映画レビュー#010 『グッバイ、リチャード!』(2018年)
ステージ4の肺癌で余命180日と宣告された大学教授・リチャード(ジョニー・デップ)。さあ残りの人生をどう生きるか…。
ジョニー・デップの映画久しぶりに観た。しかも普通のジョニー・デップ。『ニック・オブ・タイム』ぐらいしか記憶にないぞ、普通のジョニー・デップ。しかも今回はおじさんジョニー・デップ。いいぞ。
91分しかなかった?もっと長く感じるぐらい(つまらないとかではなく)いろいろなテーマが盛り沢山。
不倫やLGBTQから友情とか、さらに大学の文系問題とかも。
ちなみに90分ぐらいの映画って好きだ。音楽アルバムで言うと「46分テープ」に収まる感じ。2時間の映画は「54分テープ」って感じだな。
リチャードとは社会的地位も、家族の年齢構成も違うけど、やはり自分と自分の家族に置き換えて考えてしまう。
私は娘の全てを肯定し、あんなに強いメッセージを伝えてあげられるだろうか。
もし自分が余命わずかとなった時、リチャードの親友ピーターのように、心から心配してくれる友人はいるだろうか。逆に自分があれだけ心配になる友人がいるだろうか。
自分より下の世代に何か伝えるべきことがあるだろうか。自分の人生を振り返り、やり残したことや後悔に決着をつけることができるだろうか。
夫婦ってなんだろう?あ、いま迷路の扉を開けそうになった。やめておこう。
リチャードの親友、ピーターがいい奴すぎる。ピーター、リチャードのこと大好きだろ。
「いい友人でいるために頑張っている」っていうセリフにグッときた。そんなふうに思って付き合っている友人いないかもしれない。
「We tried」って言い合える仲っていいなぁ。
リチャードの講義を受ける学生の選び方が面白かった。そして私もあの講義は受けてみたい。
未だ手付かずの『白鯨』を読んでみようかな。
チャンスは一度しかないんだぞ。覚えておいて。私はもう見逃してしまった気がしなくもないが。でも一度はあるんだぞ。
映画の終わり方も好きでした。
鑑賞日2020年8月22日(劇場)