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目的はないけど一歩を踏み出してみたい。海士町に来たからこそ、広がった未来の可能性。

島根県の離島、隠岐島前地域で大人の島留学に参画している
10月生の「今」にフォーカスした「私たちの足跡」。

彼らはどんなきっかけで島を知り、
今、どんな想いを抱えて島にいるのでしょうか?
10月生一人ひとりが歩んでいる物語、そしてその足跡をお届けします。

大人の島留学10月生として海士町に来島。
関係人口DXプロジェクトで働いている立花果奈さんにお話を伺いました。

立花果奈さん 東京都出身 23歳

目的はなかったけど、一歩を踏み出してみたくて。

以前は児童指導員として学童で働いていました。
まだ働き始めて半年くらいしか経っていないんですけど、学童で小学校3年生くらいの子どもたちと一緒に遊んだり、あとは写真館で1年間くらい働いていて。七五三の写真を撮るアシスタントをしていました。

七五三でアシスタントをしていました。

今年の目標が、「全く違うところで新しいことをしたい」ということ。
3年前に学生を卒業して、「やりたいことってなんだろう?」って考えていたんですけど、なかなか前に進めない、方向性がわからなくて何をやろうか悩んでいた2年間がありました。
「もうそういう2年間はやめたい!もっと違うことがしたい!」って思っていたけど、気付いたら9月になってしまっていて。
今年も3カ月で終わる、今年を振り返ったときになにを得たのかあまり思いつきませんでした。

島に来る前。


残りの3か月をどう有効活用しよう?って思ったときに、もともとは海外で働く選択肢もあって、いろいろ調べていたけど現実的じゃないというかあまりピンと来なくて。
じゃあ、日本まだ知らないところいっぱいあるな、日本の色んな場所を見てみたいなと思うようになったときに、ちょうど高校生のときに島で暮らしてみたいって思ってたことを思い出して。
「あ、島?ありなのかも、なにかできるかな?」って思って、「島」「短期」って調べたら大人の島留学を見つけました。

HPを見てたんだけど、「これ、面白そう!」って思って。
「一歩を踏み出してみませんか?」ということばを見たときに背中を押された感覚がありました。

わたしが応募したのが、来島する3週間前くらいですごいギリギリだったから、海士町の情報がなにも分からなくて。
地名もどう読むかわからなかったし、「私は一体どこに行くんだろう」って思いながらも1週間くらいで準備しました。
親にはちゃんと調べてから行ったほうがいいんじゃないかっていうのは結構言われてたんだけど、これを見つけたのも偶然ではないなにかなのかなって思って。

目的はなかったけど、一歩を踏み出してみたい。
そこを自分で信じてみようと思って、島に来ました。

ーー実際に島に来てみて

でも、島に行くまでも、実際に島に来ても不安は薄れなくて。
「この島でなにができるかわからない」「この島に来てまで私は何をしにきたんだろう?」
来て1週間くらいのときは帰ろうって思っていました(笑)
目的がなかったからこそ、目的を見つけるのにすごい時間がかかってしまって。

インタビューの様子

でも、実際に島にきてなぜか懐かしさを感じて。もともとこういう都会から離れた穏やかな土地がすごく性に合ってて。
地元も東京だけど、都会と田舎が混ざり合ってる町で地域交流が盛んな場所で。
お祭りのお手伝いをしたり、学校に行くときにおじいちゃんおばあちゃんと今日の出来事をお話したり、ご近所付き合いがすごく多くて。
地域の人との交流が日常だったから、いろんな人と話してこういう地域での交流って当たり前にあるわけじゃないことが新しい発見でした。

「試行錯誤をしながらも、大きい未来が待っていそう」関係人口DXへ。

私は、関係人口DXプロジェクトで働いています。

海士町の関係人口を増やす取り組みをしていて、海士町にあるオフィシャルアンバサダー制度という海士町が好きな人、応援したいなっていう人たちが過ごしやすく、より快適になるような制度の見直しをやっていて。
業務内容としては、アンバサダーの方々の来島調整や、来島前のつなぎ役をしたりしています。

いちばん最初は関係人口DXと小学校で悩んでいました。
子どもたちと関わることが好きだったから、小学校で働こうと思ってたんですけど、今までと同じことの繰り返しになりそうで。
出来ることはたくさんあったとは思うけど、自分を見つめ直したときに一度教育から離れてみてもいいのかもしれない。
今まで子どもたちと関わってきた分自分なりのやり方は見えてるから、見えてるうえで経験を積むのは良いことだと思うけど、今やることではないのかもしれないって直感的に思ったんです。

