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常用を疑う- クスリ と 毒 -

頭痛のご相談でお身体を観察していると、
頭の緊張が強い方が多いです。

頭をたたくとカンカンと
金属音のような音がしたり、
頭蓋骨が締まり過ぎていたり、
頭皮がパツパツになっていたり、
といった特徴が見られます。


頭や目の使い過ぎ。
例えば、スマホやPCに向かっている時間が
長いことや、
近年とりあげられることも多くなった香害も、頭を緊張させる原因のひとつです。


ご本人は
「これが普段の生活」と思って
常態化していることが、実は不調の原因に
なっている。というパターンは
よくあることで、日常生活を変える
ということはなかなか難しいことかもしれません。

毎日お風呂上がりにコーラを2L飲むとか、
毎日豚骨ラーメン背脂増し増しを食べるとか、
毎日テレビゲーム12時間以上とか、
分かりやすい不摂生ならいいのですが、

良かれと思って続けていることが、
実は毒になっていることもあるという例を
いくつかご紹介します。


□ヨガやピラティスは、薬にも毒にもなる。

たとえばダウンドッグという
代表的なヨガのポーズがあります。


ダウンドッグ

◎血液循環を良くする
◎呼吸が深まる、自律神経が整う
◎太ももから足首にかけてのストレッチ効果

などなど、
調べればメリットはいくらでも出てきます。
なんだかやるだけで、身体に良さそうです。

しかし実は、ポーズのとり方を
ちゃんと指導しないと、
肘や膝の過伸展や過緊張、
(必要以上に常に緊張したり、伸びすぎてしまう状態)
巻き肩を強めてしまうことがあります。

自身の体重を足の裏、手の平に分散させて、
地面を押すチカラで身体全体を支え、
肘、膝などの関節の伸びすぎに注意し、
呼吸は胸を詰まらせぬように深くゆったりと。

そんな注意書きが書いてあったところで、
素人の方は、
自分の体重が上手に分散させられているか、
過伸展になっているか、巻き肩になっているか
なかなか自身の感覚では気付きません。


そこで本来、インストラクターがしっかり
その方に必要な指導をしなければなりません。
どういった身体の癖があるのか、
今どのような身体の状態かを、
お伝えする必要があります。

リラックスヨガや太陽礼拝、
アシュタンガヨガにハタヨガなど、
難易度もバラバラではありますが、
ポーズを維持するために負荷がかかる
ヨガやピラティスには向き、不向きの
動きがあります。

健康のためにやっているヨガを
真面目に繰り返しやることで
気づかぬ間違いもそのまま繰り返し
過伸展や過緊張が常態化して痛める

という方が、実は多くいらっしゃいます。
どの方も、その緊張や痛みの原因が、
ヨガやピラティスにあったとは思ってもいません。



□なぜこんなことが起こるのか?


先程も書きましたが、
やはり大きな原因は、
インストラクターがその方の動きの癖を
しっかりと見極めて指導しているか。
という点ではないかと思います。

大手のヨガやピラティスのは、
1人の先生に対して大勢の生徒さんがいたり、
アジャスト(直接触れてのポーズの修正)の時間が
少ししかなかったりする場所が多いのが現実です。


ヨガのRYT200、400というような資格も
今やオンライン受講でスキマ時間に
取得可能な時代です。
利益、効率化を重視し
低価格で多くの生徒さんに一度に指導する

ヨガインストラクターの方も、
同じようなシステムで養成所やスクールで、
教わってきたのですから、
生徒さんに同じように教えるというのは、
当然の流れです。


ヨガやピラティスに限らず、
野球やサッカーなどのスポーツ指導の現場でも同じです。

ヨガやピラティスには
確かに筋力upや血行促進、
自律神経を整える作用があります。

ただし、それはやり過ぎたり、
使い方をあやまれば毒にもなりうる。
これは全てに置いて同じではないでしょうか。



□アロマオイル


頭痛の原因がアロマ?
リラックスや癒しのためにアロマを活用しているのに、どうしてだろうか?
と思う方もいらっしゃるかもしれません。

アロマオイルと一口にいっても、
抽出方法や使用用途も様々です。
自然なものから抽出されたものとはいえ、
ものによっては抽出過程で使用した化学薬品の残留物がオイルに残っているものもあります。


ラベンダーはリラックス効果、
ティートゥリーは殺菌、抗ウィルス効果、
など、効果も種類によって様々で、
無印良品などの雑貨量販店では、
オリジナルブレンドされたものもよく見かけます。
アロマセラピストの資格も今の時代細分化し、
手軽に取得できるようなものが
いくつもあります。

忘れてはならないのは、
アロマもある種の「刺激物」であるということです。

イヤフォンで音楽を一日中聞いていると、
耳がぼわんとして聞こえにくくなり
疲れてしまいます。

それと同じで、
アロマディフューザーで一日中、
なにかしらの香りで嗅覚を刺激し続けることは、
鼻を通して、頭や神経を刺激し続けているのと同じことです。


アロマオイル自体の使用が
悪いというわけではありません。
効率化や販売を目的とした手法ではなく、
ひとりひとりの身心の状態に合った
ブレンドや効能、用法を
しっかり指導できる、アロマセラピストに
出逢うことが大切です。

冒頭で述べた香害対策として、
アロマオイルを利用する方も
よくお見かけします。
柔軟剤に含まれるマイクロカプセルではないから、自然のものだから安心。

と、毎回同じアロマオイルを使用して
常に衣服に香りをまとわせている。
ということは、ないでしょうか?


珈琲を淹れたての香りや、
炊き立てのお米の匂い、
季節に咲く野花も、
立派なアロマをまとっています。
感受性があれば、
すでにある日常にさまざまなアロマがあることに気づきます。


□いいもの詰め込み病


無農薬畑にこども食堂ボランティア、
ヨガ、オステオパシー、整体、
香害対策でアロマオイル、
予定はウェルネス、子育てイベントで埋まり、なんだか心身がせかせかと忙しい。

そんな日常を過ごしていては、
頭や神経が疲弊して、全て大した効果は
得られない結果になってしまいます。


整体では
子どものように弾力のあるのびやかな身体を育てる」ことを大事にしています。


想像してみて下さい。
小さな子どもが、
ウェルネスイベントや子育てイベントで予定を埋め、身体にいいものを調べ、無農薬畑やボランティアを嬉々として行うでしょうか?


すこやかな子どもというのは、
口をあけてぽかんとぼんやりしたり、
何もしない時間も大切です。
着色料たっぷりで甘いメロンソーダや
チョコレートも好んで食べ、
テレビゲームやアニメにはまり、
鼻水を袖口でかみ、
それでもすこやかで弾力のある身体です。


誰かのために、健康のためにと、
自分の時間を犠牲にはしません。

たまに風邪をひいて熱を出し
偏り疲労を調整して、免疫を獲得していく。

すこやかな子どもたちは、
頭で考えず心で感じ動き、
身体のはたらきに任せ、
のびのびと生きています。


石でクルミを割って食べる
子どもたちと私です。


本当にいい健康法も、
自身の身体に合っているかがわからないと、
逆効果をうむこともある
というお話でした。

まずはどんな分野でも
「自分がたしかに信用できる人」をみつけ、
数多の健康法にしばられる日々から卒業するために真摯に学ぶ。

そして大人は、
子どものすこやかさを見習ってみる。
というのはいかがでしょうか。

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セルフケアや発熱時の対処法
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