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隠岐の自然を知り、人とのつながりを紡ぐ日々。踏み込んだからこそ、見えてきたもの。

島根県の離島、隠岐島前地域で大人の島留学に参画している
10月生の「今」にフォーカスした「私たちの足跡」。

彼らはどんなきっかけで島を知り、
今、どんな想いを抱えて島にいるのでしょうか?
10月生一人ひとりが歩んでいる物語、そしてその足跡をお届けします。

今回は築城里実さんにお話を伺います。

築城里実さん 神奈川県出身 社会人2年目

どうして10月に大人の島留学へ?

これまではファンクラブ関係の会社に勤めていました。
ファンクラブの企画を考えることではなく、考えた企画を現場で実際にする仕事をしていたので、出張がとても多くて。
2年半、全国のライブハウスやコンサートホールを回って仕事をしていました。
仕事は楽しかったけど、繁忙期だと週に1回だけ家に帰れるぐらいの感じでずっと働いていて。
結構体力が必要な仕事だったので、良いところで今の仕事にきりをつけて違う仕事をしてみたいなって思うようになったんです。

気づけば40回以上乗っていた飛行機

島留学のことを知ったのは、ちょうど参画する1年ぐらい前。

実は小学生の頃から「将来は絶対田舎に住みたい」っていう気持ちが強くあったし、父がヨットに乗っていて、海に囲まれた生活が好きでした。

なので、島留学のことを知ってから、仕事してても、「うわぁ、島に行きたいな」って考えたりもして。

自分のなかで最初は現実的に捉えていなかったものが、仕事してても島のことが頭に浮かぶ。
社会人の最中でも、短い滞在プログラムで行こうかなって考えたりもしたんだけど、これだけ迷っているってことは短期間のプログラムや旅行で行ったとしても、島留学に参加するなって思って。

なので、47都道府県ツアーを回り切って、退職して、ちょうどいいタイミングが10月だったので、ぶっつけ本番で島に来ました。

踏み込んでいくことで広がる、人とのつながり


実際に島に来てみて、人とのつながりがほんとに強いっていうのがすごくびっくりして。
最初は、離島って閉じてるイメージがあったりだとか、島留学生と島民の間でもなにかギャップがあるんじゃないかなと思っていたので少し不安でした。
でも、島の人たちはウェルカムな雰囲気の方が多くて。

最初にびっくりしたのは、島に来て2日目くらいに近所のお好み焼き屋さんにご飯を食べに行ったとき。
島の人は新しい顔だなってすぐに分かるから、「10月の島留学生?今度アルバイトしにきてよ~」って言われて(笑)「行きたいです!」という会話をしました。
本土だったらそこで一旦会話が終わるところが、「じゃあ、連絡先交換しよ!」と会話がはずんだり。

女将さんと、みんなで撮った写真

今までは挨拶で終わっちゃってたところが、もう一段階、良い意味で島の方が話しかけに来てくださるし、ちょっとお散歩してたら知り合いが増えたり。特に来島してからの10日間は1日ごとに知ってる人が増えていった感覚がありました(笑)

それからも、釣りに行ったら、隣で釣りしてた人と知り合って、釣りに一緒に行くようになったりだとか。
ヨットの船員の方に興味を持って話しかけたら、ヨットのなかを見せてもらえたりして。
環境に少しずつ慣れてきたからこそ、自分も踏み込んでいけるようになってきたから、それがすごい楽しいです。

人との出会いもたくさん!

あとは、来島する前と今で変わらないのが、自然が好きだなという想いは変わらなくて。
「田舎に住みたい」という漠然とした気持ちで島に来たけど、実際に住んでみて、やっぱり自然が好きだなって。
自然もそうだし、生活もすべて。ほんとに島に来て正解だったなって思う。
人が少ないからこそ、一人ひとりの顔が知れて深く関われて良いなって思う。
あとは家の鍵を閉めないとことか(笑)

みんなが今まで制限されていたものが解放されて、自由にのびのびと生活してる感じがとても好きだなって思います。

シェアメイトと西ノ島へも。

働くことで隠岐の自然を、人とのつながりを知る。


今は、Entôで働いています。チェックインの対応や、フロント業務、お掃除をしたり。
10月には、あまんぼうナイトクルーズという海中展望船のクルーズのガイドをやらせていただいています。

最初は、ジオパークのことをもっと知りたかったので、ジオパーク推進機構という事業所に行きたくて。
希望が通らなかったので、併設されているEntôに入ったんだけど、自然のことはジオパーク推進機構でのほうが専門的に知れるので「ちょっとそこでやりたかったな、、」とギャップを感じてました。

でも、今はそれが結構良いギャップになっていて。
自然のことに関しては、自分からガイドツアーに参加して知りに行って、逆にEntôで働いているときは人とのつながりを知れるというか。
観光協会の人や島に来る配達員、隠岐汽船の人たちとのつながりだったり、どんどん知ってる顔が増えていくっていうのがここで働けて良かったなって思って。
最初は自分にとって良くなかったかな?って思っても、自分の捉え方とか働きかけ次第なんだなって気付きました。

