複線図の書き方
第2種電気工事士の学科試験、技能試験の勉強中で複線図の書き方がいまいちわからないってことありますよね。
この記事では、複線図の書き方のルールの説明、実際に第2種電気工事士で問われる複線図の知識を画像を多めにわかりやすく書いています。
最後まで読んだらわからなかった複線図の書き方がわかります。
ぜひ読んでみてくださいね。
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電気工事士試験で求められる複線図とは
第1種、第2種電気工事士試験では単線図で出題されます。
ブレーカーからコンセントに行く配線は
このような単線図で表記されます。
ただ、配線は2本以上なのでどう配線するかわかりません。
どう配線したらいいのかわかるようにしたものが複線図です。
ブレーカーからコンセントの複線図は
これは簡単ですが、
実際の試験では
この部分の単線図を複線図にできる能力は必要です。
③の部分の最小の心線数を答える問題があります。
この複線図は
このような複線図にしてもらうとどのケーブルを使うか、どれとどれをつなぐかなどが一目でわかります。
壁付のプルスイッチ式照明は
引っ張り紐がついている照明で今回の配線図ではスイッチで入り切りをせず、紐のみで入り切りを行います。
複線図の書き方ルール
複線図を書くためのルールを説明します。
「接地側電線(白線)」は青色、「非接地側電線(黒線)」は黒色で書きます。
電源の接地側(白線をつなぐ所)は〇またはNで示し、非接地側(黒線をつなぐ所)は●またはLで示します。
電線の接続箇所となる、ボックス(ジョイントボックス、アウトレットボックスなど)は大きめの丸もしくは四角の点線で表します。
電線の接続点は●で示します。
接地側電線は接地線と呼ばれる電線を大地に接続することで対地電圧を0Vにしている電線です。
非接地側電線は大地に接続されていない電線で対地電圧が0Vではありません。
複線図で書くとこうなります。
複線図を描いてみよう
複線図を描くときの順番は
単線図と同じように電源、負荷、スイッチなどを配置します。
電源の接地側(N)とコンセント、電灯、換気扇などの負荷を「接地側電線(白線)」とつなぎます。
電源の非接地側(L)とコンセント、スイッチを「非接地側電線(黒線)」とつなぎます。
電灯、換気扇などと対応するスイッチをつなぎ、色を決めます。
という順番で実際に見てみましょう。
ブレーカーからスイッチ1個の場合
1つの蛍光灯をスイッチで入り切りする場合をイメージした単線図です。
1.単線図と同じように電源、負荷、スイッチなどを配置します。
単線図と複線図で配置する機器の図記号は違うので覚えてね
左の〇と●(NとL)はブレーカー、真ん中の大きな点線の円はジョイントボックス、下のスイッチは必ず覚えましょう。
今回は〇と●。LとN両方とも表記しています。
実際には自分がわかるためのものなのでどちらかあるいはなしでもOKです。
2.電源の接地側とコンセント、電灯、換気扇などの負荷を「接地側電線(白線)」とつなぎます。
接地側電線(白線)は電源からコンセント、電灯などの負荷とつなぐので今回の配線では蛍光灯とつなぎます。
3.電源の非接地側とコンセント、スイッチを「非接地側電線(黒線)」とつなぎます。
非接地側電線(黒線)は電源からコンセントやスイッチにつなぐので今回の配線ではスイッチにつなぎます。
4.電灯、換気扇などと対応するスイッチをつなぎ、色を決める
残ったスイッチと電灯や換気扇とつなぐ配線をします。
今回はスイッチからの線と蛍光灯の線をつなぐと線はつなぎ終わりです。
このように配線の色を決めたら完成です。
配線の色は2芯だと黒線と白線。つまり書くのは黒色と青色で表記します。
3本は3芯で、黒線、白線に加え赤線が入って、赤色で表記します。
試験では4芯の場合は2芯×2本使うので黒線×2本、白線×2本です。
スイッチ1個とコンセントの場合
1部屋の蛍光灯とコンセントをイメージした単線図です。
コンセントは入り切りがないのでブレーカーから直接つながります。
施工条件でケーブルはVVF-1.6mm、アウトレットボックスではリングスリーブで圧着です。
