サンシャインコーストの思い出
小さなボリュームで音楽を聴きながら仕事をした。
集中している時には耳に入ってこないが、
ひとつの作業が終わって、ふっと気を抜いた時に音が鮮明になる。
そのまましばらく聞いて曲が終わってしまうと、次の作業にとりかかろうという気持ちになる。
親戚の子がオーストラリアのゴールドコーストでホームステイをすると聞いた。
僕も大学生だったころにオーストラリアのサンシャインコーストで
一カ月ほどホームステイしたことがあって、とても懐かしくなった。
必死に当時のことを思い出そうとしたが、なぜだかうまく思い出せない。
ホストファミリーが素敵な人だったこと。
ディナーはほとんどBBQだったこと。
週末にみんなでゴールドコーストまで旅行に行ったこと。
犬のボニー。
自分で体験したことのはずだが、時が経ちすぎたせいで人から聞いた話のように細部がなくなってしまっている。
しかしどうしようもなくサンシャインコーストの思い出は輝いている。
このホームステイは控えめに言ってとても楽しい日々だった。
もっとたくさんの写真を残して、
日々何を感じたかを日記に詳細に残しておくべきだった
と後悔してもいいのだが、
時が経ち細部(そんなものがあったのかも疑わしい)が
抜け落ちたからこそ思い出は光を放っているのかもしれない。
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