【人生相談 駆け込み寺】第9回「『旦那デスノート』見る妻に恐怖」
浜の真砂は尽きても、世に悩みの種が尽きることはありません。いったん落ち着いて、胸に手を当ててみたりもして、果敢に無難に乗り越えていきましょう。※「夕刊フジ」で2016~2018年に連載(全17回)
【今回のお悩み】妻の様子がおかしいのです。ある日、パソコンで何かを打っているのですが、必死に隠そうとしたのです。気になってネットの履歴を見てみました。すると、「旦那デスノート」(夫に「死んでほしい」という願いを書くサイト)があったのです。結婚して8年になります。それなりに喧嘩もしてきましたが、「死ね」と思われるほど仲が悪いとも思えないのです。なのに、そんなサイトを見ている妻が怖くて仕方ありません。(会社員・男性 38歳)
すごいですよね、あのサイト。夫への憎しみや怒りがドロドロと渦巻き、「旦那が死んでくれました」という投稿には、祝福や羨望のコメントが大量に……。前向きなのか他力本願なのかわかりませんが、とにかくかなりの地獄絵図です。
ただ、妄想を楽しんでいるという点では、男性にとっての風俗案内サイトやエロサイトと同じようなもの。何かを書き込んでいたとしても、旦那死ねという投稿ではなく、誰かの投稿に励ましのコメントを付けていただけかもしれません。
たとえ夫婦でも、相手の本心を知ることは不可能です。そこまで仲が悪いとは思えないなら、好奇心で見ていただけといいほうに解釈して、気づいていないフリを貫きましょう。それが夫としての大人の度量です。
もちろん、本気で恨まれていて、奥さんが「本来の使い方」をしている可能性もなくはありません。思い当たる節があるなら、心を入れ替えていることを示して、関係を修復したいところ。
まずは、パソコンのデスクトップの目につく場所に、「だんなですノート」という名前のフォルダーを作ります。そして、毎回「ぼくはだんなです」という書き出しで、「だんなだから、全力で妻に尽くさなければいけません」といった内容の日記を書いて、その中にせっせと保存しましょう。
フォルダ名にギクッとして中をのぞいた奥さんは、あなたのケナゲさに心打たれて、ふたりの絆は一気に強まる……はず。あいにく裏目に出てさらに亀裂が深まった場合は、もともとどうあがいても修復不可能だったと思って、それなりの覚悟を決めてください。