えてください)
それにしたって、作中でのケイオスくんの立ち振舞いや言動は、「タイプ9:平和をもたらす人」のそれだと感じます。
ケイオスは作中で、他のキャラクターたちとはちょっと離れたところから、けれどみんなを助け導いてくれるという、ミステリアスさが魅力のキャラクターです。
何を考えているのかわからないところがありますが、作中での彼の言動には、みんなには言えないような、何か大きな目的があることを伺わせます。
その目的の達成のために自分から事を起こすことはほとんどしませんし、焦る様子だって見せないのですが、いつもその場に合わせて最適な舵取りをし、目的の達成を「おのずと引き寄せている」という印象を抱かせてくれるんですよね。
そこがいい(きせずして推し語りになってしまったここでやめときます)
こうして、ゼノサーガを通してエニアグラムタイプというものの存在を知り、「これはキャラクター造形に使えるかも?」と思ってエニアグラムタイプを学び、ゼノサーガの真似事をしてキャラ設定にタイプを書き添えるようになった私…なのですが、
そこからちょっと面白いことが起きました。
私が「一緒にいて楽しいなあ」って思う人にエニアグラムタイプ診断をしてもらったら、ケイオスと同じタイプ9の人が多かったんです。
マジのマジの話なんですが、うちの旦那までタイプ9みたいです。驚き。
自分がタイプ3で、プレッシャーを感じやすかったり、あくせくした気持ちになりやすいためなのか、その対局にいるタイプ9の人には憧れるし、アドバイスをもらったり癒やしてもらう相手としてはすごくいいって思うんですよね……。
このお話は、エニアグラムタイプの信憑性を高める一助として語っておきました。どう? エニアグラムタイプ、気になってきた??(ワクワク)
気になってきたら、本記事末に紹介する本なんかをぜひ手にとってみてください。
そして創作に活かしまくっちゃってください!
実際にキャラクターづくりに活かす例
さてはて、エニアグラムタイプに出会ってウンじゅうねん。シナリオライター12年生になった私が、普段、このエニアグラムタイプ性格診断をどうやってキャラクターづくりに活かしているのかというと、いつもだいたい次のような感じです。
1.最初の頃はエニアグラムタイプをあんまり意識しすぎずに、「面白いキャラクター」を創ることに集中する
「面白さ」を追求するための作業なので、まだエニアグラムタイプのことはあんまり考えません。
ここで考えてるのは、以前↓の記事で紹介したようなこと。
作品のテーマを考え、主人公に《宝の地図》をもたせ、この地図を持つキャラクターがどんなクセや魅力を持ってたら面白いかな?と、あれこれ妄想する段階です。
エニアグラムタイプが生きてくるのは、このあたりの《キャラクターの心臓》が固まってきてから。
2.ある程度固まったキャラに応じて、なんとなくタイプを絞ってみる
たとえば、さっきの90問の診断を「キャラになったつもりで」回答してみたり、「この子はこれでしょ!」って思い切って決めちゃったりもします。
とりあえず「仮」でもいいので、キャラのタイプを決めるのです。
たとえば拙作、「エーヴィヒ」(https://ewig.atelierpp.com/)では
当初、エーヴィヒ(画面右)を「タイプ3:達成する人」
シュテフィ(左)を「タイプ2:人を助ける人」
と設定しました。
が、エーヴィヒについては後々思い直して「6:忠実な人」に変えました。理由は後述します。
3.エニアグラムタイプの特徴を《参考》にしながら書き進める
キャラ設定が固まっても、いざ執筆を始めてみると、スラスラ書き進む…とはいかないことがあります。
序盤ほどそうです。まだ筆者とキャラのお付き合いは始まったばかり。お互いに「ご、ご趣味は?」みたいなお見合いムーブになりがち。
そういうときは、決めたエニアグラムタイプの特徴を参考にしつつ、「このタイプなら、こういうとき、なんて言うかな。どう動くかな?」と想像してみます。
