【どっちでもいいのだ!】 その43「上司の背中に彫り物があるという噂 ガセネタ じつは真実」
一度しかない人生。眉間にシワを寄せているヒマがあったら、笑ジワを作りながら暮らしたい。「どっちでもいいのだ」精神で、毎日をゆるゆると生きてみませんか? ※「東京スポーツ」で2017~2018年に連載(全44回)
入社以来、お世話になっている部長。仕事ができて面倒見もよくて、みんなが尊敬している。ある日、仕事帰りの居酒屋で、先輩が声をひそめて「知ってるか? 部長は昔、やんちゃしてて、背中に派手な彫り物があるらしいぜ」と言ってきた。まさかあの部長がと思いつつ激しく気になる午後8時。
その人の「意外な過去」は、無責任な噂話の定番です。まして仕事ができて尊敬を集めているとなれば、噂の的になりがち。誰かが適当に言ったヨタ話に、尾ひれがついて広まる場合もあるでしょう。
噂が真実なのかどうか、本人に確かめるわけにもいきません。真実だとしたら聞いても答えないだろうし、ガセだとしたら極めて失礼です。「ああ、あるよ」と言われる可能性もありますけど、それはそれで触れられたくない部分に無神経に触れることになります。
気にはなりますが、いつものあの言葉を力強く呟いて、どっちなのか知りたいと思う自分の卑しさを吹き飛ばしましょう。
「どっちでもいいのだ!」
大切なのは、今の部長が尊敬できる人物であるということ。仮にそういう過去があった上で今があるとしたら、なおさら尊敬できます。噂の真偽なんて知る必要はありません。
いろんな状況を「どっちでもいい」と大らかに受け止めることも大切ですが、答えを知ることを放棄するのも、大切にしたい「どっちでもいいのだスピリッツ」です。
応用編 妻が昔風俗嬢だったと、SNSで匿名のチクリがあった
結婚して20年になる妻。それなりに円満に過ごしてきて、いつも感謝しています。ある日、SNSで匿名の誰かから「奥さんは若い頃、風俗嬢だったって知ってますか?」というチクリがありました。
気にはなりますが、真偽を探ろうとするのは百害あって一利なし。「どっちでもいいのだ!」と叫んで、悪意しかないチクリなんてさっさと忘れましょう。自分が信じてさえいれば、それが妻の「真実」です。