もともとは自然に興味があって、島に来たということもあったので、Entôのマネージャーさんから「あまんぼうのナイトクルーズのガイドやってみなよ」って声をかけていただけて。
夜光虫の生態とかをお客さんに案内したりする仕事をやっていました。

あまんぼうナイトクルーズ

泊まりに来たお客さまに、隠岐の自然を知ってもらえる瞬間がうれしいなって思います。
最初は、自分も隠岐のことを全く知らない状態で島に来たから、案内する内容とかも「これで合ってるのかな?」とか不安に思うことはあって。
でも、島に住んでみることで、実際に観光してその情報を伝えるのもそうだし、自分の暮らしのこととか、島留学とかで人がどんどん来てるところも隠岐の良さだと思うから、そういうちょっと違った視点もお客さんに伝えられたりして。

旅行を通して新しい知識が増えることはすごい楽しいことだって思ってるから、それを実際に出来てることにすごいやりがいを感じています。


「島の良さを見切るまでは帰りたくないな」実際に島で暮らす見えてきたこと。


最初は3か月のつもりで島に来ました。でも、3カ月って良い意味でも悪い意味でも短すぎるなって感じて。
やっと慣れてきたなっていうところで終わるけど、3か月という期間だからこそ、踏み込んでいける。
なので、本土にいるときよりも、自分からどんどん話しかけれるようになったんだけど、それでできた人とのつながりが終わりに近づくにつれて、「終わりたくないな」っていう気持ちになってて。

特にそう思った瞬間が、崎のだんじりだった。

あれを見たときに、
「ああ、全部島の良さを見切るまでは帰りたくないな」
って思って。

あんなの本土じゃ、見れない。
それくらい感動しました。

ここって本土にないものがいっぱいあるって思ってて。
物価は高いけど、お金じゃこの風景や暮らし方は買えない。
お神輿のなかに子どもが入ってて、その状態でお神輿を1時間以上回すっていう(笑)

なかには子どもたちが。


「なんで、子どもたち酔わないんだろう?」とか、見てるほうが酔いそうになるくらい激しくて。
それを見たときに、文化が受け継がれていく良さだったりだとか、そういう文化を大切に守っていこうとしていく人たちがいて、すごく良いなって思った瞬間だった。
8年ぶりって聞いたら、次は自分見れないのかって見てる最中ふと思ったんだけど、「いや、見たい!」って思ったね(笑)
それくらい良くて、衝撃だった祭りだった。

それこそ、延長もそうだし、島に住むことも少し視野に入れてて。残りの1か月は自分が新しく興味を持った「人とのつながり」っていう部分をもっと深められたらいいなと思いますね。

実際に暮らすからこそ見えてくる隠岐の良さを伝えていきたい。

今、ひとつあるのがEntôの「Entô walk」っていうガイドツアーがあって。

隠岐のことだったり、「ジオパークってなんだろう?」っていうことを解説するっていうツアーをしていて。
最初、島に来るときは「そういうのがあるんだな」くらいだったんだけど、いろいろ知るにつれて、やっぱり私もこの島の良さを人に伝えていきたいなって思うようになって。
台本がなくて、自分が考えたことだけを喋る時間だから、すごい難しいなとは思うけど、「やっぱりやらないで後悔するよりも、やったほうがいいかな」って思ってるので、挑戦していきたいなって思っています。

もっと島の良さを、若い人たちに知ってもらいたいです。新しい人が入ってくることで、環境を守らないといけない点において気をつけなきゃいけないこともたくさんあるとは思うけど、隠岐の自然や文化を守り続けるためには、人の力も必要だと思うから。

それこそ、私は大人の島留学を知る前は隠岐のこと全く知らなかったし、こんなところが日本にあったのも知らなかった。
この隠岐の風景をぜひ、いろんな方に見に来てほしいなって思いますね。

「本土にはない、島ならではの価値観とは?」問いの先にあるもの。

学生ではなくて、社会人から島に来てるから、いちばんは自分が3か月後やってみたい仕事とかだったり、興味のあることを見つけることをやっていきたいのと、なんで私こういうところに惹かれるんだろう?っていうのを考えてて。
最初の研修のときに、問いを考えるワークがあって、
「本土にはない、島ならではの価値観とは?」という問いを立てました。
これと言った答えはまだ見つけられていないけど、残りの期間そういうのを見つけていきたいです。

さとみちゃんにインタビューしていて、自然とわくわくしている自分がいました。それはきっと、こんなにわくわくしながら島でのことを話してくれるさとみちゃんがいたからだと思います。島だからこその人とのつながり、自然や暮らし、いろんなものがきっとさとみちゃんの今後につながってくるものなんだろうなって。私も崎のだんじり見に行きたかったな!(笑)
インタビューさせてくれてありがとう!

あとがき~インタビューをしてみて~

(R6年度10月期島留学生:山口)

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