第6回「キャラ弁をせがまれても上手に作れない」

Q 娘がお弁当をキャラ弁にしてくれとせがみます。でも、私は超ぶきっちょ。一生懸命練習して作ったピカチュウも、黄色い鬼にしか見えなくて……。娘に「ママはぶきっちょだからごめんね」と謝ったのですが、納得してくれません。(岐阜県・30歳・主婦)

A 黄色い鬼バージョンのピカチュウも、なかなか味がありそうです。この時期、お弁当問題に悩んでいる方も多いでしょう。昨今の子どものお弁当には、お母さんたちの自己実現欲や対抗心が必要以上につぎ込まれています。手をかけることと愛情の深さとは、本来は関係ありません。無駄に疲れるだけの競争にうっかり巻き込まれないように、くれぐれも気を付けましょう。

 その上で、我が子のリクエストにどう応えてあげればいいのかを考えたいところ。見事に期待に応えれば喜んではくれるでしょうが、親の役割はそれだけではありません。

 たとえば、リラックマやアンパンマンを作ろうと悪戦苦闘したけど、結果的に似ても似つかないものになったら、娘さんは「世の中にはどうにもならないこともある」と学んでくれるでしょう。「母親は万能ではない」と思い知るのも、子どもの成長にとっては必要なことです。

 また、期待に応えられない悔しさをにじませることで、娘さんは無茶な要求をした自分のワガママさに気づけるはず。どれもこれも、超ぶきっちょであるおかげです。

 キムタクが言うように、負け戦とわかっていても、時にはあえてぶつかっていきましょう。予想以上にコテンパンに負けたとしても、子どもが大泣きしたとしても、きっと親子を成長させてくれる戦いになるに違いありません。何ならキムタクも応援してくれていると思ってしまえば、勇気を振り絞れるはずです。

今月のお言葉

よく「負け戦はするな」っていうじゃない? でも僕はそれを処世術にして、生きていきたくない――木村拓哉(タレント)

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