アーサー王ロマンス
英国のアーサー王伝説について、解説した本です。
類書の中では、入門用として、お勧めです(^^)
アーサー王伝説の初心者は、まず、本書から入るのが、いいと思います。
小説ではありません。物語の概略が、説明されています。
小説形式の物語を読みたいならば、別の本を選んだほうがいいです。ローズマリー・サトクリフ氏の著作などですね。
本書は、アーサー王伝説を、大まかに理解するのに、役立ちます。あまり細かいところには踏み込んでいないため、ごちゃごちゃしていなくて、わかりやすいのですね。
本書をもの足りないと感じるのでしたら、あなたは、もう、アーサー王伝説の「初心者」ではありません。中級者用の本を読むべきです。
本書をとっかかりとして、アーサー王伝説の深い世界へ、徐々に入ってゆくのが良いと思います(^^)
最初から、やたらに詳しい本を読んでしまうと、理解するのが大変ですからね。
なお、アーサー王伝説は、異説がとても多いことが、知られています。
本書に載っているものが、唯一絶対ではありません。「有力な説の一つ」くらいにとらえて下さい。
また、登場人物の名前や、地名、道具の名前にも、異名が多いです。本書に採用されているのは、その一例です。「正式な名」というものは、決まっていません。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
主な登場人物一覧
はじめに ――アーサー王の実像と伝説像
第一部 アーサーの誕生と即位
1 魔法使いマーリン
マーリンの出生とその透視と予言の力。魔術でストーンヘンジを造ったこと。
など
2 アーサーの誕生
アーサーの父ユーサー・ペンドラゴンがイグレーヌを恋し、ティンタジェル公と戦ったこと。
など
3 アーサー王の戦いと名剣エクスキャリバー
即位を反対する諸侯たちと戦ったこと。
など
4 王妃グウィネヴィアとの結婚と「円卓」
カメラードでロデグランス王の娘グウィネヴィアと会い、王妃に望むこと。
など
第二部 アーサー王と円卓の騎士たち
1 アーサー王の内外の戦い
髭【ひげ】を所望したリエンス王と戦うこと。
など
2 モルガン・ル・フェの陰謀
モルガン・ル・フェが恋人アコーロンを王位につける策略をすること。
など
3 兄弟の騎士ベイリンとベイランの死
ベイリンが乙女の剣をぬき、湖の貴婦人を殺したこと。
など
4 騎士ガウェイン卿
ガウェインの最初の冒険。謝って婦人の首を切り落とすこと。
など
5 湖の騎士ラーンスロット
ラーンスロットの誕生と湖の貴婦人の養育。
など
6 美しい手の騎士ガレス
名前と素性を隠した貴公子が、アーサー王の宮廷に現れ、手が美しいのでボーマンと呼ばれること。
など
7 トリストラムとイソウドの悲恋
トリストラムの出生と養育のこと。
など
第三部 聖杯探求の旅
1 ガラハッド卿
ガラハッドが流れて来た石より剣を抜いた奇蹟【きせき】。
など
2 パーシヴァル卿
パーシヴァルがはじめて騎士を見たこと。
など
3 ラーンスロット卿、ガウェイン卿、ボース卿
ラーンスロット卿が過去の罪を悔いたこと。「聖杯」の奇蹟にあうこと。
など
第四部 最後の戦い
1 ラーンスロット卿と王妃グウィネヴィア
騎士道における愛のあり方。ラーンスロットが「荷車の騎士」と呼ばれること。
など
2 モードレッドの反逆
モードレッドが主権を握り王妃を妻に望むこと。
など
3 アーサー王の死
最後の戦いでモードレッドを討つこと。
など
おわりに
あとがき
文庫版あとがき
アーサー王関係の主な文献
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