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【どっちでもいいのだ!】 その24「電車でお年寄りに席を譲ったら 感謝された 拒否された」

一度しかない人生。眉間にシワを寄せているヒマがあったら、笑ジワを作りながら暮らしたい。「どっちでもいいのだ」精神で、毎日をゆるゆると生きてみませんか? ※「東京スポーツ」で2017~2018年に連載(全44回)

 得意先に向かう地下鉄の中。まだ早めの時間のせいかけっこう混んでいて、立っている人も多い。運よく座れたが、次の駅で乗ってきた70代半ばぐらいの男性が目の前に立った。ちょっと迷った末に、「どうぞ」と声をかけつつ腰を浮かせた午前10時過ぎ。

「恐れ入ります」とか「かたじけない」とか言って、すんなり座ってくれれば、何の問題もありません。「ああ、勇気を出して席を譲ってよかった」という満足感を胸に、少し離れた場所に移動してつり革をつかみながら、目的の駅まで気持ちよく過ごせます。

 しかし、そういう平和な展開になるとは限らないのが、席を譲るという行為の難しさ。ムッとした顔で「いや、けっこう」と拒否されたり、「いや、次で降りますので」と遠慮されたりして、浮かせた腰の持って行きどころがなくなるケースも多々あります。

「こんなことなら譲らなければよかった」と後悔する必要はありません。デンと座り続けていたら、周囲からこっそり白い目で見られただろうし、自分も後ろめたさを覚えたでしょう。座るか座らないかは相手の問題で、自分はやるべきことをやっただけです。こんなときは、いつものあの言葉の出番。

「どっちでもいいのだ!」

 心の中でそう呟いて、ふたたび腰を下ろします。さらに、その男性に向かって、ニッコリ微笑みながら「失礼いたしました」と静かに告げましょう。そんな大人っぽい振る舞いができたら、すんなり座ってもらえた時以上に深い満足感を覚えられるはずです。

応用編 ちょうど来た電車に乗ったら各駅停車だった

 急行や快速なら、目的の駅まで10分ぐらい早く着けました。そう思うと、ものすごく運が悪かったような気になりがち。

 しかし、各停のほうがすいてるし、余分にできた10分でメールを返したり本を読んだりできます。「どっちでもいいのだ!」と呟いて、常に追われているような気持ちになっている余裕のなさを反省しましょう。

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