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アニメと記憶とそれから私

小一の時に大好きで見ていた「らんま1/2」、15年経って懐かしくなって見返し始めた。
あの頃は毎週、確か木曜日17:30から3チャンでやっていたはず。
学校から帰ってきて、宿題を終わらせ、おやつを食べながら見ていた。
宿題を終わらせた達成感は半端なかったし、食べていたおやつはいつも私が好きなものでとっても美味しかった。はず。そんな気がする。
時々、タケモトピアノの有名なCM、天神のCM、高須クリニックのCM、突然青汁の通販が始まったりして。
時々メロディを口ずさんでそれはそれで楽しくて、腰に手を当てながら青汁を飲む真似をしたりしていた。はず。これもそんな気がするだけかも。
それなりに覚えているけど、どれもそうだった「はず」で「気がする」だと気づいた。
例えば、茜の髪が切れたのは、どっかのヤンキーが投げたブーメランが当たったからだったと記憶していたけど、本当はリョウガくんの投げた帯が当たったからだった。

もしかしてこれは、人間が過去の思い出を忘れてそのうち美化していく感覚と似ているんじゃないかと思ったりする。
誰かといた場所、見た景色だけ覚えていたり。
誰と行った場所だったのか、どうやってその景色に触れたのかは忘れていたり

それでも、自分は人に覚えられていたい。人に忘れられたくない。
美化はされたい。いなくなった後に「あいついい奴だったな。」って思われていたい。
有名人でも何でもない一般人だけど、私の存在をなかったものにしてほしくない。
私に似た匂いを見つけたら、思い出して泣いてほしい。
それがもし香水や芳香剤だったとして、家に持ち帰って同じ匂いに染まってほしい。
昔好きだったアニメを見ただけなのに、そんなところまで辿り着いてしまった。
やっぱり私は人に対しての愛が重い人間みたいです。


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