【どっちでもいいのだ!】 その8「前評判がやたら高かった映画 期待以上or期待外れ」
一度しかない人生。眉間にシワを寄せているヒマがあったら、笑ジワを作りながら暮らしたい。「どっちでもいいのだ」精神で、毎日をゆるゆると生きてみませんか? ※「東京スポーツ」で2017~2018年に連載(全44回)
あらゆるメディアで絶賛されている話題の映画。観てきた同僚は「文句なしの傑作! 絶対に観たほうがいいよ!」と熱くススメてきます。そこまで言うならと、会社帰りに久しぶりの映画館へ。さてさてどんな傑作なのかと期待しつつ、じっとスクリーンを見つめ続けて、最後まで観終わった午後9時半。
前評判どおり「これはすごい映画だ!」と思えたとしたら、何の問題もありません。ススメてくれた同僚に感謝し、傑作に出合えた幸せを噛みしめましょう。
しかし、それなりに面白い映画だったとしても、大きすぎる期待とともに観に行くと、「あれれ……?」と肩透かしを食らった気持ちになることは、よくあります。絶賛している世間や同僚を恨みたくなったり、「金返せ!」という気になったりすることも。
映画の好みは人それぞれですから、世間や同僚を恨むのは筋違い。久しぶりに映画館に来るきかっけにはなったし、大評判の映画を「イマイチだったな」と突き放すことで、一般大衆に対してひそかに優越感を抱くことができるのも、実際に映画を観たからこそ。
邪悪で荒んだ気持ちになりかけたら、いつもの魔法の呪文の出番です。
「どっちでもいいのだ!」
傑作だと思えないのは、もしかしたら自分の理解力や感受性が乏しいせいかもしれません。でもまあ、反省しても賢くなるわけではないので、そこも「どっちでもいいのだ!」で片付けてしまいましょう。
応用編 自信満々にススメた映画を同僚が気に入らなかった
同僚に自信満々でススメた映画。さっそく観に行ったようですが、「うーん、俺にはイマイチだったな」と渋い顔をしています。「えー、なんでだよ!」と激しく問い詰めたくなりますが、それをやったらケンカになるだけ。
同僚がせっかくの傑作の魅力を味わえなくても、こっちが困るわけではありません。「どっちでもいいのだ!」と呟いて、自分の中に渦巻くもどかしさをなだめましょう。