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妖怪バンドに追突することもある/ぬのじ

そういう事もある

「烈くんがギタドラでドラムやってる」の後編記事です。
気絶していたらFUZZ-UPがとっくの昔に終わっていますので、FUZZ-UPが終わった世界でこれを書いています。バンドメンバーの復刻を、たのみます。

「烈くんがドラムをやっているよ。助けてくれ」という話を某所でしていた際に、話の流れから「このようにPONさんは実はドラムの方でもあるので、アッシュくんとの絡みでも、ドラムですねと思っています」という事を言ってしまったばかりに、編集長に、それを…書かんかい!と脅されています。

でもドラムの話は前半記事でしてしまったので、この記事ではドラムの話はしません。何をしに来たんだ。

前回の話もそうでしたが、ポップンミュージックに限る話でもなく、音楽ゲームのキャラクター、楽曲、アーティストの関係値は複雑で、歴史も長く、よく口伝文化と称される様に、個々人の解釈と消化酵素とが息づくジャンルであると私は感じています。
私は割合とアーティストのオタクですので、私の偏った消化酵素から、近代Deuilとかの話をぬるりとします。させて下さい。よろしくお願いします。

・なにがあったんすか、一体

近代Deuil。はて……。
私の音ゲー物心が付いたのは2013年付近でした。Deuilにおける"当時"と言えるであろう時期の公式を、一切体験していない世代です。
しかし、妖怪バンドという一大コンテンツの存在は、私がポップンミュージックを始めてからほどなくした頃と言えばいいのか、それはもういつの間にやら小耳にはさみ終わっていました。
いつ頃認識したかもわからないぐらいには大きなジャンルとしてポップンへ偏在している、妖怪バンド。私の妖怪バンド認識は9割以上袖振り合った二次創作で形成され終えていました。当たり判定が巨大すぎる。
具体的に言うと、ニコニコ動画でツクール系の二次創作RPGを、めっちゃ見ていました。アッシュくんが主人公のやつでした。

・時系列を追います

ポップンミュージックは23作目のエクラルで、「ポップンクリエイターズパーティ お願い公募」というユーザー参加型の企画がありました。
3クレごとに1つお願い権がプレイヤーに配られ、お願いを送る事ができます。その中から選抜されたお願いから更にユーザー投票、「お願い投票」を重ね、要望が多かったいい感じのお願いを叶えていきますよ、というものでした。

そして投票で決まったお願い第1弾の内の1曲として、「スマイルの復活をお願いします!かっこいい新衣装での登場を心から待ってます!!」というお願い、そして「Akhutaさんの「ときめき!pop'n music」な新曲が聴きたい!」というお願いが同時に実行されました。同時にです。
つまるところ、この時、Akhutaさんがスマイルさんの楽曲を担当し、スマイルさんがAkhutaさんの楽曲を担当して出てきた訳ですね。

こちらの初報が飛んで来た時、おおーすごい! すごみがある! すっごいね! いやお似合いっすねエヘヘ……という盛り上がりを経て、オタクはふと、ある事に気付きました。
お願いの候補に、アッシュくんについてのお願いも、あったのです。
つまり、次は、PONがアッシュの担当を、やりますね。

話は飛んでエクラルの1作前、22作目のラピストリアで行われたイベントに、「PONの運命浄化計画」という、PONさんのアルバム発売を記念した楽曲移植イベントがありました。
そのうちの1曲、IIDXからの移植「Howling」はPONさんの楽曲ですが、その担当をしているのがアッシュくんだったのです。
実はこの時点で既に関わりが、あるやんか。大変お世話になっております。

しかし当時、この瞬間思い付きだけで早押しボタンを押したオタクは、この事をなぜかすっかり忘れていました。脊髄反射だけで生存。
当時の私にとって、PONさんがアッシュくんの曲を……やるかもしれないねッ!と、雰囲気で読んでしまうほどに、Akhutaさんがスマイルさんの楽曲を担当したことが、衝撃だったのでしょう。
私ですらわかる、彼の、彼等の楽曲が、よく知ったアーティストから解釈され、再構成され、出てくることに対する、衝撃が。
うまい事言おうとしている雰囲気がありますが、ただのオタクです。

