【54.バイエルを弾こう♪】バイエル原書番号8番〜11番(2部形式と3部形式)
前回記事(【53.バイエルを弾こう♪補足】で両手で弾くことに慣れて頂けたでしょうか?両手でリズムを刻むことから、リズム譜を見ながらというアクションにし、そして最終的に五線譜の音符を弾いていく過程をご理解いただければ何よりです。
さて今回の記事では曲の構成(今回は2部形式と3部形式)についてお話してから解説動画に移っていきたいと思います。
バイエル原書番号7番までの曲は、曲というには短いような感じが致しますね。8番からの曲は何となく曲を練習するといった感じが増してくると思います。それは単に曲自体が長くなっていたからということもあるかもしれません。今まで一段しかなかった曲が、4段、5段と長くなってきたと圧倒されるかもしれません。しかし長くなってきたとしてもそんなに怖がらずに譜読みして頂きたいと思います。
それにはまず「楽譜をじっくり見る」ところから参りましょう。
上記の楽譜には何やら仰々しく意味不明な言葉が並んでおります。
2部形式、昔音楽の授業で聞いたことがあると思い出された方もおられるでしょう。何のこと?と思われた方もいらっしゃると思います。バイエルではこの8番以降、2部形式で構成されている曲がたくさん出てきます。この2部形式を知っていると新しく学習する曲の譜読みが楽になりますので、ぜひ理解しておきましょう。
新しく曲を作る時、作曲にはある程度型のようなものがございます。小説や俳句など文学でもある程度の決まり事があるように曲の上でもございます。「どんな曲を作ろうかな?」と考えた時、「こんな感じで作ろうかな」の「こんな」の部分に相当するのが、
「動機」と言われる曲の冒頭2小節です。この動機を基に発展させていくのです。動機に連なる次の2小節と合わせて初めの4小節を小楽節、また次の4小節を次の小楽節といいます。そして曲の冒頭から8小節分で(2つの小楽節)で大楽節といいます。
3つ目の小楽節は今までと少し違った印象的なメロディになることが多く、皆さんが良くご存知の言葉で表現するならば「さび」と言ったところでしょうか。また「さび」の次の小楽節で2つ目の小楽節と同じメロディがやってきてこの曲は終了です。
2部形式を解説してみましたが、難しい言葉がたくさんで嫌だなあと思われるかもしれませんが、もう少しお付き合いください😅
小楽節1・・・動機 + 2小節・・・・・A
(後半2小節→半終止、不完全終止)
小楽節2 4小節(動機+2小節)・・・A’
(小楽節1の後半2小節と似ている部分→終止、完全終止)
小楽節3・・・さび・・・・・・・・・・・B
(今までとは違って印象的なメロディ→半終止、不完全終止)
小楽節4・・・4小節(動機+2小節)・・・A’
(この曲の場合小楽節2と全く同じ→終止、完全終止)
バイエル8番を詳しくみていきますとこのような構成になっています。
A - A’ - B - A’
これが2部形式と言われるもので全ての形式の基礎になっているものです。ですから2部形式を理解していれば新しく譜読みする曲でも曲の中に「同じ部分がある」「似た部分がある」とわかりますので、違っている部分(ここではさびの部分です)を改めて譜読みすれば良いことになります。
※半終止、不完全終止とはまだ曲が続いていく感じのことで、文章の句読点で言えば「、」に当たる部分、また終止、完全終止とは曲が終わっている感じのことで、文章で言えば句読点の「。」に当たる部分のことです。
次に3部形式についてお話しますが、3部形式についても2部形式同様に楽譜をしっかり見て頂けると同じ部分、似ている部分がよくわかると思いますので楽譜の例を示しておきます。2部形式とともに頻出の形式です。
この10番では「こんな感じ」に当たる部分が(ここではaで示してあります)4小節になっています。この4小節の次の4小節が初めの部分と似ている部分になり、2段目の初めの4小節は全く別のメロディ(印象的なものでここではbで示してあります)で繰り返されます。そして3段目に1段目と同じaとa’がきてこの曲は終わりです。小さなお子様に指導する時にはいつも「サンドウィッチみたいだね」と伝えます。同じもので挟まれた印象的なメロディですから今演奏している部分が「パンの部分」なのか「具の部分」なのかをイメージしやすくなります。
それでは2部形式・3部形式のお話を終えて、各曲の解説・練習に移ります。
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🎹8番 (37:10)
🎹9番(30:08)
🎹10番(23:42)
🎹11番(17:51)
※次回の【バイエルを弾こう】のシリーズでは原書番号12番〜15番までを投稿の予定です。