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【目指せ金賞!】投票で造る2周年記念クラフトビール「自画自讃 Modern IPA」 醸造レポ
いよいよ2周年記念クラフトビールの醸造が開始しました!
2周年記念クラフトビールとは、オトモニユーザーさんの投票により「ビールのコンセプト/ビアスタイル」「ビールの名前」「ホップによる風味」「ラベルデザイン」を決め、ゼロから造り上げていくというスペシャルなビール。
約2か月の投票期間を経て、2周年記念クラフトビールは以下のような内容に決定いたしました。
・ビールのコンセプト/ビアスタイル-GOOD JOB!IPA!/Modern IPA
・ビールの名前-自画自賛 Modern IPA
・ホップによる風味-シトラス風味
・ラベルデザイン-自分に金メダルを案
今回ビールを醸造してくれるのはNomcraft brewingさん。様々なインスピレーションを柔軟に取り入れ、個性あるものづくりに挑戦している和歌山のブルワリーです。
ユーザーさんたちのインスピレーション×IPAスタイルで多数の受賞歴を持つNomcraft brewingさんの実力×おいしいビールを皆さんにお届けしたいというオトモニの想い
ここからどんな化学反応が起こるのか今から楽しみで仕方ありません!
出来上がったビールはJAPAN BREWERS CUPに出品予定。もちろん狙うは「IPA部門」金賞です!ビールがお手元に届いた後にも、わくわくするストーリーをお届けできればと思います。
自画自賛 Modern IPAができるまで
では「自画自讃 Modern IPA」は一体どのようにして醸造されているのか、気になるその工程をNomcraft brewing金子さん(以下金子さん)にお伺いしていきたいと思います。
Step1.麦芽粉砕/水質調整
――「自画自讃 Modern IPA」は11月18日(木)に醸造を開始したとお伺いいたしました。その醸造工程について詳しく教えてください。
金子さん:醸造当日、まずはモルトの粉砕を行います。
今回使用したモルトは約150キロ。それを機械によって細かく砕いていきます。
※ビールを造る過程で必要な「でんぷん」は麦芽の硬い殻皮の内側に含まれており、粉砕することで抽出しやすくなる
麦芽粉砕が完了したら、いよいよ麦汁づくり。まずは使用する水の水質調整を行います。今回はIPAの醸造なので、IPAに合わせた水質にしました。
――ビアスタイルによって水質を変えるのですか?!
金子さん:そうです。ヘイジーならヘイジー用の水質、スタウトならスタウト用の水質と、ビアスタイルごとに調整します。今回はIPAなので、ホップの香りがガツンと出るようなクリスピーな水に調整しました。
Step2.糖化
金子さん:水質調整が終わったら、次は糖化です。マッシング用のタンクに粉砕したモルトを入れ、65℃程で1時間ほどぐつぐつとお粥状にしていきます。
※糖化とは―でんぷんを糖に変える作業のこと。ビールに必要なアルコールと炭酸は、酵母が糖を食べることで生じるが、麦芽には酵母が食べられる糖は少なく、でんぷん(糖が鎖状になった状態)で存在している。そのため、でんぷんを酵母が食べることができる糖へと変える
Step3.煮沸/ホップ投入
金子さん:糖化が完了し、ろ過をしたら麦汁の完成です。今度はその麦汁を煮沸タンクへと移送し、ボコボコと煮込んでいきます。そして60分程煮沸し、その後麦汁を80℃まで下げた後、最初のホップを投入します。
苦みを出したい場合は煮沸のはじめにホップを入れるのですが、今回造るModern IPAはフルーティなホップアロマの、苦みを抑えたドリンカブルなビアスタイル。なので煮沸のはじめにはホップを入れずに、煮沸の最後に投入し、ほのかな苦みやホップの香りを出す形にしています。
――ホップは入れるタイミングで、苦みの出方が変わるのですね!ここではどのような種類のホップを投入したのでしょうか?
金子さん:「自画自讃 Modern IPA」はシトラス風味のModern IPAなので、シトラスを含んだ風味のホップとして、オレンジキャンディーのようなアロマの「アマリロ」、グレープフルーツ果皮のようなアロマの「カスケード」、ライム系アロマの「モトゥエカ」、様々な柑橘類をまとめたような、複雑なアロマを持つ「シトラ」、この4種をたっぷりと加えました。
Step.4 ワールプール/冷却
金子さん:煮沸が終わったら、麦汁をワールプールへ。
こうして出来上がった麦汁を20℃程度まで冷却し、今度は発酵タンクへと移送します。
※ワールプール(Whirlpool)とは直訳すれば渦巻くプールのこと。ワールプールへ麦汁を勢いよく流しむことで、ホップ粕などといった固形物を凝固させ、取り除いていく
Step.5 発酵
金子さん:その後酵母を加え、いよいよ発酵開始です。
麦汁の中にはたくさんの糖分が含まれており、その糖分を酵母が食べて、アルコールと二酸化炭素を出します。以下の写真は醸造日の翌朝のものですが、ホースから二酸化炭素がぼこぼこと輩出され、元気に発酵している様子が見てとれるかと思います。
発酵が激しいのは発酵開始から3日~5日間程度。その後は少し落ち着き、1週間ほどで発酵は完了します。
Step.6 ドライホッピング
金子さん:発酵が終了した後15℃~10℃程度まで冷やし、酵母の動きを止めます。そしてそのあと今度はドライホッピングを行います。ここで投入するのは6種類ほどのホップ。ホップを投入したら2日程度置き、そこからさらに温度を下げて冷やし、ビール内の浮遊物を沈殿させた後、貯酒タンクへと移送していきます。
――ドライホップでは6種ものホップを投入するのですね!ここではどのようなホップを使用するのでしょうか?
金子さん:先ほど投入した4種のホップ(アマリロ、カスケード、モトゥエカ、シトラ)に加え、グレープフルーツのようなダンクさを感じられる「コメット」と、香りをブーストする役割を持つ「ネルソンソーヴィン」を投入しています。
そしてその後、貯酒タンクで5日間程度寝かせ、その後瓶詰作業へと移っていきます。そのあとはラベルを貼り、オトモニユーザーさんのもとへとお届けとなります!
――「自画自讃 Modern IPA」を飲むのが今から楽しみで仕方ありません!どんな味わいになるになる予定なのでしょうか?
金子さん:いろいろな柑橘類によるミックスジュースのようなイメージで造っていますが、実際の味わいはできてからのお楽しみですね!
おまけ
麦汁を造った際に生じるモルト粕は、ろ過窯からかきだし、地元「生石高原」鶏卵牧場にいる鶏のエサとして再利用されているそうです。栄養たっぷりのモルト粕を食べた鶏の卵、美味しそうですね!