第11回「専業主婦のママ友に復職の予定を言えない」

Q 育児休暇中で、つかの間の専業主婦生活を送っています。しかし、娘が通う幼稚園のママ友たちは、本物の専業主婦。「子どもを置いて働くなんて信じられない!」的な話が漏れ聞こえてきて、自分が復職予定だということが恐くて言えません。このままフェードアウトしていくしかないのでしょうか。(東京都・35歳・主婦)

A ものすごく当たり前のことですが、生き方は人によって違うし、どれが上とか下とかという問題ではありません。子育てのやり方や考え方もしかりです。しかし、人間は滑稽な生き物で、自分と違う生き方をしている人を見下したり、あるいは同類と結束したりして、安心や優越感を得たがります。

 この相談は専業主婦のママが働くママに冷たい目を向けるパターンですが、逆も珍しくないでしょう。学歴や出身地、夫の職業、あるいはお弁当の作り方に至るまで、どうでもいい比較の種は尽きません。

 たしかに「本物の専業主婦」のみなさんに、じつは復職するつもりだと伝えたら、裏切り者扱いされそうです。イヤミのひとつも言われるでしょう。しかし、何も言わずにフェードアウトするのは、いろんな意味でもったいない話です。

 ここでコソコソしたら、心から胸を張って復職できないし、子どもに無用の後ろめたさが生じかねません。まんまとイヤミを言われたら、「こういう人たちと同類じゃなくてよかった」と、励みにさせてもらえばいいのではないでしょうか。

 相田みつをさんも、下のように言ってくれています。他人のものさしに振り回されてオロオロする必要はありません。自分のものさしに自信を持って、堂々と生きていきましょう。それが、子どもにとって「自慢の母親」なるための必須条件です。

今月のお言葉

他人のものさし 自分のものさし それぞれ寸法がちががうんだな――相田みつを(書家・詩人)

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