また、これも変な話ですが、PONさんの曲ははなぜか担当キャラやムービーなどに犬が多いです。アッシュくんは、犬ではないですが……

・唐突映画部

ここはとても余談なのですが、「Howling」に狼男を合わせたのも、とある映画にまつわる様な、ネタ寄りな選抜だったのでは? と私は後々に思い込んでいます。
目する映画の題名は、そのものズバリ『ハウリング』(The Howling)。
ハウリング (映画) - Wikipedia
Howlingという単語自体、狼の遠吠えなどの意味も持ちます。これは1981年の映画で、狼男が題材となるホラー映画です。
この作品に登場する狼人間たちは元々人間で、人間の姿から獣へと変身するシーンがあるのですが、特殊メイクや撮影技術が当時のものとして非常に先進的で、大きく話題となった作品なのだそう。狼男モノの映画として広く知られる形になったわけです。

しかし……本当にこれが元ネタだとして、ちょっとネタが古い気がするな……
少なくとも私はこの映画について、何も知らないし……映画のジャンルとしての狼男モノというのも、今日日聞いたことないな……
やっぱり単純に、曲名の意味合い的な選出だったかもしれないなぁ……
……ということを編集長に相談したりしなかったりしつつ、エルムちゃん参戦記念・エルム街の悪夢を見る会をする際に、一緒に鑑賞しました。何もわかりませんでした。社会派の映画でした。 ?

・いぬがいます

閑話休題。そうこうしている間に、ポップンミュージックはアップデートを迎え、24作目のうさぎと猫と少年の夢へ移行。
そして、稼働開始から一週間ほどで、楽曲解禁イベントが開始されます。

おっ……居りますゥ~~…………!

お願い採用は、エクラルが終了した後もうさ猫で続行されました。
「アッシュの新アニメが見たいです! お願いします~(>人<;)」というお願いは採用され、うさ猫一発目の楽曲追加で「good-cool feat.PON」の布陣で叶えられることとなります。いいんですか!?
何がいいんですかというと、私はgood-coolさんの曲も勿論大好きで、というかこの展開のやり方はポップン17でのサイバーウエスタンの系譜ですらある気がしますが、あの、いいんですか!!?
もっと詳しく言うと、楽曲の意味的な方向性も歌い方的な方向性も、アッシュくんの経歴を経由しているなあと感じられ、つまりは"そういうこと"なんですが、よろしくってよ!?(?)
さすがに一旦エロトラップダンジョンなのでは?(??)

歌ったポイントとしては、アッシュ楽曲って、どの曲にも「男性的なセクシーさ」が感じられたので 吐息多めで精一杯のセクシーを詰め込んでお送りしています。

pop'n music うさぎと猫と少年の夢-@you (573.jp)

PONさんのあらゆる場面で発揮される、憑依型の歌唱について。
前半記事で紹介したのは、PONさんが得手とする演奏者を想定した憑依型の打ち込みについてですが、これがもちろん歌唱でも発揮されていないわけがありません。PONさんの版権カバー曲などを聴いたことがある皆様は、わかっていただけるのでは。
また、氏はIIDX EDITION、ミュージック・アワーの怪文書曲コメントで、氏が憑依型の歌唱に拘る理由として、こう述べています。

J-POPって長く愛されるアーティストは必ず歌唱に個性があると感じてるんですが、このバンドのボーカルさんも強い個性がありますよね。
アレンジする上でその個性をPONに降臨させることができるかを重要視しています。
あくまでも「オリジナルを活かしたIIDXアレンジ」を目指しているので、歌唱はオリジナルに寄せつつ、アレンジはIIDXらしさ全開、というバランスで作ってます。
リスペクトを込めてそうしてるし、自分がアレンジ音源を聴くならそういう音源のほうがいいなって思うから。
特にプレーに集中してると絶妙にオリジナルに聞こえる瞬間があって、そういうのも楽しいんですよね。

beatmania IIDX 29 CastHour‐ミュージック・アワー (573.jp)