んで、書いてみます。
それでしっくりくるようであれば、それでOKとします。
逆にタイプにのっとって試運転をしてみたら、「この子、実はタイプ3じゃなくて4では?」って思うこともあります。
そうなったらいっそ4てことにしちゃいます。
そして、今度はタイプ4のキャラとして、「こういうとき、なんて言うかな。どう動くかな?」と想像してみるのです。
何十万文字も書き進めてしまった後で、「やっぱこのタイプにしよう!」というのは、場合によっちゃ大変な作業になるので(汗)最初は壁打ちと思って、臨機応変に設定を変えたりなんだりしてお試ししています。
そして一度タイプを絞って書き始めると、あとは不思議とスラスラ書き進んでいきます。
もちろん、タイプ別の特徴を参考にすることは忘れません。そこから大きく外さないことを心がけています。
ちなみに「タイプの特徴を絶対の絶対に守る!」みたいな感じではありません。理由は後述。
あくまでエニアグラムタイプは《参考》。最低でも「この子はタイプ2!」とちゃんと覚えておいてあげて、「君はこういうことが好きだよね」って我が子を理解して書き続けてあげる。そんくらいの気持ちでいます。
逆説的に、「キャラを理解してる」ということが自信になってるからこそ、書き続けられる! というのもあるかもしれないです。
エニアグラムタイプをシナリオに活かすコツは「過剰にタイプに縛られない」こと!
極端な例を出しますが、例えば、設定したエニアグラムタイプの傾向に忠実になろうとするあまり、
「この子がこのタイプなら、こういうことは絶対にしない……!!」
と、キャラに取らせようしていた《超絶面白い行動》を泣く泣く切り捨ててしまうことがありそうですね。
ちょっと待って!
それが読者にとっても「面白い」と感じる行動であったら、まるっと削除してしまうのはもったいない!!
私は「そのタイプがやらなさそうだけど、やったら面白そうな行動」を思いついた場合、まずはなにより「面白さ」を守ることを優先しています。
面白さを守りながらでも、エニアグラムタイプは活用できると思う
面白さは守りたい。けど、せっかく設定したエニアグラムタイプから大きく外したくない……。
そういうふうになったとき、私は、「このタイプの人でもそういう行動を取ることがないだろうか?」「そういう行動を取るとしたら、果たしてそれはどんな状況だろうか?」ということを、エニアグラムタイプの本で徹底的に調べ尽くしてから、自分なりに解釈してみるようにしています。
調べてみたら、実は「追い詰められるとそういう行動を取る」とか「〇〇の状況下におかれるとそうなる」という事例が発掘されることもあります。
つまり、《面白さ》を先に持ってきて、各タイプがそれをしうる理由を、後から探してみるのです。
たとえばですが、先程軽く例にあげたエーヴィヒさんは、初期設定では「タイプ3:達成する人」でした。
しかしながら、プロットを考えている段階で、エーヴィヒは主人公としては「3:達成する人」でいてほしいけど、お姉ちゃんであるシュテフィと接するときに3の性格のままだと、「なんか違うな…」って思ってしまったことがありました。
仮に3の達成者エーヴィヒを、ドジっ子でダメダメな姉シュテフィに相対させてしまうと、生まれて間もない(=環境変化がまだ少なく本質的な性格表出が強い)上に、本質的に他人を能力主義で見てしまう達成者エーヴィヒは、シュテフィに冷たい態度を取っちゃいそうだな……と考えてしまったのです。
ちょっとケンカするくらいならいいけれど、エーヴィヒとシュテフィには、根底的には仲良しでいてほしい。
※追記:また、エーヴィヒは単なるガチガチの上昇志向持ちってだけじゃない側面がありそうなんだよなぁと、キャラ造形の最中からふんわり嗅ぎ取っていたのもあります。書いてて思い出したので追記しました
さて、どうしたものか?
