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内定を辞退し大学を休学。遠回りして気づいた「本当に大切なもの」
大学4年生を休学し大人の島留学へ。「親への感謝の気持ちが大きくなった」と語る彼の心境の変化とは?
島根県の離島、隠岐島前地域で大人の島留学に参画した皆さんの来島前・来島後、そしてこれからについてお届けする「私、島で働く。」
来島のきっかけから島での仕事・暮らし、自分自身の変化など1人1人のストーリーをお届けしています
R6年度、大人の島留学生として西ノ島に来島。
日本海隠岐活魚俱楽部に勤務し、魚や貝の加工業を行っている瀬戸口晃希さんにお話を伺いました。
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取材当時23歳 長崎県出身
親と喧嘩して無理やり家を出てきた。
大人の島留学に応募した当時、就職活動はしてて、今の仕事とは全く関係のない住宅の営業職の内定をもらっていました。でも、大学生活は釣りしかしてこなかったから、最後ぐらい興味があった水産業の長期インターンに行ってみようと思ったのがきっかけです。
生まれは大阪で父親の転勤で長崎に行って、ずっと人混みの中で生活してきたから、もっと自然が豊かな場所に行きたいという気持ちもありました。長崎はたくさん島があって結構行くことが多かったから、そこで「島暮らしっていいわな」ってなって。
「離島 インターン」で調べたら、一番最初に大人の島留学が出てきたので応募してみました。
応募が3月25日までだったけど、俺が応募したのが22日で。履歴書を送って興味があることをコーディネーターの方と話して、拠点の島とお仕事は1週間くらいで決まりました。
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どちらかというと今までは人に流されて生きてきたけど、島留学に行くことはぱっと自分で決められてしまって。親には「アホなんじゃない、何考えてんだ」って反対されたけど「まあまあいいだろう、俺の人生だし」って喧嘩して無理やり出てきました。
でも初めは不安もあって、こう見えて人見知りだから、友達出来るかなとか、みんなと仲良くできるかなとか、そんな不安が大きかったです。
自分でも無茶苦茶なことしてると思います。迷惑かけた人もたくさんおるけん、今楽しく過ごせているのは、いろんな人のおかげだと思ってます。
どこにいても自分の居場所がある。だから楽しい。
仕事は、加工品を作ることがメインで、サザエの缶詰やイワシのみりん干し、魚の干物などを作っています。
実際働いてみてギャップは無かったです。だからずっと楽しく続けられてるんだと思います。でも、人に恵まれてるから楽しいっていうのはあるのかもしれないです。職場の人にしろ、地域の人にしろ、島留学生にしろ、どこに行っても自分の居場所があるから、仕事も楽しくできてるんじゃないかな。
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今は新しいプロジェクトも動いていて、去年、自分の事務所にいた島留学生の西野さんが、牡蠣の缶詰を開発したんですが、今度はヒオウギ貝を缶詰にしてみようという話になって。それが意外と面白いです。
例えば、缶詰の中に入れる貝を生のままいれるか、加熱してから缶詰に入れるかによって、全然食感とかが変わってきて。加熱して身が小さくなりすぎると、数を大量に入れないといけないから、1缶当たりの単価が上がってしまう。だからちゃんと大きさを残しつつ、単価をそんなに上げないで、手の取りやすい価格って考えたときに、どれが一番いい調理方法なのかっていうのを考えながらやると結構面白いです。
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今週は2.3回ぐらい色々味付けを考えながら作っています。塩コショウとか、醬油とか塩レモンとかを試しています。今のところ、醤油とヒオウギ貝の出汁を合わせたものと塩コショウになる気がします。
ヒオウギ貝でもそうだし魚でもなんでもそうだけど、自分たちが取ってきたものじゃなくてヒオウギ貝は作ってくれる人がいるし、魚は漁師さんが採ってくれたもので。そういう人たちがいないと成り立たないから、ひとつひとつちゃんと丁寧に、粗末に扱っちゃだめだなと思っています。そこは大事にしてるかな。
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俺こんな感じやけん、悩むこともあんま無いんだわ(笑)たまに落ち込んだりしても家に帰ったら誰かおるし、職場は明るいし。別になにか相談するわけじゃないけど、勝手に元気になれます。
シェアメイトも釣りが好きだから、シェアメイト3人で釣りに行くことが多いです。あとはたまに他の島留学生をシェアハウスに呼んでタコパとかします。もう毎日楽しいよ。
でも一番思い出に残ってるのはお花見かな。来島して4日目の時で、すごい楽しかった。この時にインスタとかで見てた「大人の島留学」の雰囲気を味わった記憶があります。
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離れて暮らしてみて芽生えた、親への感謝の気持ち。
最初の方なんて島に来ても全然親と連絡取らなかったんです。でも島に来て親への感謝の気持ちは大きくなりました。
しまっこ(放課後子ども教室「しまっこ広場」)に行ってみたり、知り合いの子どもを見たりして、そこで初めて子育ての大変さを知りました。「きっと俺を育てるのも大変だったんだろうな」って。
最近は実家で犬を飼ってるから、犬の写真が送られてきます。あと、たまに電話もかかってくるから、前よりは良好な関係になったんじゃないかな。
なんでも挑戦できる環境だからこそ「やりたいこと」を持って島に来てほしい。
大人の島留学卒業後は一旦、長崎に帰ります。1年またいろいろ見てきて、どちらにしろ1年後に西ノ島に戻って来る予定です。
社会にでて働いたわけじゃないけど、自分がサラリーマンをしているのは、なかなか想像がつかない。多分向いてないのよ(笑)
今の仕事天職だと思ってるし、天職ならそれを捨てる理由もないし。お金も大事だろうけど、お金が一番っていう人間でもない。他にも何か所か行きたいところがあるから、ずっとこの島におるかまではわからんけど、今の仕事を続けられたらいいなと思っています。
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活魚俱楽部は、「こういうことがやりたい」って言ったら「いいよ、やってみればいいやん」ってなんでも挑戦させてもらえる環境ではあります。でも結局一人じゃできないから、コミュニケーション能力がこの島で生きていく上で何よりも大切なんじゃないかなと思います。
あとは、大人の島留学に何も目標がない状態で行くよりは、何か一つだけでもいいから、「こういうことがしてみたい」という強い気持ちがあれば、すごく協力してもらえる環境だから、絶対達成できると思います。
(R6年度大人の島留学生:中島)
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