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裸の要求 〜大病を風邪で逃す〜


□整体従事者、祝40.4℃の発熱


昨年、大晦日。
40.4℃の熱が出ました。

関節が痛くて、とにかく寒く、頭をハンマーでガンガン殴られているような痛みの頭痛がしました。

家の前では椎茸を干し、
年越し蕎麦の出汁を摂り、
長野で買った美味しい蕎麦でも食べよう。
と鼻息荒く準備をしていましたが、
食欲もありませんでしたし、蕎麦はお預けで
年末年始はこの出汁をすすって1週間近く寝込みました。

干していた椎茸

野口整体では、風邪は治すものではなく、
活用して治る。という考え方です。
風邪をひいたと言うと、
「おめでとうございます。」
と言う方もいる程なのですが、

大難を小難で逃す』
大病を風邪で逃す。
この感性が、非常に重要になります。

風邪なんて長いこと引いていない!
と、威張る人がいますが、


風邪すらひくことが出来ない
鈍く強張った身体と、
風邪をひく必要がない
すこやかでしなやかな身体

風邪をひいていないという結果は同じでも、
この2つの身体の状態は全然違います。

風邪を長いことひいていない人の多くは、
前者の方が多いのが現実です。



□心身一如~しんしんいちにょ~


心身一如〜しんしんいちにょ〜

という言葉があります。
心と身体はつながっていて、
心を変えれば身体が変わり、
身体が変われば心が変わる。
つまり、身体の不調は心の不調にも繋がり、
心の不調も身体に支障をきたすという意味です。

風邪、インフルエンザ、マイコプラズマ、コロナだろうと、そもそも症状は人の身体の土壌によって様々です。


ふだんから一番疲れが溜まっている処、
ふだん余分に使っている処、
それは十人十色で違うのですから、
風邪の処置も十人十色で違ってきます。


頭が疲れていると、頭痛。
呼吸器やメンタル(心)が疲れていると、
胸をゆるめようと咳が出る。
お腹が疲れると、お腹が痛くなったり、
下痢をする。
痛みや症状であらわれて、
自身の偏りを教えてくれるのが身体です。
そこに手を当てて感応をはかる。
これが愉氣とよばれる手当てです。

日常で積み重なった、少しの無理が
偏り疲労となり、その疲れを一度
リセットするために風邪をひく。

風邪をひいている時、
もちろんわたし自身もしんどかったですし、
皆さんのひきたくない、
長引かせたくなくて早く治したい気持ちも
十分理解出来ますが、
身心が要求している休息に従い、
自然と回復するまで待つと、
かえって身体がアップデートされて、
頭も身体もかろやかになります。

「風邪か?インフルエンザか?コロナか?高熱でしんどい...なにか重い病気だろうか?仕事を休むと迷惑がかけてしまうし、どうしよう。」

などと、不安でいっぱいのまま休むようでは、
本当の意味で心身は休まりません。

「風邪をひけたぞ!身体に任せていっぱい寝て経過させるぞ!」

という気持ちで休むのが本来の『休息』です。

自身の身体の熱を下げる力を使わずに
解熱剤を使う。
要らないものを出し切る前に
下痢止め、咳止めを使う。

それでは、せっかくの自身に備わる
免疫機能を怠けさせ、衰えさせるだけです。


自然に経過するまで『身体に任せて待つ』。
この経験をぜひ積んで頂きたいです。

ポカリ、具なしの蕎麦出汁を
沢山飲んで、
病院にかかることもなく無事経過しました。


□裸の要求に従う〜今、ワクワクすることを選択する〜


身体的な要求に加えて、

心の要求も満たすことが重要です。


心の膿の出し方もまた、

涙、怒り、独り言など、
人によって様々な形で溢れますが、
泣きたい時に泣けなかった、
怒りを上手く表現出来なかった、
その積み重ねが痛みや不調に化けてあらわれる。

