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好きな音楽のことなど #1

第2回 シーナ&ロケッツ #1

‘79から発射された珠玉のロックンロール

背表紙には FUN CLUB の文字も。これも謎

 令和の世に、やっと公式で発売されたCDの歌詞カードには1978年の12月にミックスされた、とあります。1978年11月はエルヴィス・コステロの日本公演に同行、シングル「涙のハイウェイ」発売、1979年3月『#1』発売、9月『YMO/ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』発売、10月『真空パック』発売という流れ。怒涛の1979年。
 オリジナルのエルボン盤のLPは『真空パック』発売当時、レコード屋さんで見たことあります。当時、中学生の筆者は自由に使えるお金もなく、『真空パック』すら買える状況ではなかったので、横目で見るだけで、どういう内容なのか、全く知るよしもありませんでした。
 時は経ち、某レーベルからLPが再発されて、私も入手したのですが、どうやら海賊盤の扱いのようですね。
 気を取り直して『#1』の公式CDです。曲は基本的に詞/柴山俊之、曲/鮎川誠となってます。

1 夢見るラグドール
 サンハウスの「夢見るボロ人形」の改題です。この曲をアルバムのトップに持ってきたのは、やはりサンハウスファンに馴染み深い曲を、ということだったのでしょうか。
2 レモンティー
 ここにきて、AmazonのCMでホットチューンとなってますね。CMの旬は過ぎたのかな。
 学生時代は「ヤードバーズが~」という輩がやたら出現しましたが、もうええでしょ(このセリフも旬は過ぎたのかな)。
 この曲もサンハウスからシナロケに受け継がれましたね。ここでは鮎川さんのギターソロが2本になっててかっこいい。正座して聴くべき曲です。正座できない人は踊り狂いながら聴かざるをえない。
3 涙のハイウェイ
 海賊盤LPではシングルバージョンに差し替えられ、1曲目に置かれてました。作詞は麻生香太郎/シーナロケットとなってます。作曲は鮎川さんなんだけど、なぜかいつも聴くたび、あんまり鮎川さんっぽくない、と思ってしまいます。アルバムバージョンはたしかに1曲目に置く感じではないかな、と。
4 恋のダイアモンドリング
 インストゥルメンタルとありますが、サンディ&サンセッツのサンディさんのヴォーカルが入ってます。久保田麻琴さんも参加で、このアルバムの中では異色の雰囲気。オリジナルはゲイリー・ルイス&プレイボーイズ1965年の作品。R.Russel作曲。
5 ボニーとクライドのバラード
 麻生香太郎さんの詞。鮎川さんのギターのリフが、初期ビートルズのジョージ・ハリスンが弾くとこんな感じ、といった印象。
6 アイラブユー
 これもサンハウスの継承曲。オリジナルの菊のヴォーカルは言うことありませんが、この曲は鮎川さんのヴォーカルも捨て難いんですよね。シナロケのライブ定番曲。鮎川さんの『クール・ソロ』での再演も印象的。
7 シュガーリー
 R.York詞曲。オーソドックスなロックンロール。LP盤のB面トップを飾るにふさわしい。オリジナルは聴いたことないです。
8 トレイントレイン
 この曲はザ・ビショップスが~もうええでしょ。まぁ、この曲の構成と展開はかっこいいですよ。詞はシーナロケット。
9 ブルースの気分
 サンハウスの継承曲ですが、詞はシーナロケットとなってます。サンハウスよりアップテンポですが、鮎川さんのギターにブルースフィーリングが溢れてます。海賊盤LPとはラストが違いますね。
10 ブーンブーン
 こうやって書き起こしていくとサンハウスの曲が多いことに気がつきます。この曲も「アイラブユー」同様に鮎川さんのヴォーカルに合ってます。
11 ビールス カプセル
 シナロケでもサンハウスでもライブでのキラーチューンです。ライブでは鮎川さんが延々弾きまくりの時があって、ホント幸せな時間なんですよ。某グループのライブでは「ギターソロは休憩時間」とファンが言っているとのことで、唖然としたことがあります。独特な音階で、少ない音数でもかっこいい曲は作れるのだ、というお手本。
12 400円のロック
 誰もが、ここにはいたくない、と思ったことがあるでしょう。詞はシーナロケット。ブルースな内容ですね。このシーナロケットというクレジットが、シーナさんのことなのかバンド、シナロケのことなのかは謎。ライブではシーナさんのことを「シーナロケット!」と紹介しますので、シーナさんが有力です。サンハウス時代の曲のようですが、これはサンハウスの音源聴いたことないかも。 
13 カモン
 チャックベリーのナンバー、ローリングストーンズのファーストシングル。スピード感のあるアレンジで、シナロケのライブでも定番です。#1だけにストーンズのデビュー曲入れたかったんでしょうか。あ、筆者の世代はストーンズといえば、ローリングストーンズ以外にありません。
14 涙のハイウェイ(Single)
 イントロにバイクの音が入ったシングルバージョン。聴き慣れてるせいか、こっちの方がしっくりきます。
15 恋はノーノーノー(Single)
 この曲も海賊盤LPに入ってましたので、聴き慣れてます。今聴くと、うっすらと昭和歌謡を彷彿とさせるんですが、ギターリフがロック!と思うのは筆者だけでしょうか。男ならはっきりしないとね。

 鮎川さんのヴォーカルが4曲入ってて、「カモン」以外『クール・ソロ』で再演。サンハウス時代の曲が7曲、カバーが3曲。サンハウスからシナロケへの過渡期といった印象もありますが、後世に残したい作品です。
 あと、バンド名表記ですが、「シーナ&ロケット」だったり「シーナ&ザ・ロケット」だったり「シーナ&ロケッツ」だったりします。このCDは「シーナ&ロケッツ」。英語表記だとSHEENA & THE ROKKETSで揺るがない。不思議。
 このCDのホットチューン、色々と語りたくなる曲なんだと思いますが、誰が何と言おうと「レモンティー」の輝きは永遠なのです。

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