心からの「はなはな」を。『奄美はなはなエール』

オトモニ＠クラフトビールマガジン

2020年7月3日 20:58

「お疲れ」を合図に。

「かんぱ〜い」のかけ声とともにグラスを高らかにかかげ、ガチャンと軽快な音で合わせ、ぐびっと本日最初の一杯。そんなお決まりのテレビドラマやロケ番組のワンシーンは何度も見たことがあるだろう。

きっと誰もが、疲れを吹き飛ばすような爽快な笑顔と、キンキンに冷えたグラスに並々と注がれた琥珀色の液体を思い浮かべるはずだ。

しかし実際はどうだろうか。最後に誰かとグラスを合わせたときのことを思い出してみてほしい。

「かんぱ〜い」と大声で叫んだだろうか。弾けるような笑顔でお互いの目を見て笑いあっていただろうか。

グラスの数が客数に合わず、ぬるま湯で洗ったばかりの水っぽいグラスをカチリと軽く合わせ、小さな声で「お疲れ」と、相手と自分を労っただけではないだろうか。視線は、隣にいる友人の目ではなく、消えかけの泡にあったのではないだろうか。

いつしか乾杯は、毎日においてプラスに作用するものではなく、変わり映えの無い日々のマイナスを埋めるものになっていた、そんな人も少なくないはずだ。

どこで誰と、どんなビールを飲もうが関係ない、何も感じない、ただアルコールが体中を巡ればいい。

そこがどんな場所であろうと、口癖のように「あ、生ください」「とりあえずビールで」。そう何気なく口にしていないだろうか。

パッションウィートを注いでいる画像 (1)

奄美はなはなエール

それは、奄美大島でも同じだった。

沖縄県と鹿児島県のほぼ中心に位置する鹿児島の離島『奄美大島』。沖縄県の80％ほどの大きさを誇る島で、日本の離島の中では2番目の大きさだ。

奄美群島やその周辺海域は国立公園に指定されており、いまでも自然あふれる島である。手つかずの自然が多く残っており、「東洋のガラパゴス」と称されるほど。

島の大部分は森で覆われており、そこにはマングローブ林など都会では見られない景色が広がっている。そしてそんな豊かな山々が育むのは、美しい珊瑚礁。

透明度が高く、その美しさは「アマミブルー」と表現されている。毎年夏になると、多くのダイバーたちが通い、青の美しさを感じているのだ。

島でのスローライフに憧れ、老後をこの島で過ごす人も少なくないという。

しかしこれほどまでに自然豊かな奄美大島でも、「乾杯」は我々都会の人間と変わらないものだった。島に住む人々は、ビールが好きだ。暑い夏の乾いた喉を潤すには、ビールの他ない。

しかし、そんな雄大な自然の中に住む島の人々が過ごしているのは、奄美大島とは縁もゆかりもないビールを片手に「お疲れ」、と1日の疲れを癒すだけの毎日。

そんな中、2017年に誕生したのが、ブルワリー『奄美はなはなエール』だ。奄美大島では初のクラフトビールブルワリーで、奄美大島らしさが詰まったラインナップが特徴的だ。

奄美の素材と、ビール

奄美大島の魅力あふれる自然から生まれた素材をふんだんに使用したクラフトビールは、『AMAMI GARDEN』と名付けられ、今日も奄美大島に住む人々を魅了している。

王道ビアスタイルに副原料として島の特産品である亜熱帯性の柑橘『奄美たんかん』が使用された『たんかんペールエール』は、オレンジ色のペールエール。たんかんのほのかな香りがペールエールの魅力を際立たせている。

タンカンペールエール

他にも、コクがあり、ほどよい苦味で香ばしい奄美産黒糖を使った黒色の『スタウト』は、余韻に残る黒糖の甘みが絶品だ。

黒糖スタウト

奄美産の情熱パッションフルーツを使った『WHEAT ALE』も、絶妙な酸味と甘みの贅沢なマリアージュが至福のひとときを演出してくれる。これを飲めば日本全国どこにいても、南国奄美気分だ。

パッションウィートエール