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【人生相談 駆け込み寺】第11回「大盛りを強要され生活習慣病が心配です」

浜の真砂は尽きても、世に悩みの種が尽きることはありません。いったん落ち着いて、胸に手を当ててみたりもして、果敢に無難に乗り越えていきましょう。※「夕刊フジ」で2016~2018年に連載(全17回)

【今回のお悩み】いわゆるメタボです。この前、会社の健康診断で血圧が「ヤバイ」といわれ、ダイエットを考えています。でも食事の量を減らせないんです。太っているせいか、社食でも行きつけの定食屋でも、大盛りのご飯が出てきます。上司と飲みに行っても「デカイ体してんだから、どんどん食えよ」と勧められてしまいます。内心は断りたいと思いながら、つい食べてしまいます。このままじゃ、生活習慣病一直線です。(会社員・男性 35歳)

 意志が弱い自分を肯定してほしいのか、厳しく叱咤激励してほしいのか、どっちの回答を期待されているのでしょう。

 本気でダイエットする気があるなら、さっさと実行しているはず。ここで「そんなことではダメだ!」と厳しく言っても、「たしかにそうだな」と反省して、それで満足してしまうのがオチ。現状維持を後押しする効果しかありません。

 あなたがメタボになろうがどうしようが知ったことではないので、意志の弱さを肯定する方向で話を進めましょう。

 そう、残念ながら人間は弱い存在ですから、ダイエットなんて簡単にはできません。無理して一時的にがんばったとしても、リバウンドして逆効果になるだけです。

 メタボだからって、必ず生活習慣病になるわけじゃないし、早死にするとも限りません。そもそも食べたいものも我慢して少しぐらい長生きしたところで、何の意味があるというのでしょう。

 我が身を犠牲にしてまで、定食屋さんや上司の好意に応えているあなたは、とても心やさしい人です。食べ過ぎる責任をそうやって微妙に転嫁しているところも、人間臭くて魅力的。そもそもぽっちゃり体型のほうが、周囲に安心感を与えるし、一部のマニアな女子にはウケがいいはずです。

 ……いかがでしょうか。「そう、その通り!」と我が意を得たとしたら、けっこう救いがない状態です。どうなったとしても、運命を受け入れましょう。「そんな手前味噌な理屈で自分を騙している場合じゃない!」と危機感や自己嫌悪を覚えたとしたら、十分に望みがあります。心を入れ替えてがんばってください。

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