PONさんが版権カバーで積極的に選ぶ、歌い方に込められた拘り、哲学、リスペクト。私はそういったものを@youから勝手に感じてしまいます。

というか、@youの歌い方は、身が入りすぎている気がします。この楽曲の前後で、氏はこの歌い方から明らかに何かを掴んだっぽい気配がしており、有体に言うならこの後は歌がうまくなっていると思いますねェ!!!
現実の情報量が多すぎる。また現実が架空を経て現実になっている。いや、そういえばDeuilって現実なんでしたっけ。何周していますか、今。
なんか、こんな胡乱な事を言っていると、実質的にPONさんがアッシュくんから歌い方を伝授されている気がしてきました。どういうことですか?

どういうことですか(買っちゃった)

・年末年始は気をつけろよ

それはそれとして、本当に私事(?)で申し訳ないのですが、この日、PONさんのオタクは、やたら忙しい羽目になってました。

なんか、多くないですか? 追加されたPONの曲が……

多くないですか??

この日追加されたPONさんに関連する楽曲は合計で4曲
その内の1曲である哀彩は当時PON作曲であることが明かされていなかったのでセーフ(?)ですが、それでも1日に、同時に、3曲も同アーティストの曲が襲って来てしまいました。だめだよ、そんなことしちゃ。

また、これはНУМЛの曲コメントですが……

あとはPONくん歌っといてー、と思ったら
この曲と同じような時期に他にも歌ってる曲あるんで別の人がいいですと。

pop'n music うさぎと猫と少年の夢-НУМЛ (573.jp)

これは状況を説明すると、諸々が配慮されていなかった場合、PON歌唱曲が1日に2曲(НУМЛと@youが)追加になっていたという事です。だめだよそんなことしちゃ。

・妖怪バンドはある

そういえばDeuilって現実なんでしたっけね。
そうこうしている内に、全ては史実、合法になったと言わんばかりのスピード感で、選び得なかった過去は今に選ばれた現実になり、Deuilが質量を保って3人揃ってリレー形式で歌っちゃったりするもんね。していいのか、そんなことを。
合法になったというか、その地点に於いて合法にしたし、ポップンミュージックのpeaceはそういう場所なので、していいんですね、そういうことを。そうなんだ。

ポップンは25作目のpeace、ポップンタイムトリップのポップン2編、Deuilの過去編ストーリーにて、ライブツアー用の自己紹介MCを兼ねた曲……として、Invisible Farewellが紹介されました。
2016年3月24日に造花の貌が解禁可能になってから、2019年8月29日にInvisible Farewellが解禁できるようになるまでの、この、スピード感。
妖怪バンドのみなさんに追突したり、されたりしているような形の私は、「していいんだ。そんなことを」と丁寧な暴力の前に慄くことしかできませんでした。予測も回避も受身も、最早不可能でした。ポップンミュージックピースは恐ろしいバージョンです。

その後、peaceのアルバムが発売され、Invisible Farewellのクレジットが発表されたり、ロングバージョンが実装されたりしたことでまた悶着がありましたね。
が、その話は別の記事一本分の情報量になってしまいますし、編集長にも、別の記事に、してね!と言われています。音ゲーム文書無限回廊になる前に、今日ところははここまでとさせて頂きます。
妖怪バンド被害者の会パワーオブフォーク支部でした。公式がいつも一番怖い。ありがとうございました。



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書いた人:ぬのじ
2013年以降を中心とした音楽ゲーム自由研究人間のオタクで、主に機種連動や合同イベントについてを多く口に含みつつ、どちらかというと常に世界観の事を考えている不審人物。脅すと原稿が出て来るらしい。
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次回の更新日は3月2日(土)です。お楽しみに!