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【人生相談 駆け込み寺】第17回「クールビズで皆から浮きたくない」

浜の真砂は尽きても、世に悩みの種が尽きることはありません。いったん落ち着いて、胸に手を当ててみたりもして、果敢に無難に乗り越えていきましょう。※「夕刊フジ」で2016~2018年に連載(全17回)

【今回のお悩み】クールビズの服装に悩んでいます。今年の夏は暑くてしようがないので、ポロシャツにしたいのですが、周りの目が気になるんです。会社の規定では、ポロシャツはOKなのですが、今のところみんなワイシャツ姿のままです。自分だけがポロシャツにすると、周りから浮くような気がして、思い切ることができません。やっぱり、仕事でポロシャツを着るのはNGなんでしょうか。(会社員・男性 42歳)

 個人的な経験だと、親戚づきあいにせよ友達づきあいにせよ、

「こんなことしたらなんて言われるか……」

 と、どうでもいいことで周囲の目を気にする人ほど、他人の言動に対して「あれはちょっと」と、どうでもいいことで非難したがります。

 たぶんあなたも、日頃から同僚の言動を細かくチェックし、出る杭を叩いたり足を引っ張ったりするのに忙しいのでしょう。ご苦労様です。

 会社の規定で「ポロシャツはOK」なんだったら、迷う必要なんてありません。誰も着ていないなら、小さくヒーローになることもできます。

 同僚から「おっ、ポロシャツだね」とか何とかいじられるでしょうけど、それもまた楽し。女性社員の注目だって集まるし、誰かが後に続いてくれたら、先鞭をつけた満足感も味わえます。

 でも、浮くことを気にしているあなたは、きっとポロシャツは着ていきません。小さくヒーローになる快感より、他人の浮いた行動に眉をひそめたり、陰口を叩いたりする快感を優先する生き方を選んでいるわけですから。それはそれで、平和で陰険な日々を無難に送れて、けっこうなんじゃないでしょうか。

「いや、俺は違う」と反発を感じたり、「失礼なことを言うな!」と腹が立ったりしたなら、まだポロシャツへの道は閉ざされてはいません。

 今年の夏の暑さは、なかなかしつこそうです。チャンスはまだ何度もあるはず。生き方を変えたいと思うなら、ポロシャツで出社しましょう。ただし、あなたがテレビ局のディレクターじゃない限り、襟を立てるのはやりすぎですけど。

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