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チェーザレ 破壊の創造者 特別編 二人の巨匠


チェーザレ 破壊の創造者 特別編 二人の巨匠

 惣領冬実さんの漫画『チェーザレ』の番外編です。
 ルネサンスの天才、レオナルド・ダ・ヴィンチと、ミケランジェロ・ブオナローティの二人が関わる逸話を描いています。

 基本的に、実話です。細かいところは脚色されているでしょうが、この二人の巨匠が、フィレンツェの政庁舎の同じ壁に、絵を競作することになったことは、事実です。
 二人の絵が完成していれば、イタリア・ルネサンスの輝かしい金字塔となったことでしょう。

 人類にとって、まことに残念なことに、二人の絵は、ともに、完成しませんでした。
 その経緯が、本作に描かれています。

 惣領さんの絵や、人物の表現は、素晴らしいです。
 ただ、お話が短くて、もの足りないのですよね。これ単体で完結した作品というより、あくまで、『チェーザレ』のおまけ的なものです。
 惣領さんのファン、もしくは、『チェーザレ』のファンなら、買う価値があるでしょう。

 とはいえ、本作を入り口に、イタリア・ルネサンスの時代に、興味を持つ人もいると思います。
 漫画という形式は、非常にわかりやすく、初心者にも、やさしいです。教科書の中では、ただの「ひげ面の爺さん」だったレオナルド・ダ・ヴィンチにも、人間的な面があったのだ、と知る機会になりますね。

 巻末には、監修の原基晶さんの解説があります。漫画を読んだ後なら、この解説も、素直に頭に入ると思います。

 イタリア・ルネサンスに興味があるなら、一読して損はないでしょう。



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