下書き)20ステップで経営破綻しても自宅を守るための手順書
まず借金ごときで死ぬ必要なんてないことを知る
結論を言いますと、借金は踏み倒せます。特に銀行の借金です。銀行というと、特別な存在と思いがちですが、単なる貸金業者です。消費者金融の上位互換みたいなものです。
貸金業者よりもっと大切な人たちを優先しましょう。1に家族などの身内。2にシゴト仲間です。そして、貸金業者です。この優先順位を間違えてはいけません。
コロナ融資を活用する
計画倒産はどうかと思いますが、再起する気持ちが本気なら活用すべきです。単なる延命だって、いいじゃないですか。一発逆転のチャンスがあるのなら。
経済産業省:新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf
引き際を見極める
ですが、引き際も肝心です。家族やシゴト仲間に取り返しのつかないことをする前に。
具体的には、家族に対しては自宅だったり生活費だったり。シゴト仲間には、シゴトをきっちりこなすことと支払いを(分割させてもらってでもなんでも)しっかりすることです。
優先順位を必ず守る
最優先は家族などの身内。そして、シゴト仲間です。銀行は後回しです。なぜなら、再起するために、銀行は役に立ちません。
むしろ足を引っ張ります。家族の生活費やシゴト仲間への支払いより優先して返済しろ! と言ってきます。当然です。彼らは貸金業者なのですから。自分(銀行)の利益を最優先します。そして、彼らにお金を渡したところで、再起するための資金を融通してくれるわけもなく、家族などの身内やシゴト仲間に迷惑を掛けるだけです。
再起するための協力や応援をしてくれるのは、家族などの身内でありシゴト仲間なのです。一時的な迷惑は仕方ないにしても、彼らならきっと理解してくれるはずです。支払いを遅らせてもらったり、分割払いにしてもらったりと相談しましょう。
ちなみに、銀行は債権者を害する「詐害行為」だとか「偏波弁済(特定の債権者にだけ返済する行為)」だとかで違法だと責めてくるし法的手段にも訴えてきますが、最終的にはあなたの覚悟次第です。具体的には、そんなのカンケーネーという開き直りです。繰り返しますが、銀行はあなたが再起することを応援することはありません。
国策は「破綻しても自宅まで奪わないように」となっている
2013年の経営者保証ガイドラインにより、会社の借金の保証人となっていても「華美でない」自宅に住み続けられるように、となっています。
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/keieihosyou/
このガイドラインは一読をオススメします。なお、実務面に関しては専門家派遣などもあります。
https://hosho.go.jp/pdf/guideline.pdf
銀行への返済をストップすることを決意する
家族などの身内やシゴト仲間への支払いを優先するためには、銀行への返済をストップすることです。銀行に返済する金額をゼロにして、家族などの身内やシゴト仲間にお金を回すための原資にします。
シゴト仲間(取引先)を選別する
それでもお金が足りない場合は、シゴト仲間に相談して、支払いを猶予してもらったり分割払いにしてもらったりします。この時に、シゴト仲間も選別されることになるでしょう。もしかしたら、法的手段に出てもあなたのお金をむしり取ろうとする取引先もいるかもしれません。
再起するために、その取引先は必要な存在なのか? 継続して取引するのだろうか? 代替企業はいないのか? このあたりを判断基準に、場合によっては銀行同様に支払いをストップする(踏み倒す)ことを決断する必要があります。
家計もスリム化する
銀行はともかく、シゴト仲間に協力を依頼するなら、家計のスリム化も必要です。この時、大きな支出から見直しましょう。特に、車と保険です。
車は、特殊な業務用でないのなら、今やカーシェアリングで十分ではないでしょうか。自宅や事務所の最寄駅周辺にどれだけカーシェアリングの車があるのか調べてみてください。遠出するときも、電車で移動して主要駅で降りてカーシェアリングで事足りることでしょう。
保険は、万が一死亡したときの借金返済のための生命保険なら、即解約です。これは、自殺したところで借金返済の原資に足りなくなることで、自殺への誘惑を断ち切ることにもつながります。なお、本当に万が一の死亡に備えて、家族への生活費(特に子どもの教育費)のための生命保険は継続しましょう。
無担保の自宅なら配偶者に贈与する
自宅を奪われると家族との日常生活が破綻しますので、精神的にも再起不能になり得ます。自宅は守りましょう。
