第10回「夫に少しでいいから家事を手伝ってほしい」

Q 世の中イクメン流行りなのに、夫は子育ても家事もまったく手伝ってくれません。文句を言っても怒るわけでもなく、「俺、不器用だからかえって迷惑かけるだけだし……」と情けない声を出すだけ。私も働いているので、少しでもいいから手伝ってほしいんです。どうしたら夫をその気にさせられますか?(鹿児島県・32歳・会社員)

A どこからどう見ても、非はダンナさんにあります。ただ、ここで「夫の言い分がいかに間違っているか」を懸命に言い立てても仕方ありません。もっとも大切なのは「何とかして手伝わせること」。

 その点、どうやってその気にさせるかと悩んでいる質問者さんは、じつにアッパレです。世の奥さん方の中には、何もしないダンナへの文句や悪口に精を出すことで、自分の存在意義を確認し、プライドを保っている人は少なくありません。

 ダンナさんを変えるには、まずは何をどうしてほしいのかを具体的に伝えましょう。「何をしていいのかわからない→的外れなことをして失敗したら恥ずかしい」という恐怖心が先に立って、一歩を踏み出せないケースはよくあります。同時に、悲痛な様子で「このままだと限界だ」と弱音を吐いてもいいでしょう。

 旧日本海軍の連合艦隊司令長官で、アメリカとの戦争に最後まで反対した山本五十六は、こんなふうに言っています。人を動かすのは、それがたとえ夫でも容易ではありません。「とにかく手伝ってよ」と言い続けても、相手を固まらせるだけ。おだてたり大げさに喜んだりしてイイ気にさせ、徐々に育てましょう。

 そこまで手をかけてあげるのは理不尽な気もしますが、少しでも楽な状況を作るためってことで頑張ってください。同じノウハウは、子どもに対しても使えそうですね。

今月のお言葉

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ――山本五十六(軍人)

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