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【どっちでもいいのだ!】 その13「上司が魚の名前を間違えている 指摘する? スルーする?」
一度しかない人生。眉間にシワを寄せているヒマがあったら、笑ジワを作りながら暮らしたい。「どっちでもいいのだ」精神で、毎日をゆるゆると生きてみませんか? ※「東京スポーツ」で2017~2018年に連載(全44回)
「うまい魚で冷や酒なんてどうだ」と誘われて、上司オススメの小料理屋で差し飲み。異動してきたばかりの自分に、たぶん気をつかってくれたのだろう。おいしい魚と酒でいい気持ちになった頃、上司が刺身を口にしながら、「この時期のイワシは最高だな」と言っているが、それはアジだった午後9時半。
たしかに少し似てますが、けっこう恥ずかしい間違いではあります。長い付き合いの上司だったら、即座に「それアジですよ」とツッコミを入れるところ。しかし、まだ遠慮がある間柄だと、迷いが生じます。
「えーっと、もしかしたらアジかも」と指摘して、「あ、そっか。アハハ」と笑ってくれたら、一気に打ち解けられるでしょう。しかし、ムッとされて雰囲気が悪くなる可能性も無きにしも非ず。それはそれで、ケツの穴の小さいタイプということがわかって、今後の付き合い方の参考にはなります。
スルーしたところで誰も困りません。アジだって怒らないでしょう。指摘できない自分は意気地なしだとか、指摘する自分は大人げないとか、卑屈になる必要もありません。
「どっちでもいいのだ!」
そう心の中で呟いて、迷いを吹き飛ばしましょう。指摘かスルーか、話の流れと雰囲気によって決めれば、ぜんぜん大丈夫。そもそも、目の前にあるおいしい刺身の正体がイワシだろうがアジだろうが、考えてみたらそれも「どっちでもいいのだ!」です。
応用編 上司がわさびを醤油に溶かず、刺身につけている
自分は「醤油に溶く派」ですが、上司に合わせたほうがいいのか己の生き方を貫くべきか。醤油に溶いていたら、上司がしたり顔で「わさびっていうのはな」とウンチクを垂れてくるかもしれません。
まあ、そんな話をして距離が縮まれば結果オーライ。こっちも刺身に直接つけて、上司が「おっ、わかってるね」と言ってきたら、それもまたよし。「どっちでもいいのだ!」と思いながら、気分で選びましょう。