ピアノで自由にポップスを弾きたい!大人のためにおすすめの方法まとめ
人によっては、ピアノはクラシックピアノこそ本物で、ポピュラーピアノは邪道だという認識がついてしまっているひともいるでしょう。
合理的に考えると、まったくそんなことはありません。
ポピュラーソングのほうが、一般的なピアノの大人初心者にとってはずっと練習期間も短く、シビアに正確な演奏をしなくても十分味のある演奏をすることができるでしょう。
十分ポピュラーピアノ曲のなかにも練習のエッセンスは含まれていますし、早くひとに披露できるレパートリー曲を作りたいひとにとっては、十分良い選択であると思います。忙しい大人が、リズムに厳格で気の遠くなるような練習の必要なバッハを全員弾かないといけないということは、まったくありません。
(ドラムやサックスなどでは一概にそうも言えません。いわゆるJ-POPやK-POPのドラムのビートやサックスのフレーズは、近年のものは手がこんでいて昭和、平成初期のほうがよほど勉強になるものが多い印象です。スタジオレコーディングが進化しているので、一発撮りができなくても、後で切り貼りで何とかなりますし、そのほうがストリーミング再生されたときによほど映える演奏になるので、何も実際に演奏できる音楽を作る必要が無いのですよね・・)
大人がポップスを弾くのにおすすめのピアノ
電子ピアノ、キーボードで弾かれる印象が強いかもしれませんが、ポップスを弾くからといって、別に木製のアコースティックピアノが駄目なわけではありません。
ただ、大人がピアノを始めたり再開するにあたっては、練習時間もずっと取りやすく、指への負担も小さく、さらに演奏のネット配信もしやすいということで、電子ピアノのほうが圧倒的にメリットが大きいです。
ポップスを中心に弾きたい大人初心者なら、カシオかローランドの5-10万円くらいの電子ピアノを買うのがよいでしょう。
ピアノの機種選びについてさらに気になる方は、おすすめ記事をぜひ読んでみてください。もっと詳細に、避けるべきピアノの特徴などを解説しています。
「大人初心者がピアノを買うとき、絶対に気をつけるべきこと」
ポップスの楽譜をお得に手に入れるコツ
ポップスの楽譜集は一冊2,000-4,000円ほどするので、オンラインで個別の楽譜を手に入れたほうが、0円〜数百円くらいで済んではるかにお得です。
たとえばジョン・レジェンドの「All of Me」の場合、下記のようなサイトで無料で楽譜が手に入ります。
もし楽譜が気に入らないという場合は、Playground Sessions, Musicnotesなども代表的な楽譜探し先です。
https://www.musicnotes.com/sheetmusic/john-legend/all-of-me/MN0123125
楽譜を見てもどうすればよいかわからないという場合、国内では「フォニム」のような代表的オンラインレッスンサイトで、楽譜に加えて模範演奏、解説動画を手に入れることができます。
ベストなポップスのピアノ教室を見つける方法
ポップスのピアノ教室を見つける方法は、あなたがどれくらい「懐メロ」を中心にやりたいかによって分かれるでしょう。
一般的な大手ピアノ教室では、ポップスのコースを設けていたとしても、10年以上前の楽曲を扱うことがほとんどです。
それは新しい楽曲が出ても、学習用教本のリニューアル時に反映されるまでに数年かかり、さらに先生方が楽譜を仕入れてきて指導可能なレパートリーに入るまでにまた数年かかるからです。おそらく、今ヒット1位の『紅蓮華』や『夜にかける』などを、ふつうの町のピアノの先生が一斉に教えるようになるのは、いまから7,8年後でないかなと思います。
また、多くのピアノ教室では、先生方はクラシック畑を歩んできているため、プライベートでもほとんど同世代のポップスを聴いて育ってきていないというひともかなりいます。
クラシック好きの先生が全く知らないポピュラー曲について、自分が一方的に盛り上がってレッスンをお願いするのも非常に白けてしまうものなので、近くの先生が自分世代のポピュラーソングに詳しいかも教室選びのポイントになるでしょう。
なかなかこうしたジャストな先生は東京以外で見つけることが難しいため、比較的最近のポピュラーに挑戦したい場合は、通信教育またはオンラインで指導コーチについてもらいながら独学することが一般的な学習スタイルとなっています。
ポピュラーといえば耳コピも欠かせない
今からポップスを中心にレパートリーを作っていくなら、耳コピの技術もかかせません。
市販のポピュラーの楽譜も、曲を作ったアーティスト本人が書いているわけではありません。楽譜を販売している会社のスタッフさんが、耳で聴いてこんな感じかな〜と再現しているだけなのです。
というわけで、どの楽譜を買っても、基本的にポピュラーの楽譜は本格的な曲であるほど細かいところは一致しません。もとのアーティストがどうやって手を動かしていたかもわからずに書いているので、CD音源の音質が不明瞭なところや、ギターが大きな音で被ってきたところなど、聞き取れないので、スタッフさんが独自に編曲してあえてごまかしているのです。
少しポップスのピアノ演奏に慣れてきた方なら、楽譜を見ていてみ、「どうもSpotifyで聴いた元音源のほうがよほどかっこいいな・・」という瞬間が訪れるはずです。こういうときに耳コピの技術が自分にもある程度あると、大変便利です。