とはいえ、銀行は、個人所有の不動産の売却に動きます。もちろん、その後のことは知ったこっちゃありません。抵当権の設定がされているなら当然のこと。無担保の自宅であっても、差押登記をして、競売に動くでしょう。
そこで、無担保の自宅なら配偶者に贈与してしまいます。または親戚などの身内に売却してしまいます。そして家賃を払って住み続けます。
当然ながら銀行は怒ります。銀行への詐害行為だと主張します。裁判所に訴えて贈与の取り消しに動くこともあるでしょう。そして、差押登記をして競売です。
ですが、次のような制度があります。
No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4452.htm
婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例です。
夫婦愛のプレゼントに課税しないというオツな(?)制度です。20年間連れ添ったことに対する「ありがとう」の気持ちをカタチにしたもの。そう主張したら、銀行はどのように裁判で否定してくるのでしょうか? まさか、夫婦愛なんて幻想だ、とでもいうのでしょうか。事実上、離婚状態にあることを立証してくるのでしょうか?(本当にそうならマズイのですが)。なお、無税になるのは評価額2,000万円までなので、それを超える場合は、持分贈与をします。
共有名義の自宅なら、銀行は持分に限り競売にかけられますが、そんな物件は競売市場で見向きもされないでしょう(と思っていたら、近年は持分を安く落札して共有者と交渉して高く売却したり、共有者から安く買い取って完全所有権にして市場で売却したりして儲ける業者もいるようです)。
そこで銀行と交渉して親戚に持分を買ってもらい、その売却金額だけ返済するとします(実際に返済するかは慎重に)。なお、その持分は、再起した暁には買い戻しましょう。買い戻すのはあなた出なくても大丈夫です。配偶者や子どもたちでも。銀行によっては住宅ローンが使えます。
既に抵当に入っている自宅の場合
この場合、銀行は任意売却を強く勧めてくることでしょう。任意売却とは、強制的に売却させられる競売に対しての用語です。競売だと市場価格より安くなることがあるので、銀行としては回収資金が少なくなることを嫌います。そこで、市場価格で売却を勧めてきます。これが任意売却です。
ここで素直に応じてはいけません。第三者の売却では自宅を失うことになります。自宅は守りましょう。
そこで、銀行との交渉です。売却先は親戚など信頼できる人にしてもらいます。なぜなら、家賃相当額を払って賃貸させてもらえますし、後で買い戻すこともできるからです。これが第三者では、そうもいきません。
問題は売却価格です。市場価格のままでは、親戚などが躊躇するでしょう。家賃は払う、いずれ買い戻す、とは言え100%保証されることはありませんし、ちょっとやそっとの金額ではありませんから。
そこで、どこまで市場価格から下げられるかが課題となります。なぜなら、銀行がそれだけ回収金額が下げるからです。だったら競売でいいか...そうならないための駆け引きが必要です。
この売却により、銀行の借金の残高は減りますが、完済することはできないことがほとんどでしょう。とは言え、もうあなたには資産はありません。こうなった場合、銀行はどうするのでしょうか?
それは、サービサー(債権回収専門会社)に債権を売却します。この売却価格が恐ろしく低額です。残債のわずから数%と言われています。その差額分、銀行は損をするのですが、利益が出ている銀行なら、利益が減少しても法人税も少なくなりますし、そうした損失に備えた貸倒引当金があるので影響は軽微です。冒頭に戻りますが、あなたが命を投げ売りするほど、銀行にとっては大したことではないのです。
ましてや、銀行から直接お金を借りているのではなく、信用保証協会による保証付きの場合(お金を借りた時に保証料を払っていることでしょう)、銀行は保証協会から返済してもらえるので、損はしません。この場合、なおさら銀行に優先して返済する必要はありません。保証協会も保証料が保険のような役割をはたしますので、あなたの借金が回収できなくても、保証協会の全体からすると「想定内」なのです。
そして、サービサーや保証協会と残債の返済について協議するのですが、彼らにとっては、残債の金額よりはるかに安い金額でも回収できれば良い状態になっているので、恐ろしいほどのディスカウントをしてきます。ですので、あとは分割払いで地道に返済していくことです。なお、それでも返済せずに放置して消滅時効を主張する荒技(?)もあるようですが...。
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