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拳王GHC戴冠!清宮、武藤撃破!ニンジャ・マック翔ぶ!7・16武道館から見るノアの未来!

7・16 プロレスリング・ノア「DESTINATION 2022」ネット観戦記

去る7月16日、日本武道館で行われたプロレスリング・ノア「DESTINATION 2022」をabemaTVで観戦しました。小島聡のGHCヘビー級の初防衛戦は拳王と。事前の煽りで色々と楽しませてもらいました。そしてGHCタッグ、ジュニアのタイトル戦に武藤敬司引退カウントダウンはVS清宮海斗。ロブ・ヴァン・ダム参戦、ニンジャ・マックも久々の参戦、と総力を尽くした形の日本武道館大会でした。

久々に大会単独の増刊号が発売され、本誌でも清宮海斗が表紙。総力戦を闘ったかいがあった日本武道館大会を、時間が経ってしまいましたが、簡単に振り返っていこうと思います。

ニンジャ・マック参戦!対戦相手も凄かった!

5月以来の登場となったニンジャ・マック。大きなインパクトを残したニンジャが久々の参戦となりました。以前登場時のエントリはこちらから。

しかし、はじめにインパクトを残したのは対戦相手のダンデ・レオン。いきなりの半回転スワントーン式セントーン。

何度も対戦してるであろうこの二人、ニンジャ・マックもどんどんとエンジンがかかっていき、コーナポストに飛び乗ってからの回転蹴り。この空中技の浮遊感が素晴らしい。空中での軽さを感じます。

そしてお得意、バク宙連続からのラ・ケブラーダ。これは何度見ても「おおおおお!」とテンション上がります。素晴らしい。

ダンデ・レオンも負けじとロープの反動を利用して腕十字のような形でキャンパスに叩きつける飛び技。技の独自性でいったらニンジャ・マックよりダンデ・レオンのほうが上かもしれません。

そして多少相手が吸い込まれるような形になっていたのは否めませんがトップロープから旋回式のスタナー炸裂。あわやカウント3の場面を作ったダンデ・レオン。色々と驚きを感じさせてくれます。

このように飛び技に全振りしたような試合で終始観客を沸かせた二人ですが、フィニッシュはニンジャ・マックのフェニックス°630が炸裂してカウント3。最後まで魅せてくれる試合でした。理屈抜きのこの面白さ。ダンデ・レオンも良かったです。

正直、これまでのノアジュニアの試合とは結構テイストが違う、ルチャ、というよりアメリカンインディー色強めのハイフライヤー同士の試合。これからこの二人がノアジュニアに融合していくのか、それともこの個性を保ったまま浮いてしまうのかはわかりませんが、これくらい振り切ってくれると見ている方も楽しめました。また何度でも見たくなりましたし、この面白さを消さずにノアに融合してくれるといいな、と感じた一戦でした。

ちなみにニンジャ・マック、解説ゲストに呼ばれてました。何故...。

武藤敬司VS清宮海斗!天才伝承!?清宮海斗まさかの勝利。

そして、個人的に注目だったのは来年での引退を表明している武藤敬司の引退ロード。第一戦は清宮海斗戦です。いきなり入場から魅せる。

じっくりとした攻防にしっかりと付き合っていく清宮海斗。対峙すると身体の分厚さは違いますが、レスリングで対抗していきます。

そうなってくると、やはり自らの膝が負担となっていく武藤。個人的にぐっときたのは、この雪崩式フランケン狙いでコーナーポストに登ろうとするシーン。なかなか膝が言うことを聞かずにその場で手こずり、自らに檄を飛ばす武藤。こういうところで人生、年輪を覗かせるのはさすがです。

個人的に頭によぎったのが2021年2月の日本武道館、潮崎豪をフランケンシュタイナーで仕留めてGHC王座を戴冠した武藤敬司。そのフィニッシュより印象的だったのが、コーナーに上ってのムーンサルトを「できない」シーンでした。この、技に行く過程、技にいけないことにより自分を際立たせる武藤敬司の恐ろしさ。このような貪欲な「自己顕示欲モンスター」なところも清宮には受け継いで欲しいところです。

そして武藤敬司のお株を奪う脚四の字でギブアップを奪った清宮。ギブアップ、というより武藤が何かを諦めた、という風でもありました。

武藤がどこか清宮を認めたところがあったのかはわかりませんが、この勝利によって清宮が武藤の何かを背負うことになったのは確か。若くしていろいろと重い荷物を背負わざるをえなくなっている清宮ですが、VS武藤敬司以外で脚四の字をどこで出すのか。どう考えても注目される武藤の引退ロード以外で清宮海斗の存在感を示さないと、あの勝利はなんだったんだと思われてしまう。この日の勝利は勲章でもあり十字架でもあるお思いますが、清宮にはこれから始まるN-1でも、それ以外の平場でもすべてを掻っ攫うようなファイトを見せて欲しいところです。

メインはまさかの拳王勝利!小島聡VS拳王!

