
【どっちでもいいのだ!】 その9「初恋の女性と超久しぶりに再会 今もカワイイorまあ年相応」
一度しかない人生。眉間にシワを寄せているヒマがあったら、笑ジワを作りながら暮らしたい。「どっちでもいいのだ」精神で、毎日をゆるゆると生きてみませんか? ※「東京スポーツ」で2017~2018年に連載(全44回)
地元で久しぶりに開かれた中学校の同窓会。幹事によると、これまで同窓会に出てこなかった当時のマドンナが、たまたま連絡がついて今回は出席とのこと。じつは初恋の人ですけど、もちろん当時は告白する勇気なんてありませんでした。卒業から30年以上たって、さて彼女はどう変わっているのかと、少し緊張しながら会場に入った午後7時。
中年になったからといって、誰もがオバサンになるとは限りません。かつて胸ときめかせた彼女が、元マドンナという素質を生かしつつ、大人の色気が加わったイイ女になっていたら、心の中でガッツポーズのひとつも決めたいところ。「俺の見る目はたしかだった」と満足感に浸るのも一興です。
ただ、年相応のオバサンになっている可能性のほうが、はるかに高いでしょう。そうだったからといって、落胆するのは大間違い。手を伸ばしても届かない高嶺の花だった彼女が、今はオジサンとオバサンという同じカテゴリーに来てくれたとも言えます。
「どっちでもいいのだ!」
という魔法の言葉を呟きつつ、ふたりの新しい関係のスタートを祝福しましょう。
こっちだって歳を重ねて、多少は図々しくなっています。「今もカワイイね」とお世辞のひとつもかまして、「もー、やーねー」とテレつつも喜んでくれる――。てな感じの大人なやり取りをしつつ、マドンナ時代の可憐な表情の面影も読み取ることができるんですから、こんな幸せな状況はありません。歳を取るというのも、なかなかいいものです。
応用編 向こうがこっちのことをぜんぜん覚えていなかった
相手がこっちのことをしっかり覚えてくれていたら、それはそれで嬉しい展開。「えーっと……」と、どうやら記憶から飛んでいたとしても、落ち込む必要はありません。
「どっちでもいいのだ!」と受け止めて、よしこれで先入観なく一から関係を築けると、自分に言い聞かせましょう。ま、ほぼ間違いなく、はかない夢に終わりますけど。