『君って本当にダメだね』
僕が実際に相談に乗らせてもらっていた女性の実話です。
本人から了承を経て一部内容を変更しながら、『モラハラ男の実態』として皆さんにお届けします。
少し胸糞な部分もあるかと思いますが「世の中にこんな男性いるんだ」くらいの感じで見ておいてもらえると幸いです。
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私の名前は真幸。このエピソードの主人公。私は公務員の仕事をしている28歳。ただいま同棲を始めてから、深いため息しかできない気分になっていた。
男の名前は健一。私より10歳以上も年上で、事業が成功し、社会的にも結構な地位にいる人だ。出会った頃は気前がいい男性に思えた。ユーモアめに言えば、「ハイスペ男性」というやつ。
しかし、同棲が始まった途端に、それまでのイメージは潰れた。
健一は、俗に言う「モラハラ男」だったんです。
毎日が「ダメ出し」
今日も私は昼食のご飯をつくった。クックパッドで調べたレシピをしっかり研究して心を込めた。しかし、健一の反応は絶望的だった。
「なんで、これぐらいの味付けも分からないの。また醤油使ってるの。いつもこれじゃ、結婚はお話にならないよ。」
その一言が心に刺さる。いつも微笑をたもって「ごめんね」と言うのが私の習慣になっていた。
健一は食事を終えると、ソファーに座ってテレビを仕分けた。こちらに言及のひとこともない。たまに屋内のごみ箱が溜まってることに気付いて、「ごみ、出してよ」と言うだけ。
私はなぜこんなに頑張っているのだろう。そんな疑問が湧き出るたびに反省をする。
私が悪いのかな。
私が足りないのかな。
他人前では何故か優しい健一
月曜日の夜、私たちは健一の友人と飲み会をしていた。自己紹介の時、健一は「真幸は家庭的な人で、こんな人は他にいないよ」と言う。友人はうらやましそうに私を見る。
しかし帰り道になると、健一の表情は一変。
「せっかく俺が周りに君のことを良く見せてあげてるのに、あの態度は何?話を振られたら、もっとちゃんと返さないとダメだろ。」
私はその言葉に反論したい気持ちを抑え、静かに「ごめんなさい」とだけ答えた。どんなに言い返しても、健一は自分が正しいと主張するのだから無駄だと分かっていた。
家に着くと、健一は私を完全に無視して自分の部屋にこもった。私はキッチンで片付けをしながら、彼の言葉を何度も反芻していた。彼が外で見せる優しい態度と、家の中での冷たい態度。そのギャップに私は疲れ果てていた。
翌日、健一の友人からメッセージが届いた。
「昨日はありがとう!真幸さん、本当に素敵な人だね。健一もいい彼女がいて幸せそう!」
その言葉に、私は思わず涙がこぼれた。外の世界では「素敵なカップル」に見える私たちの関係。しかし、実際には、私は彼の言葉に怯え、彼に認められるために自分を押し殺していた。
「どうして私だけが、こんなに頑張らなきゃいけないんだろう?」
心の中で、誰にも言えない孤独が静かに膨らんでいくのを感じた。
第3章 限界への足音
そんな日々が続く中、ある事件が私の中で何かを変えた。ある日、健一の頼みで買い物をすることになった私は、指定されたメモをうっかり忘れてしまった。
忙しい仕事の合間に急いで用事を済ませようとしたのが仇だった。
帰宅後、健一にそのことを伝えると、彼はため息をつきながらこう言った。
「君って本当に使えないよね。俺が他の女性と付き合ってたら、もっとマシな人生だったのに。」
その言葉はまるで、私の心にナイフを突き刺すようだった。
それまでどんなに傷つく言葉を受けても、何とか飲み込んできた私だったが、この一言で耐え切れなくなった。
「それなら、他の人と付き合えばいいんじゃない?」
私の口から出た言葉に、自分でも驚いた。健一は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに冷笑を浮かべ、さらに追い討ちをかけるような言葉を投げかけた。
「やっぱり君には、そういう幼稚な発想しかないんだな。」
その夜、私は静かに荷物をまとめた。これ以上ここにいる意味はないと悟ったのだ。
解放と葛藤
実家に戻った私は、ホッとした反面、心の中に重たいものを抱えていた。健一からは連日メッセージや電話が届く。
「ごめん。君がいないと生きていけない。」
「俺が悪かった。もう絶対に変わるから。」
しかし、彼の謝罪の言葉を聞いても、以前のように信じる気にはなれなかった。母は私を優しく抱きしめ、「戻らない方がいい」と静かに諭してくれた。
それでも、2年間彼に依存していた自分が心の奥底で囁く。
「私がもっと努力していれば、健一を変えられたのかもしれない。」
真実との出会い
そんな時、思いもよらない電話があった。それは健一の元同僚の女性からだった。
「私も健一さんと付き合っていたことがあります。あなたの話を聞いて、連絡せずにはいられなくて。」
その女性も、健一と同じようなモラハラを受け、精神的に追い詰められていたという。話を聞くうちに、健一が過去にも同様のパターンで女性たちを傷つけてきたことが明らかになった。
「私が特別ダメなわけじゃなかったんだ。」
その事実に気づいた時、私は複雑な感情に襲われたが、同時に少しだけ心が軽くなるのを感じた。
ただ、それでも自分に自信が持てなかった私は知り合いのツテを辿ってカウンセリングを受けることにした。
新しい一歩
カウンセリングを受け始めた私は、少しずつ自分を取り戻していった。
職場でも新しいプロジェクトを任され、かつては怖くてできなかった「自分の意見を主張する」ことができるようになった。
そんなある日、偶然にも健一と再会した。
「久しぶり。最近どうしてる?」健一の何気ない言葉に、以前の私なら震え上がっていたかもしれない。しかし今の私は違った。
「おかげさまで、まあまあ充実してるわ。」そう言いながら、どこか自分の胸に小さな痛みが残っていることに気づいた。
健一は少し驚いたような顔をしながら、「そっか。頑張れよ。」と言い、去っていった。その後ろ姿を見送りながら、私は自分の中の葛藤に向き合わざるを得なかった。
もう昔の自分とは違う。
今は新しい自分を演じて生きてるつもりだった。
そのつもりだったのに何故かまだ「健一」のことを気にしてしまう私がいる。
あれほど苦しい日々を過ごしたのに、なぜか完全には割り切れない何かが心の中に居座っている。
それは後悔なのか、未練なのか、それとも彼の言葉に縛られてきた年月の重みなのか。
空を見上げると、曇り空の隙間からわずかな陽光が差し込んでいた。晴れるのか、また雨が降るのか。
そんな不確かさの中で、私はただ立ち尽くしていた。
それでも、少しずつ前に進むしかない。自分の心に巣くうモヤモヤが晴れる日が来るのかどうか、それはまだ分からないまま。
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どうですかね。笑
なんで「健一」はこんな感じになってしまうんでしょうか。
そして、どうして「真幸」はこんな「健一」のことを好きになってしまってるんでしょうか。
気になりますよね。
ヒントになるような記事をこちらで公開してますので興味のある方はぜひどうぞ。
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https://note.com/preview/nd598fc7f23f1?prev_access_key=76f9a6044b2fe67c1ff5ac22ab6733a0