このような耳コピ、即興の夢をかなえるには、上記の本がベストです。即実践できる、耳コピできるひとが裏側で考えているコツが覗ける斬新な教本です。
あるいは、曲の聞き取りにくいところを補完するには、作曲の技術も関わってきます。耳コピした内容を手書きするより、パソコン上で音が鳴ったほうがわかりやすくもあるでしょう。
作曲の基礎を学んだことがないひとで、こうした領域に関心があるかたへのベストな教本は、こちらです。
2冊読み通して実際に手を動かしてみれば、5日くらいで、耳コピしたポピュラー曲をパソコンで書き起こして、わからないところはちょいちょいと自分で補完するようなことができるようになるはずです。
さらにピアノポップスの耳コピの修行を続けたい方は、こんな本も取り組んでみましょう。
ポップスのバンドであれば、ドラム、ベース、そしてボーカルがガンガン鳴っているなかでピアノを探し出してコピーしないといけません。
上記は、あえてその聞き分けの難しい曲を例に解説してくれるトレーニング集です。
ポップスで出られる大人向けアマチュアコンクール
「クリスタルピアノコンクール」は、ショパンコンクールでも話題になったピアニストの角野隼人さん(かてぃん)が第1回で優勝している、アマチュアの大人がポップス曲で自由に出場できるコンクールです。
最近は「鬼滅」曲で出場するかたが多すぎて、若干観客席の私も何十回も全集中して食傷気味ではありましたが、少し落ち着いてきた2022年度以降ならさらに楽しく出られるかもしれません・・(^^;)
ポップスレパートリーのネタを仕入れてこよう
大人になってからポピュラーピアノを弾くなら、子どものように先生に言われた曲、曲集に載っている曲から絞って選ぶのではなく、ライブでびびっと来た曲を気ままに弾いてみるのも大変楽しいです。
東京にお住まいの方なら、丸の内のコットンクラブには通なポピュラーピアニストが連日訪れています。5,000円くらいで練習のインスピレーションを得ることができるので、3ヶ月おきくらいに次の曲選びの発想を仕入れに行くのもオツなものです。
大阪の方でしたら、もう少し渋めのジャズが多いですが、ジャズクラブのロイヤルホースもおすすめです。
ちょっとライブハウスでのネタ仕入れは渋すぎるという方でしたら、大人のポピュラーピアノ曲を広くカバーしている人気ユーチューバーのチャンネルをフォローするのがよいでしょう。
筆者のおすすめは「はらみちゃん」のチャンネルです。
2021年には、初の紅白歌合戦への出場も(諸事情でキャンセルとなってしまいましたが)内定寸前まで行った超人気ポピュラーピアニストです。
ポップスも習えるオンラインピアノレッスン
ポピュラーピアノは、先生を専門に養成するような学校が日本にほぼないので、まちなかのピアノ教室では期待に応えられないことが多いです。
アメリカでは、すでに6割くらいのひとが音楽教室でも独学でもなく、オンラインレッスンでピアノを学んでいます。
既製のカリキュラムにおんぶにだっこで上達できるので、独学用教本で学ぶよりもかなり高い確率で挫折無く憧れの曲まで到達します。
一冊ごとに自分で設計するのが楽しいという方にはおすすめしませんが、何万人もの学習者が実際に上達済みのルートをたどったほうが安心できるという完全初心者の方もいることでしょう。
現代では、最寄りの教室に一人だけ所属している先生に教わって、最寄りの教室主催の発表会に2万円払ってよしみで出演して終わり、という学習スタイルはスタンダードでないことを覚えておきましょう。
まるで個人にテーラーメイドで設計してもらえる旅行プランのように、世界中から世界中から自分にぴったりのレッスンをオンラインで選んで、また同じような音楽の嗜好をもったアマチュア同士で集まる発表会や同好会を地元で探してお互いに感想をシェアしあい、自分のブログやSNSを開いて毎日の練習成果や悩みを共有するのがこれからのスタンダードのピアノ練習法です。
ピアノの学習アプリのスタンダードとして、Yousicianがあります。
また、英語の分かるかたなら世界的な動画レッスンのUdemyがおすすめです。
36万人が高く評価している講座が、世界のどこからでも受けられます。
オンラインピアノレッスンで日本で1番生徒数が多いのはフォニムです。初月からサイモン&ガーファンクルやカーペンターズなどの楽曲も使って、本格的なテクニックを身につけようというコンセプトになっています。
アプリでの学習がお好みなら、Skooveが1番おすすめ。
オンラインレッスンと違って先生は喋ってくれませんが、マイクであなたのピアノの音を拾って、自動的に演奏があっているか判定してくれます。
ゲーム感覚で上達できるのが魅力です。
無料のYouTube動画でも、とても質が高くて見入ってしまうようなものがたくさんあります。
独学用の本も、対面レッスンより質の良いものがたくさんあります。
ちょっと本が小さいので譜面台に置いて練習できないのが玉にきずですが、周りでも実際に無理なく続けられたというひとの多い名著です。本についているコードから、スマートフォンでお手本動画の視聴ができます。
本当の初心者、初めてピアノに触る方向けで、多少経験があるような方は物足りないかと思いますが、とてもわかりやすい本です。
DVDも、先生の声や姿が載っているものは珍しく独学で始める方にはとてもありがたい名著です。目で見てしっかりピアノが理解できるでしょう。