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時計を止めるな。
3本の針しか持たないのに4本目の軸と言われるそいつの針を止めるな。
形にできないはずの概念を3次元にむりくり出現させたその風姿、見かけはラフでも侮ることなかれ。時としてその本質を宿した者が混じってる。いわゆる本物の『時そのもの』に当たったら、その針を止めたなら、この世のあらゆるものが止まってしまう。それは個人の死にも似て、全体が静かに息を引く。完膚なきまでの静止の訪れだ。
科学は時間をも量子の濃淡と表したけど、濃さも薄さも淡さもあったものか。光速で地表を日中に変えるように、静止の波は目にも止まらぬ速さで襲い、あらゆる脈動を奪い取る。
時計を止めるな。今止めてしまうと二度寝のリスク。今日もまた遅刻してしまうわけにはいかない。
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「それでも僕はやってない(時計を止めてはいない)」という言い訳は、会社では効かない。