第9回「義母が孫に自分のことを名前で呼ばせる」

Q ある日、3歳の息子が「マキエがね」と言い出しました。「誰?」と聞くと「おばあちゃん」とのこと。義母が息子に名前で呼ぶように言ったようですが、私としては違和感を覚えます。夫は「いいんじゃないの」と知らん顔です。(滋賀県・33歳・会社員)

A いますよね、孫に「おばあちゃん」と呼ばせない祖母の人たち。往生際が悪いというか、呼ばれ方にこだわってうわべの“若さ”にしがみつく了見が痛々しいというか。あなたの違和感は、とてもよくわかります。そもそも孫の存在から目をそらすようなことをして、孫に失礼だと思わないのでしょうか。

 ……とまあ、個人的な考えはさておき、もし知り合いで「おばあちゃん」ではなく名前で呼ばせている女性がいても、べつに非難するつもりはありません。しょせんは“好み”の問題です。ま、妻がそうしようとしたら、「ちょ、ちょっと待って」と話し合うかもしれませんが。

 たぶんですけど、日頃から義母のやることが、何かと気に食わないのではないでしょうか。ウンザリしたりイライラしたりしそうですが、まあ、ずっと悩み続けるほどのことでもありません。「そうしたいなら、そうすればいいんじゃないの」と、心の中で突き放しましょう。

 お子さんの教育的にどうかという心配もありそうですが、それも大丈夫です。あなたから見て理想的な祖母だろうと困った祖母だろうと、いい影響も悪い影響も結果的には似たバランスで与えてくれます。

 赤瀬川原平さんの言葉を胸に刻んで、「どっちでもいい」ことは「ま、いっか」とアバウトに流しましょう。孫が義母をどう呼ぶかより、母親がこんなことでクヨクヨと悩んでいないで、毎日ニコニコと機嫌よく過ごすほうがよっぽど大切です。

今月のお言葉

アバウトは健康にいい――赤瀬川原平(前衛美術家)

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