1.単線図と同じように電源、負荷、スイッチなどを配置します。
2.電源の接地側とコンセント、電灯、換気扇などの負荷を「接地側電線(白線)」とつなぎます。
接地側電線をつなぐのはコンセントと各機器です。
スイッチに接地側電線(N)はつなぎません。
3.電源の非接地側とコンセント、スイッチを「非接地側電線(黒線)」とつなぎます。
非接地側電線はスイッチとコンセントにつなぎます。各機器はスイッチを経由するので非接地側電線が直接入ることはありません。
4.電灯、換気扇などと対応するスイッチをつなぎ、色を決める
残ったスイッチと電灯や換気扇とつなぐ配線をします。
スイッチからジョイントボックスにいく色が決まっていないケーブルは白線、ジョイントボックスから蛍光灯へのケーブルは黒線です。
リングスリーブで圧着する場合は刻印、差し込みコネクタの場合は何本用を使うかなどを書いておくとより便利です。
ケーブルはVVF-1.6mmを使用するので1.6mm×2本のリングスリーブの刻印は「〇」になるので、「〇」を入れています。
スイッチ2つある場合
スイッチがダウンライトと換気扇で2つある場合を考えていきます。
施工条件でアウトレットボックス(スイッチの上)はリングスリーブの圧着、ジョイントボックスは差し込みコネクタでの施工とします。
1.単線図と同じように電源、負荷、スイッチなどを配置します。
2.電源の接地側とコンセント、電灯、換気扇などの負荷を「接地側電線(白線)」とつなぎます。
接地側電線は各機器とコンセントにつながるため、DLそれぞれと換気扇につながります。
3.電源の非接地側とコンセント、スイッチを「非接地側電線(黒線)」とつなぎます。
スイッチ「イ」と「ロ」の間は黒線の渡り線を入れます。
「イ」と「ロ」のスイッチそれぞれに接地側電線(黒線)をアウトレットボックスから引っ張るのもありますが、ケーブルが無駄なので渡り線を使います。
この「ロ」のスイッチに入る接地側電線のために余分に線を引っ張る必要がありますし、1mなら気にならなくても、50mとかあるともったいないです。
スイッチ内の渡り線なら10cmで足りるので、渡り線を使います。
4.電灯、換気扇などと対応するスイッチをつなぎ、色を決める
2個のDLと換気扇に入るケーブルは2芯なので接地側の白線以外は黒線が使われます。
①と②は3芯が必要です。
①はスイッチに入る非接地側電線の黒線だけ決まっていて残る2本は白線と赤線どちらでもOK
③は接地側電線の白線が決まっていて、残る2本は黒線と赤線どちらでもOK
赤線と赤線をつなぎました。
それに合わせてほかの色線を決めました。
施工条件のアウトセットボックスはリングスリーブ圧着です。
電源からのケーブルがVVF-2.0mm。1.6mm×1-2本×2mm×1本でのリングスリーブの刻印は「小」、1.6mm×2本での刻印は「〇」です。
ジョイントボックスは差し込みコネクタでケーブルの本数に合わせた差し込みコネクタを記入しましょう。
4本つなぐところは「4」、3本つなぐところは「3」
3路スイッチ
3路スイッチは階段の上と下両方からシーリングライトを入り切りできる回路とイメージしてください。
階段以外にも廊下や部屋など2か所のスイッチで入り切りできる場合に3路スイッチは使われます。
1.単線図と同じように電源、負荷、スイッチなどを配置します。
3路スイッチで使われるスイッチは「0番」と「1番」、「3番」を切り替えるタイプです。
2.電源の接地側とコンセント、電灯、換気扇などの負荷を「接地側電線(白線)」とつなぎます。
3.電源の非接地側とコンセント、スイッチを「非接地側電線(黒線)」とつなぎます。
3路スイッチではどちらか片方のスイッチに非接地側電線を「0番」につなぎます。
4.電灯、換気扇などと対応するスイッチをつなぎ、色を決める
CLと非接地側電線をつないでいない側のスイッチ「0番」につなぎます。
CLは2芯なので0番からの線は黒線になります。
0番からボックスまでの色は何色でもOKです。
今回はCLに合わせて黒線にしました。
同じ色だと圧着時に間違いにくい。
スイッチの「1番」と「3番」をそれぞれつなぎます。
