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【どっちでもいいのだ!】 その1「後輩が唐揚げにいきなりレモンをかけた」

一度しかない人生。眉間にシワを寄せているヒマがあったら、笑ジワを作りながら暮らしたい。「どっちでもいいのだ」精神で、毎日をゆるゆると生きてみませんか? ※「東京スポーツ」で毎週火曜日(月曜日発売)に好評連載中!

 同僚と仕事帰りの居酒屋。若い後輩が、出てきた鶏の唐揚げに、いきなりレモンを絞り始めました。心の中に「おいおい、ひと言聞いてからかけるのが常識だろ」という小さな怒りが生まれた午後6時半。

 とはいえ、よく考えてみたら、自分はもともと「唐揚げにレモンをかけない派」ではありませんでした。仮に、どちらかといえば「かけないほうが好き」だったとしても、たいした違いはありません。みんなで楽しくつつき合えば、どっちでもおいしいはずです。

 ああ、うっかり「こだわり地獄」に堕ちてしまうところでした。「俺はレモンをかけないほうが好きなんだ!」と後輩を叱責すれば、グルメな自分を主張できた快感を得られるかもしれません。ただ、居酒屋の唐揚げでグルメを気取っているのは、客観的に見るとけっこうマヌケです。

 そんなときには、この魔法の呪文を呟いて、心の中のモヤモヤを吹き飛ばしましょう。

 「どっちでもいいのだ!」

 そういうことにいちいち目くじらを立てるか、穏やかな気持ちでスルーするか、そっちのほうがよっぽど、どっちでもよくなさそうです。でもまあ、目くじらを立てたら立てたで、後輩はひとつ勉強になるわけなので、それも「どっちでもいいのだ!」ですね。

応用編:あとから注文した別の席に唐揚げが先に出てきた

「おいおい、こっちが先だろ!」と目くじらを立てたくなる状況です。しかし、居酒屋の兄ちゃんだって忙しいんだし、一刻も早く唐揚げが食べたかったわけでもありません。

 注文を忘れられたんだったら催促したほうがいいかもしれませんけど、そのあとすぐ出てきたなら、「どっちでもいいのだ!」と呟いて、熱々をおいしくいただきましょう。先を譲ってあげた優越感とともに食べる唐揚げは、また一段とおいしいはず。レモンがかかっていてもかかっていなくても。 

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