そしてメインイベントはGHCヘビー級タイトルマッチ、小島聡VS拳王。この二人は試合までの煽りからとことん楽しませてもらいました。佐々木大輔戦といい、小島聡戦といい、外様との前哨戦ではイキイキする拳王。その才能をいかんなく発揮してました。

試合はもちろん、バックステージでの口論からなぜかプッシュアップ、スクワット、カラオケ対決までこなす始末。ここらへんは賛否両論ありますが、拳王のガンガン煽っていくスキル、全力で受け身を取る小島の天然混ざった器の大きさ、その2つが噛み合って色々と奇跡が起こっていました。

試合になると基本的には小島ペース。いきなりのプランチャから場外戦でペースを握りますが拳王も各種キックで反撃。互いに互角の攻防が続く中、小島が「天山」と叫んでのモンゴリアンを出せば拳王も「新日本プロレスはこんなもんか」と挑発。

そして試合は終盤に。小島のラリアット、拳王の垂直落下ブレーンバスターが交錯、ここでラリアットをかわした拳王がハイキック、すかさずコーナーからの正調PFS(フットスタンプ)炸裂、これを返されると再びコーナーに登ってからのムーンサルト式ダブルニードロップ炸裂!ここから渾身の力で抑え込んだ拳王がカウント3!拳王がGHCヘビー級選手権王座を奪還しました。

拳王はなんとかマイクを手にして「ノアは新日本プロレスの天下り先じゃなかったなぁ!」、「でもメチャメチャ学ぶところもあった、そして少しだけ...楽しかったよ」

と気持ちを吐露。

そして、まだまだ埋まりきっていない観客席(主催者発表観衆:3,215人)を見渡し「プロレスリングノア、これで満足しちゃいけないよな!まだまだオレもノアも発展途上、もっといい景色を見せる!」と未来への課題をしっかりと話した上で

「おい!日本武道館の、Abemaで見てるクソヤローども!これからは拳王、オレに...ついてこい!」で締め。およそ5時間興行となったプロレスリング・ノア日本武道館大会を締めくくりました。

この盛り上がりはドーピングか?ノアの本領発揮はこれからか?

こうしてハッピーエンドで終わった日本武道館大会。印象に残った3試合をあげましたが、気になったのはこの3試合がどれも「外様」絡みだということ。逆に言うと、話題性&盛り上がりで純血のカードがこの3つを上回れなかった、という印象を受けました。

特にGHCヘビー級選手権。小島聡が王座を失いましたが、短い間、王座に座っていた小島の試合後のマイク、その後のSNS対応や煽りへの対処も完璧でした。ハッキリいってもうちょっとチャンピオンでいてほしかった。

5時間という長時間興行となったこの武道館大会、小島VS拳王、武藤VS清宮、ニンジャ・マックVSダンデ・レオンといった「派手なカード」の中に、純血のHAYATAvs吉岡のJrヘビー級選手権試合、マサ&稲村VS鈴木秀樹&ティモシー・サッチャーのタッグ選手権試合、ロブ・ヴァン・ダム&田中将斗VSNOSAWA論外&スペル・クレイジー、潮崎&杉浦&藤田VS船木&中嶋&征矢の6人タッグマッチなど、ノアならではのカードが埋もれてしまった、という印象を受けました。

まあ、5時間がちょっと長く感じた、というのもありますが、特にセミ前、セミのタッグ、ジュニアタイトルタイトルマッチはメインを食うくらいのものを魅せてほしかった。そこまでのインパクトを残せなかったのがちょっと残念ではありました。

ここからN-1が始まり、8月11日には横浜武道館で決勝戦、その優勝者と拳王のタイトルマッチと夏に向けて盛り上がりを見せるはずのプロレスリング・ノア。今回「外様」からバトンを受け取った拳王、清宮がノアの中でどう光るか。今後のノアの課題と言えるでしょう。

関係ないけど最近アキトシ解説がムダにアツいです。意味はわからんが、勢いがとにかくスゴい!


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