
DAW付属のギター音源でブリッジミュートを再現する 〜ギター博士のフレーズを添えて〜
導入
どんな人向けの記事?
有料音源を買う前に、DAW付属のギター音源でどのレベルまで打ち込めるか知りたい人
前提知識
本文
ギター博士の練習動画
今回再現するのはこちらのフレーズです。ハイテンポでロック感溢れる雰囲気がかっこいいですね。
打ち込みの聴き比べ
DAW付属のギター音源には、サステイン奏法とミュート奏法を切り替えられるものもありますが、そうでない音源の方が多いですし、ミュート音のクオリティが低ければ、さらに選択肢が少なくなります。もしサステイン奏法のみの音源でもミュートを再現できれば、音源の選択肢が広がるので、これに越したことはありません。今回は以下の3つのパターンで打ち込みを行いました。
ミュートなし・同一音源
ミュートあり・別音源
ミュートあり・同一音源
打ち込みの解説では、Logic ProのSamplerという音源の設定項目を載せていますが、他のDAWの音源にもおそらく同じような項目があると思います。Samplerで読み込むギター音源の音色は、ギター博士がアンプに繋がずに弾いているときの音色に近いものを選んでいます。
ミュートなし・同一音源
<サステイン用の設定>
ギター音源:Eighties Electric
アタック:0ms
ディケイ:10000ms(最大値)
サステイン:0%
リリース:98ms(切りのいい値を入力してもこの値で上書きされるため半端な値になっています。これ以降の半端な値も同じ理由です)
この打ち込みが基準となるので、繰り返し聞いてある程度記憶してから、下の打ち込みを聞いてみることをおすすめします。ちなみに、サステインは必ずしも0%である必要はないのですが、ディケイが最大値である限り、サステインの値はほとんど影響を与えないと思います。
ミュートあり・別音源
<サステイン用の設定>
ギター音源:Eighties Electric
アタック:0ms
ディケイ:10000ms(最大値)
サステイン:0%
リリース:98ms
<ミュート用の設定>
ギター音源:Muted Electric Guitar
アタック:0ms
ディケイ:977ms
サステイン:0%
リリース:98ms
やはり、ミュートが別音源だと音色が合わなくなってしまいます。ミュート用に音作りを完全に変えたとしても、音源の差異をなくすことは難しいと思います。
ミュートあり・同一音源
<サステイン用の設定>
ギター音源:Eighties Electric
アタック:0ms
ディケイ:10000ms(最大値)
サステイン:0%
リリース:98ms
<ミュート用の設定>
ギター音源:Eighties Electric
アタック:0ms
ディケイ:498ms
サステイン:0%
リリース:98ms
「ミュートなし・同一音源」と「ミュートあり・同一音源」の比較
「ミュートなし・同一音源」と「ミュートあり・同一音源」の違いがあまりわからなかった人もいると思うので、多少わかりやすい部分で聞き比べてみましょう。「ミュートなし・同一音源」はディケイが最大値になっているので、音量の減衰が弱く、音のキレが足りないように聞こえます。それに比べて、「ミュートあり・同一音源」の方はディケイが498msなので、音量の減衰が強く、音のキレが増しているように聞こえます。ただし、音量の減衰が強い分、元の音量だと音の迫力がなくなってしまうので、もう少し音量を上げた方が良かったかもしれません。
音作りの詳細
打ち込みの解説では、音源のエンベロープのことにしか触れていませんでしたが、それ以外のオーディオエフェクトのことも書いておきます。ベロシティや音価、あとはピッチベンドなども調整していますが、さすがに細かすぎるので載せていません。あとがきにLogic Proのファイルを置いておくので、気になる人は覗いてみてください。
気づいている人もいるかもしれませんが、音作りの完成度は明らかに完璧ではありません。ギター博士の音作りに比べてシャリシャリ感が足りないですし、使用したギター音源の特徴なのか、低音域の少し耳障りな成分が消しきれませんでした。コンプレッサーをかけ忘れてるので、音の潰れ具合も少し気になりますね(それくらいは修正すればよかったのですが、バウンスしてSoundCloudに投稿し直すのがめんどくさかったのでやめました。突き詰めると完全に沼にはまる気しかしないので、完全再現でないという点はご了承ください。
オーバードライブ


アンプ

イコライザー


ミュート用のイコライザーを追加しているのは、サステイン音よりも音を暗くするためです。
リバーブ
