第3話【戦争とは残酷で愚かしい行為】①
魚雷投下までの話をされた吉岡さんに、その時の気持ちを聞いた翔ちゃん。
「魚雷が当たったという事で安心した」
そう答えられた吉岡さん。
「アメリカ兵を殺してしまったという感覚は、当時は?」
翔ちゃんの問いに。
「私は『航空母艦と戦艦を沈めてこい』という命令を受けているんですね……『人を殺してこい』って事は聞いてないです。従って、命令どおりの仕事をしただけ」
問い掛けらるまで、本当にそう思われていたのかもしれない。
「人を殺してしまった」
という意識があった上で、答えをぼかしたのかもしれない。
現代の日本人の感覚では、なかなか理解出来ない
『お国のため』
『死は怖くなかった』
『命令された事を遂行する』
その事で、もちろん人が亡くなる事は理解していらして。
被害者でありながら、加害者……
後々気が付いて、帰ってこられた方々は戦争体験の話などしたくない。
心の中傷を抱え。
身体の不調を抱えた人々。
葛藤を抱える事になった方々が。たくさんの方々が、苦しむ事になったのだろう。
(私の父方の祖父は、体調が戻らないまま20年位を過ごして旅立った)
吉岡さんは前述の。
『命令どおりの仕事をしただけ』の後。
『ですけれども、……後からはですね。それとは切り離すと、『戦争はしちゃいけない』という事をですね、一番身をもって知っているのも、私達だと思っています』
そうおっしゃられた。
平常心で、物事が考えられなくなるほど。
『戦争というものは残酷なもの』
どこか、戦争と言うものから、目を背けがちな私達に。
翔ちゃんが伝えたかった事?
『戦争では何も変わらず。愚かしい行為だと』
私は深い深い話を聞く事が出来て。
吉岡さんがお話をして下さった事。
感謝しています。
ありがとうございました。