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頭をやすめる技術~ぼーっとする~



□季節の変わり目 : 秋のからだ

季節の移り変わりの時期の日々となりました。
秋は、春とならんで身体が大きく変化する時期。
あたたかい季節に花開いていた植物たちが閉じていくように、人のからだも冬にかけて、体温を蓄熱出来るようにするため、閉じていきます。

大きく変わる箇所が、
後頭骨(頭蓋骨の一部)・肩胛骨・骨盤の3か所です。
偏り疲労があったり、緊張して身を固めていることがスタンダードになってしまっていると、この3か所の変化がスムーズにいかず、不調をきたす一因になります。

今日は、そのうちの後頭骨、頭に関してのお話です。

□ぼーっとする大会

先日、東京で 『ぼーっとする大会2024』という大会が開催された。というニュースを知り、少し笑ってしまいました。
ぼーっとする大会 (bo-ttosuru.com)

HPには、
『忙しい人生に余白を作りましょう!』
というキャッチコピーと共に、参加者の方々の気合のこもった衣装(?)やぼーっとした様子の写真が掲載されています。
2014年から韓国で始まったというこの大会、世界的にも忙しい現代人に警鐘をならし、頭をからっぽにする必要性を感じている人は多いのだと思います。
しかし、大会と称して大々的なイベントにしないとそもそもボーっと出来ないなんて、困った世の中です。


小さなお子さんなんかはよく、
口をポカンと開けて空を見つめ、ぼーっとしていますが、あれは子供のすこやかさの面でもとても大切な時間です。
「口を開けてぼーっとして、みっともないからやめなさい!」なんて言いたくなる親心も分かりますが、これは自然な身体のはたらきです。そのままにしてあげて下さい。

□頭の偏り疲労


整体の観点でお話すると、頭の偏り疲労は頭皮のかたさにあらわれます。
頭をたたくとカンカンと高い音がしたり、頭皮を動かそうとしてもパツパツで動かなかったりします。

頭の音を聞く
頭の愉氣の前後で
頭皮に変化があるかを観察します。


また、常に頭がグルグルと考え事で満ちているような人は、後頭骨や、首にある頭の血行の急所、『上頸』という部分が固くなります。それにより首の可動域が悪くなり、特に上を向ける範囲が狭まってきます。

また、お腹でいうと腹直筋という、縦にはしった筋肉がかたくなります。
この筋肉が固くなると、本来呼吸でふくらんだりしぼんだりして内臓の働きを促してくれるお腹の動きが悪くなり、呼吸も浅くなりがちになります。

頭はホルモン分泌や自律神経とも密接に関わっていたりと、ひとことに頭といっても、頭と身体も複雑に繋がり合っています。
頭の疲れが及ぼす影響は、頭だけには限らないのです。


クライアントさんのお身体を拝見していても、頭の偏り疲労が慢性化している人は多いと感じます。
自身でできる手当てとして、頭の愉氣や調律点の整圧などお教えしますが、頭の忙しいひとはそもそも
『天心にポカンとしながら行う愉氣』
に集注するということがそもそも苦手である方が多いです。
施術と併用して、
日常生活に『ぼーっとできる余白ある時間』を意識的にとりいれてもらう。
これが最重要であり、難しいところなのかなと思っています。


□頭をやすませる時間をうみだす

年に1回の『ぼーっとする大会』だけでは足りません。
自身で日常的にぼーっとする時間を生み出すために
・働き方、仕事内容の見直し
   →労働時間の長さ、簡略化はできるか
・家庭生活の見直し
   →楽に家事は出来ないか、完璧を求めすぎていないか
・人間関係の整理
   →本当に会いたい人との時間、一人の時間のバランスはとれているか
などのポイントを、自分に問うてみることです。


たとえば家事。
わたしなんかは、一人でご飯を食べるとき、1つのフライパンで鮭と野菜炒めを同時に焼いたら、フライパンにそのままご飯を投入。フライパンからダイレクトに食べる『熱々!フライパンワンプレートランチ』。
洗い物はフライパンとお箸だけ。

栄養素や見た目の美しさ、完璧さよりも楽さが自分に必要な時だってある。ということです。


また、移動時間、隙間時間についつい見てしまうスマホ。
視覚情報に溢れている昨今、なにが自分にとって必要か、不必要な情報か、明確に整理していないと膨大な時間をあっという間にスマホにもっていかれてしまいます。
SNSで見ているもの、流れてくるもの、本当に自分の人生を豊かにしているものばかりでしょうか?

SNSで流れてくるものを人々が見ている間に、私は一杯の美味しいお茶と焼き芋を食べることに充てる。私にとってはこの時間が、最高のぼーっと時間です。
私は、便利さ、多種多様な情報がかえって、頭の混乱の種になってはいないだろうか?と思うのです。
皆さんはどうでしょうか。


無意識に人目を気にしていたり、
「ちゃんとしていなければ。失敗は許されない。」と気を張っていることで、実は顔の表情をつくって自ら頭蓋骨を緊張させている。
という方もいます。
その氣のもちようが、歯の食いしばり、顎回り、目が力む要因です。
社会的背景がこのような身体的緊張を生んでいることは間違いないのですが、そういった環境から少しずつ抜け出して、余白ある人生を歩むことも自分自身で出来ることなのです。


□まとめ 〜頭を空にする練習〜



老いてくると、頭も身体も衰えてくる。
使っていない身体は錆び、身体の一部を使い過ぎたり、間違った使い方を続けていると壊れてくる。
それはすべての人に共通のこと。

施術や整体教室で、頭をやすめにいらっしゃるのも結構です。
たとえば、

数息観:一定のリズムで自分の呼吸の数を数えるシンプルな瞑想法
倍音声明:母音を発声しつづける瞑想法
人間ゆりかご:2人1組であぐらになり、互いの背中に寄りかかり、体温を感じながら背骨に氣を通し合う
といった、頭や自律神経をやすめる瞑想法やワークもあります。

背中に身体を預け
下の人は身体全体を使って小さく揺らします。
背中に強張りがあると上手く揺れません。
自身の背中のどこがかたいか、
気づくキッカケにもなります。


下っ腹に頭を預けて重なるワーク。
呼吸が深いと、浮き沈みの動きがあります。
自分の頭が重たいのではないか?と
不安になるかもしれませんが、
人の腹とは結構強いもの。
5kgほどの頭の重さは心地よいものです。
親子でも。



どうしたらぼーっと出来るのか、
休むことから練習するのも、養生の一つです。

頭蓋骨が閉まってくる秋冬、
ぼーっとする技術を磨きましょう。


ぼーっとする時間のお供 天天♂。


本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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#後頭骨の調整
#すこやかさの自給自足

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