サンタクロースになりたかった。そして少しだけ叶った話
これは子供の頃の話ではなく、私が社会人になって、
転職を考えた時の出来事。
ほんとうに単純で子供っぽくて 少しお恥ずかしいのですが・・
私にとっては大切なエピソードです。
私は当初、音楽が好きだったことから音楽に関わる仕事がしたいと
エンターテイメント業界に就職しました。
主に舞台やイベントの制作を行う会社で、
学生時代に専攻していた”舞台照明”の技術職をしていました。
たまに、音響や大道具制作、舞台監督(進行)なども行っていました。
でも、当時 ”好き”と”仕事”の違いを受け入れられず
10年後も、この仕事を続けている自信もビジョンもなく、
入社して3年で、業界からの転職を決めました。
当時の私には他にやりたい仕事はなかった。
”好き”から入ってしまった仕事の選び方が抜けなくて、
音楽以外に他に好きなことってなんだろうと考えていた時、頭に浮かんだのは・・
クリスマス🎄
私は昔から、一年間のイベントでなぜか唯一クリスマスだけは大好きでした。
ツリーやイルミネーションを見るだけでなんだかワクワクする。
そしてクリスマスの夜にやってくる”サンタクロース”
このおじさんもずっと気になる存在でした。
舞台を創る仕事をしていたときに、子供達の発表会などをお手伝いする機会も多く、その時にクリスマスの時期のイベントにやってきたサンタクロースはヒーロー。
サンタクロースの姿が見えれば 子供たちはワーキャー言って、おおはしゃぎ。
泣いてたあの子も、つまんなそうにすみっこにいたあの子も。
にこにこ笑顔で とても嬉しそうにおじさんに駆け寄る姿。
当日がっつり裏方として、
人と身近に接する仕事をしていなかった私は
そんな光景を遠目で見ていて、なんかいいなあと うらやましくも感じていました。
誰かをあんなに笑顔にできるっていい。
そんなことを思いながら・・ふと頭に浮かんだこと。
”サンタクロースってなれるのかな”
考え出したらじわじわと欲が止まらない。
なんだか本気でサンタクロースになりたくなってきた。笑
そしてサンタクロースになる手段はないか、調べはじめました。
そもそもサンタクロースって架空の人物じゃないの?
という話ですが、
サンタクロースはいます。
グリーンランドにサンタクロース協会があり、
そこで資格を取得すれば”公認サンタクロース”になれるのです。
現在世界中に約180人ほど公認サンタクロースはいるそうで、
日本人にも一人だけ公認サンタクロースがいます。(パラダイス山元さん)
当時、調べてわかった この事実。
”サンタクロースになれるんだ!!🎅”
そう思った単純な私。
しかしサンタクロースになるには、多くの厳しい条件がありました。
・サンタクロースとしての活動実績がある
・結婚していて子供がいる
・サンタクロースの体型をしている(基準は服装込みで120kg以上)
・他国の人と話せる語学力がある
この時点で既にクリアしてない。
さらに衝撃的な試験の内容は・・
まずは自宅から出たら ”サンタクロース” で在ること。
サンタクロースらしい身なりをし、試験場所まで移動、飛行機に搭乗する。
そして、最初の試験は、超ハードなレース。
重たいプレゼントの入った袋を持って50メートル走。
はしごで高さ約3メートルの煙突に上り、そして暖炉から這い出る。
部屋に子どもたちが用意してくれているクッキーと牛乳を完食し、
元の場所に戻る。
なんとこのレースの選考クリア基準は2分。
この選考をクリアした者のみが、次の試験に進み
デンマーク語での面接やサンタクロースらしい身だしなみチェックを行い、
公認サンタクロースになれるそう。
そして世界中の子供達に夢と笑顔を届けるために、活動する。
ちなみに公認サンタクロースは給料制ではありません。
あくまで”想い”から生まれる行動で、ボランティア。
・・・・・🎅
サンタクロースってすごい。
この事実を知った瞬間、公認のサンタクロースにはなれない現実を知り、
そしてさらに彼らの存在をリスペクトしたのでした。
リスペクトしすぎて、よくサンタさんの絵を描くので上達しました。🎅笑
その後、どうしても何かしらの形でサンタクロースなれないかなと思い
いろいろ調べて出会ったのが
”チャリティーサンタ”という活動です。
クリスマスの夜に、子供達へプレゼントを届けるボランティア団体を見つけました。
子供達にサンタクロースからのプレゼント を通して
世界中の子供たちを笑顔にしたい。
私がこの存在を知ったのは2011年。
笑顔と愛を届けること。子供達に愛された記憶を残すこと。
こんなビジョンを持って活動をされていました。
そしてこの年のクリスマス当日は仕事があったけど、
何かしらの形で参加してみたくて、代表の方へ連絡をしてみました。
自分ひとりで、このようなイベントに参加してみたいと思って行動に移したのは、この時が初めてだったと思います。
そこから準備のお手伝いを少しだけさせてもらって、
私はこの年、サンタクロースになりました。🎅
”たくさんの子供たちがHAPPYになることができました”
この言葉が、すごく嬉しくて。
そして後にFacebookで活動の報告写真を見て
たくさんの笑顔を見てもっと嬉しかったこと、今でも覚えています。
【 私も誰かを幸せな気持ちにできた 】
こうやって誰かにお手紙をもらって、
直接言葉で伝えてもらったのも
初めての出来事でした。
その半年後に、私はブライダル業界へ転職しました。
当時、私は結婚式なんか参列したこともなく、
正直ウェディング業界への憧れは全く無かったのです。
ほんとにたまたま(むしろ追い込まれて)たどり着いた転職先でした。
でも、自分の棚卸しをすると この時に
”サンタクロース”になりたい と思っていたことがきっかけで
”誰かを笑顔にできる仕事がいい”
こんな部分が根っこにあっての選択だったのもと思っています。
気づいたらこの仕事が大好きになっていました。
チャリティーサンタのHPを久しぶりに見ていたら
『サンタクロースのような人であふれた社会』が叶えたいビジョンだとありました。
このサンタクロースのような人とは「想いやりの気持ちを行動に移せる人」のこと。
素敵です。
当時は直感で、なりたいと思ったりサンタクロース。
でも、サンタクロースは、
大切な人の笑顔がみたい、喜んでほしい、
愛を届けたい、誰かのために。
そんな人を想う、あったかくて優しい気持ちがつまってる。
今も私のサンタクロースになりたいという夢は
変わらないのかも知れません。
ずっと憧れの存在です。
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