これが心身症と呼ばれるものです。

クライアントさんのお身体を拝見しても、
そういった症状がみてとれることは多々あります。

昨年わたし自身、愛猫を急に亡くしたり、
大きく生活が変化する出来事がいくつかありました。
頭は常に考えごとや漠然とした不安が、グルグルする日々がしばらく続きました。
風邪の頭痛が、強制的にその忙しない頭をストップし、心身の痛みの経過を促してくれたように感じます。


日本には、『慎む』という美学があります。

慎重に立ち振る舞い、乱れた様子がない
という意味です。


それは本来、
楽しい時に思い切りゲラゲラと笑い、
悲しい時に思い切り泣ける、
甘えたい時に甘えられる人が、
場にふさわしく控えるからこそ美になるのであって、

人に合わせて言いたいことを我慢し、
愛想笑いでごまかし、
泣きたい時に泣けない。

本来の感情や要求を表現できず、
抑え込むことは美でもなんでもありません。


言い訳とキレイごと、世間体を引いていくと
裸の要求が見えてくるのだと思います。
自分が『こうでなければいけない』と信じてきたことやこだわりは、親や学校、友人の一意見、もしくは社会の風潮から勝手に信じてきたことかもしれない。


どんな自身の些細な要求に思えるものでも、
ないがしろにせず叶えていく。

みんながそうしているから、
誰かが悲しむから、
それでは誰かの期待に応えられないから。

そんな理由で自分の要求に蓋をしているなら、それは自身に積み重なる小さな嘘、無理となって、いつか辻褄が合わなくなります。


低刺激で暗い部屋にいたくて、

誰にも会いたくなくて、

部屋もぐちゃぐちゃで、

歯も磨かずに寝る。

そんな無気力廃人時間も、

必要だからこそあるのです。
そんな時間を最高に楽しむべきです。


そんな自分じゃいけない。
と自らの首を絞めているのは、自分かもしれない。

大なり小なり人生に時折あらわれる
自身の課題を越えていくことや、
困難へチャレンジする姿勢は、
常にワクワクしている状態であることが必須です。
大谷翔平選手は、コーチに罵倒され、
怖いチームメイトに指示されて渋々練習をしてきたから、素晴らしい選手になれたわけではありません。
ワクワクする、楽しいことを選択し続けた結果が今なんです。 

ワクワクとは、常に興奮している。
というような状態ではありません。
リラックスして、自分なりに
身の回りの出来事を楽しみに変換できるということです。

内なる裸の要求を聞けるようになるには、
自分好みの環境で、(静かにひとりか。人と居たいのか。)
自分好みの食べ物を食べて、
自分を知るための、
何らかのつながりをもつことです。
それは人に限らず、本や植物などでもいいんです。


そんな自身の要求に忠実で、
『今』を大切に生活をしている人が、
心身症になると思いますか?

きっと答えは明白なはずです。


□整体とは

1月12.13日神戸出張にて


身体を整える、ということは、人生が整うこと。
と私はいつも言うのですが、
風邪を必要としている身体の声、
休みを欲する心の声を
ないがしろにせず聞き、全力で叶えていく。
整体ではこのような生き方を『全生』といいます。

どんな生き方をしたいか、
今の自身のステージ、
健康状態のままがいいか、
全ては自分で選択出来ます。
『全生』の生き方ではなくてもいい。
『50%生』でもいいんです、自分がよければ。



わたしは『全生』を選択しました。
皆誰もが人生旅の途中。
死ぬまで、あなただけの楽しい人生をデザインし続けましょう。

本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。

1月18、19日名古屋出張にて
熱田神宮の
きしめん、コロッケ、ちまき
どえりゃあうめぇな
という名古屋弁が
すっかりお気に入りです。
名古屋クラスの
カメラ好き生徒さんが
撮って下さいました。
ありがとうございます。

https://www.noguchiseitai-takiguchi.com



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