今回は1番同士、3番同士で接続しましたが、1番と3番を接続してもOKです。(赤い丸)
3路スイッチは、色が決まらない所が多いですがCLと0番の線を黒線にしたので、赤線同士をつなぐようにしてわかりやすいようにしました。
同じ色同士でつないでわかりやすくするとミスが減ります。
4路スイッチ
4路スイッチは両端に3路スイッチが入った状態の回路です。
イメージは1階から3階まである階段の照明を入り切りするときをイメージしてください。
両端となる1階と3階は3路スイッチ、2階が4路スイッチ使います。
1階~4階まである場合は2階と3階が4路スイッチ、1階と3階が3路スイッチです。
4路スイッチに電線をつないだ状態です。
今の回路だと1階から3階までつながっていて照明がつきます。
1階のスイッチを切ってみると
1階のところが0番と3番がつながって、電気が通じなくなって、照明は消えます。
2階のスイッチを切ってみると
2階の4路スイッチを切ったときはそれまで「1番と2番」「3番と4番」がつながっていたのが、「1番と4番」「2番と3番」がつながって、回路が切れたことがわかります。
3階のスイッチを切ってみると
3階のスイッチを切ると、回路が切れて、照明が切れます。
4路スイッチの単線図
階段の単線図で2階と3階の上がりきったところに照明がある回路です。
1.単線図と同じように電源、負荷、スイッチなどを配置します。
4路スイッチは「1番と2番」、「3番と4番」がつながった状態ですが、4路スイッチの入り切りで「1番と4番」、「2番と3番」がつながった状態になります。
2.電源の接地側とコンセント、電灯、換気扇などの負荷を「接地側電線(白線)」とつなぎます。
3.電源の非接地側とコンセント、スイッチを「非接地側電線(黒線)」とつなぎます。
4.電灯、換気扇などと対応するスイッチをつなぎ、色を決める
CLと非接地側電線をつないでいない側のスイッチ「0番」につなぎます。
CLは2芯なので0番からの線は黒線になります。
0番からボックスまでの色は何色でもOKです。
今回はCLと合わせて黒線にしました。
同じ色だと圧着時に間違いにくい。
今回は1番同士、3番同士で接続。2番と1番、4番と3番を接続しました。
逆の1番と3番を接続してもOKです。(赤い丸)
Lからの黒線が0番に入りました。
両側の3路スイッチは「0番」に黒線が入るので、1番に白線、3番に赤線と決めました(①、②)
③の4路スイッチは4本あるので2芯のケーブル2本使うことが電気工事士試験では想定されます。
①と②に黒線、③と④に白線を入れるようにしました。
ボックス間はスイッチからのケーブルに合わせて赤線には赤線、黒線は余ったところに入れました。
パイロットランプ
パイロットランプは暗い場所でスイッチの場所が見えるように点灯したり、負荷が動いているときに点灯あるいは消灯する電灯です。
スイッチの上に取り付けるランプです。
パイロットランプには常時点灯回路、同時点滅回路、異時点滅回路があります。
常時点灯回路
常時点灯回路はスイッチが常に暗い場所にあるときに見やすくするためにパイロットランプをつけます。
常時点灯回路はパイロットランプがコンセントのようなイメージをしてください。
コンセントとスイッチがあるのと同じ配線図になります。
パイロットランプを電源と並列でつなぎます。
同時点滅回路
同時点滅回路はスイッチを押すと同時にパイロットランプがつきます。
換気扇をつけていて消し忘れを防ぐためにつけます。
同時点滅回路ではスイッチに非接地側電線(L)を入れて、スイッチからパイロットランプに黒線で渡り線を入れます。
パイロットランプから白線と赤線がそれぞれ接地側電線(N)と負荷(換気扇など)につながります。
パイロットランプを負荷と並列でつなぎます。
異時点滅回路
異時点滅回路は負荷に電気が流れていないときにパイロットランプが点灯する回路です。
異時点滅回路はパイロットランプとスイッチをそれぞれ渡り線でつなぎます。
パイロットランプとスイッチが並列につなぎます。
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