そこで、人と話すのがすごい好きだから、関係人口DXプロジェクトに惹かれました。
おしゃべりするのが生きがいなくらい人と関わるのがすごい好きなので、島の人だけではなくて、島外の人とも海士町を通じて関われることに魅力を感じて。
業務内容や自分ができることが分からなかったり、そこで働いている人たちのスペックの高さに打ちのめされてできないかもって不安でした。
でも、「あ、ちょっとダメかも」という気持ちで、自分が知っている職種の居心地が良い場所で働くことを選択するのは違うって思ったので関係人口DXプロジェクトを選びました。

実際に働いてみて、先は見えてないけど達成度はすごいありそうな予感はしていて。

キンニャモニャセンターのカウンターにいることが多いんですけど、アンバサダーの方とかが結構いらっしゃることが多くて。
仕事とかで悩んでると「なにで悩んでるの?」って声かけてくださるので、
「こういう感じでアンバサダーの方たちに提供したいんですけど、やり方がわからなくて」と相談すると、「こうやってみたら喜んでもらえると思う」「こうやってほしい」と直接意見が聞ける環境がすごく良いなって思っています。

一方で、一から自分でつくる作業が多かったり、改善したりする作業が多くて。
LINEの配信をするにあたっても、構造を自分で調べたり。最初の吸収する段階が大変でした。
一からやることは楽しい反面、正解がないから、「はたしてこれは利用者さんにとって使いやすいものなのか?」
すごい試行錯誤段階だけど、大きい未来は待っていそうな予感はしていて。今、私たちがやってることがどんどん形になっていったらすごい良いものになるんだろうみたいな手ごたえはちょっとずつ感じてきています。

関係人口DXプロジェクト主催で、クリスマスマーケットもしました。

「行ってらっしゃい」から「ただいま」まで、温かい島での暮らし。


普段は、シェアメイトと話す時間がいちばん楽しいです。
話も合うし、価値観じゃないけど生き方や根本的な部分がちょっと似てるなって感じてて。
すごい心地良いし、離れたくないなって(笑)
このお家で良かったな、このメンバーで良かったなって思うくらい合っていて。一緒にごはんを食べながら、たわいのない話をする時間がすごい好きだし、自然と笑い合える瞬間がいちばん楽しくて。
「行ってきます」から「ただいま」まで温かい時間が流れてる感じ。

大好きなシェアメイトたち

地域の人ともすごい仲良くなれて。
人にすごい興味があるから毎日挨拶したりとか、商店のおじさんと仲良くなったり、地域のおじさんおばさんもお家に招待してくださったり。
この島に来てすごい自分の周りにいる人が増えた実感があります。
特に嬉しかったのは、「ちょっと手伝いに行きますよ!」って言ったことが大きく広がってたとき。
約束してても流れていっちゃうことが多いと思うんだけど、「何日だよね?」って覚えてくださっていて。すごい温かいなって思います。

この3か月間は人生の第三章目。そして、次の一歩を踏み出すために。

この3か月の期間は人生の第三章だと思ってて。その物語がすごく始まってる感覚がしていて、わたしにとってターニングポイントになったらいいなって。

残りの期間も、やりたいことは全部やる毎日を過ごしていきたいし、引き続きいろんな人たちとたくさん喋りたい。
いろんな生き方や考え方に触れてそれを自分のなかに落とし込んでいきたい。世界って思った以上に広いし、自分ってこんなに小っちゃかったんだってここにきて気付けました。

海士町で撮ったお気に入りの景色。


この島だからこそ現実的に考えられるし、思った以上になんでもできる。
私の周りには協力してくれる人がたくさんいるし、それが成功や失敗をするにしても、とりあえずやってみることが大事だということを学びました。

自分の世界観を外に出すことはすごい素敵なことだなって思ってて。どうやったらできるだろう?って考えたときに、私は料理をするのが好きだから、自分が作ったご飯で、小規模でもみんなが楽しくいられる空間を作るのっていいかもしれないって思ったんです。
だから、調理師免許を取ろうと思ってて。漠然と将来自分のお店を開きたいなって思っています。

みんなに美味しいって言ってもらえるのが幸せです。

仕事は、今頂いているお仕事を状況整理して、次の人たちがやりやすいようにするっていうのをしていきたい。
「今後、わたしは何をしたいんだろう」という部分はずっと考えてるから、次の一歩を踏み出せる材料集めをしていきたいです。

「目的はないけど、一歩を踏み出してみる」ってすごい勇気がないとできないことだろうなっていうのを感じていて、とても大切なことだなって思いました。自分で踏み出したからこそ、周りを巻き込んで動くことができたりして、この3か月間とても濃いものだったと思います!3か月間が終わってからの、かなちゃんの選択も応援してます!!

あとがき~インタビューしてみて~

(R6年度10月期島留学生:山口)

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