その行き詰まりをなんとかしてくれたのも、エニアグラムタイプでした。
エニアグラムタイプには「分裂」と呼ばれる概念があります。概説すると、「精神が不健全な状態のときに、各タイプがそれぞれ決められた別タイプの特徴を表出させる」というもの。
たとえば、精神が不健全な状態のとき、6の人は3に、2の人は8のタイプの性格に変身しちゃう! ということなのだそうです。
「エーヴィヒ」の作中世界は、得体のしれない怪物からの襲撃を受けまくっており、まさに絶体絶命の大ピンチという状況でございます。
そのため、エーヴィヒの精神状態としては非常に不健全な状態が続きます。
「……あれ? ってことは、私が3だと思っていたエーヴィヒの性格は、実は分裂時の性格であって、本当の性格は3ではないのでは!?」
私はこう思いなおし、エーヴィヒの本質たるエニアグラムタイプを「6:忠実な人」に変更したのです。
エーヴィヒの《求めるもの》は「家族との平穏な日々」であり、求めるものを一生懸命に求め続けるからこそエーヴィヒは主人公たりえる! と私は思ったので、「3:達成する人」の特徴は持っていてほしい。
かといって、シュテフィと仲良くないのもなぁ……と思っていたところに、この分裂という概念がぶっ刺さりまくったわけです。
基本的に、エーヴィヒは主人公としてはタイプ3になっていますが、彼女をそのタイプ3の特徴だけで縛りすぎない。何事もない平和な状況なら、エーヴィヒはまわりと仲良くしたいという気持ちを人一倍強く持つ「6:忠実な人」でいられるんだということを、彼女を書くときには意識しています。
人間を9タイプで分類しながらも、「人間、こういうふうになることもあるよね」って、非常に人間らしい《魅力的な矛盾》をはらみながらも、体系的に人間の性格を解説してくれる……
これが、個人的エニアグラムタイプの好きポイント!
……以上が、私がエニアグラムタイプをシナリオ制作で活用するときに意識していることになります。
あくまで「私は今はこうしてます」というのをご紹介してみたまでになります。きっと他にもいろんな活かし方があるはずで……私もそれを勉強したい!
すでにエニアグラムタイプをシナリオ制作に活かしている諸先輩方、「自分はこういうこと意識してるよ~」ってのがあったらぜひに教えてください!興味ありありです。
エニアグラムタイプの勉強におすすめの本
ではでは最後に、私がおすすめするエニアグラムタイプの本を2つご紹介します。
まず、最初にあえてこちらをオススメします。
「ビリギャル」の坪田先生がお書きになられた「人間は9タイプ」です。
こちらはエニアグラムタイプというか、坪田先生のご経験もまじえた独自の要素も入ってきているので、厳密に「エニアグラムタイプ」と呼んで良いのかは、ちょっと迷います。
けれど、極めて《現代の日本人》にとって相性の良い解説がふんだんに盛り込まれておりますので、とっかかりとしてはとてもオススメしやすい一冊です。
小難しくないよ! それがいい!
でもって、坪田先生の本でエニアグラムタイプに興味が出てきたら、改めてこちらの本を読んでみるというのもアリかなと私は思います。
こちらはエニアグラムタイプの発祥・歴史から、各タイプの詳細、前項で述べた例外的行動の可能性などを探るのに最適な一冊。
文庫ですが、密度は結構なものです。
まとめ
とゆわけで、改めて本日のまとめ!
またしても長くなってしまいましたが!!
エニアグラムタイプ性格診断の魅力とキャラクター造形への活かし方について、長々と語ってみるなどしました。
実は、私自身再びこのエニアグラムタイプ診断に興味を持ち始めています。
以前勉強をしたのがもう8年くらい前なので、もっかいちゃんと勉強がしたい。今回は、自分なりの《復習》もかねて、自分が知っているエニアグラムタイプのことを書きまとめてみました。
勉強の成果がでましたら、またこのnoteでシェアシェアしたいなって思います。
ちなみに、前回のSAVE THE CATの記事が恐ろしいくらいVIEWが伸びててビビり散らかしております!! ありがとうございます!!
なんか知らんがスキもいっぱいで嬉しいです。。少しはみんなのシナリオ制作を楽しくできたのかな?
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