砂肝のコンフィ 【鉄分たっぷりレシピ】
多少貧血の気があって、鉄分を補えると聞く食材は摂るように心がけている。何かの拍子に貧血の“ひ”でも口にすれば、相手によらず返ってくるのは「レバー食べた方がいいよ」がお決まりのフレーズ。一昔前なら「どこそこのレバ刺しが鮮度が良くて旨いいやあっちの方が旨いじゃあ次は食べ比べだな」までが更に呑助のお決まりだった。
自分で料理するならスーパーでも十分新鮮な物が手に入る鶏の砂肝がお気に入り。大した下処理無しで料理ができて、しかも安い。食べ物の栄養は薬の効き目と違うから続けられる相性もとても大切。手間とおいしさ経済性まで、私にとって砂肝はありがたい食材です。
■砂肝のコンフィの作り方■
【使った材料】※作りやすい分量
・砂肝…500g
・塩…5〜6g、砂肝重量の1〜1.2%くらい
・黒胡椒…適量、多め
・にんにく…3かけくらい、厚めにスライス
・サラダ油…100g〜
砂肝は“銀皮”と呼ばれる白い膜の部分がやや固く下処理として取り除く場合もありますが、もったいないのと何より少し面倒。低温の油で煮るように加熱するフランス料理の技法“コンフィ”なら、筋の固さも気にならず丸ごとおいしく食べられます。湯煎で手軽にコンパクトに作れるのも魅力的。
■作り方はこちらの動画でもご覧いただけます■
①砂肝を切ります
砂肝はこぶが2つ繋がったような形をしているので、まず2つに切り離してから、それぞれ切り込みを入れます。切り込みは、火の通りを早く良くするためと、より食べ易くなるように。
銀皮と呼ばれる表面の青白い部分は、さっと加熱する炒め物などでは食感が固く取り除く方が多いかもしれませんが、今日はそのまま。じっくり油で加熱するコンフィにすると、筋っぽさもまるで気にならなくなります。
サク、サク、サクっと切り込みを入れる音が気持ち良い。
②下味をつけます
耐熱容器に、切り込みを入れた砂肝/塩/胡椒/厚めにスライスしたにんにくを入れ、全体を混ぜてなじませます。塩の量は砂肝の重量の1〜1.2%と割に多め。塩気は薄いよりはやや濃いめにしておく方がクセが目立たず食べ易くなります。
砂肝は、内蔵類の中ではクセが圧倒的に少ない。なので私は臭み消しの香辛料や香り付けのハーブの類は使わずに、下味はごくシンプルにしています。塩胡椒とにんにくで大抵のものはもう十分においしくなるから。
③油に浸しながら加熱します
下味が全体に行き渡ったら表面を平らにならして、サラダ油を材料がちょうど隠れるかほんの少し出ているか位まで注ぎます。油は香りのないサラダ油でここもシンプルに。
ここから湯煎で加熱していきます。直火と違って緩やかに加熱が進む湯煎は、油を使う料理でもあまり温度管理に気を使う必要がありません。
水が入らないようにアルミホイルで蓋をして容器ごと鍋に入れます。周りに容器の高さの半分位の水を張って火にかけ、鍋の蓋を閉めて沸いてきたらごく弱火に。途中ボコボコいうようなら鍋の蓋をずらして蒸気を逃すように調節してください。ここから60〜90分そのまま加熱。時間はかかるけれどここまで来てしまえば後は待つばかりです。
私はホーロー容器と収まりの良い土鍋をセットで使用しています。金属ボウルと鍋、フライパンなど、手持ちの物で組み合わせてできるコンパクトさが湯煎コンフィの良いところ。
④完成です
時間が経ったら、火傷に気をつけながら容器を取り出して、砂肝が好みの固さになっていれば完成です。今回作った量と道具のセットでは、60分で砂肝らしいシャキシャキした歯ざわりがまだ残る仕上がり。そこから土鍋に蓋をして30分余熱放置すると、90分後にはしっとり柔らかめの食感になりました。
加熱が終わったらアルミの蓋を外してオイルごと一度冷ますと、塩気もニンニクの香りもよく馴染みしっとりおいしく食べられます。温かいまま食べたい時は、食べる分だけ取り出してオイルごと温め直すか、砂肝だけをソテーしてマスタードなどを添えても合います。ソテーのタイミングでオリーブオイルを使えば洋の雰囲気に。もちろん冷たいままつまんでも。
コンフィ自体の風味をシンプルにしておくと、そのままはもちろん和洋中問わずアレンジが効いて最後まで飽きずに食べ切れます。砂肝を食べ切った後に残る油は炒め物に使ったり、砂肝がある内に一緒にパスタにするのもおすすめです!
食べた方が良い物が、食べたい物でもあれば、色々と上手くいく。
それでは今日はこのへんで。
最後までお読みいただきありがとうございました。