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【どっちでもいいのだ!】 その33「上司の鼻毛が出ているのを注意 感謝された キレられた」
一度しかない人生。眉間にシワを寄せているヒマがあったら、笑ジワを作りながら暮らしたい。「どっちでもいいのだ」精神で、毎日をゆるゆると生きてみませんか? ※「東京スポーツ」で2017~2018年に連載(全44回)
上司と電車で得意先に向かっている。「あそこの部長は」などと話している上司の顔を見ると、鼻から黒くて細長いものが。鼻毛である。このまま得意先を訪問するのはさすがにまずいと思い、勇気を出して「あ、あの、鼻毛が……」と指摘した午後1時半。
鼻毛はいつも、私たちに厳しい試練を与えます。上司が「おっと危ない危ない。教えてくれてありがとう」と素直に感謝を返す人間が練れたタイプだったら、何の問題もありません。言ってよかったという満足感と上司への尊敬の気持ちを抱きつつ、なごやかに得意先に向かうことができるでしょう。
いっぽうで「人の鼻の穴、見てんじゃねーよ」と、逆ギレされる可能性も大いにあります。「す、すいません。そのままだとマズイかなと思って」と謝っても、そう簡単に機嫌を直してはくれないでしょう。
ただ、指摘しなかったとしたら、それはそれで後悔しそうです。平昌五輪のスピードスケート女子500メートルで金メダルを獲得した小平奈緒は、五輪記録を更新する会心の滑りをしたあと「これで金メダルじゃなかったらしょうがない」と思ったとか。鼻毛の場合も同じです。大切なのは、自分がやるべきことをきちんとやり遂げること。相手がどう反応するかは二の次です。
「どっちでもいいのだ!」
無敵の呪文を心の中で呟いて、果敢に戦い抜いた自分をホメてあげましょう。こっそり鼻の穴をふくらましてもかまいませんが、ふくらませ過ぎると鼻毛が飛び出します。
応用編 ミーティング後に鏡を見たら鼻毛が出ていた
トイレで鏡を見て呆然。ミーティングをしていた同僚たちも、たぶん気が付いていたでしょう。とはいえ「なんで言ってくれないんだよ」と恨むのは、ちょっと相手に酷です。
指摘されてもされなくても、気が付いていてもいなくても、「どっちでもいいのだ!」と自分に言い聞かせつつ、引っこ抜いた鼻毛といたたまれなさを吹き飛ばしましょう。