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春愁の季節②

「ありがたいね」と心が囁いた
言われずともちゃんと解っていた
また昨日と同じ今日を過ごした
そんなことばっかり思ってた

大学の卒業式から10日が経った。
波乱万丈ギリギリな卒論を終え、成績は無事確保、卒業判定もなんとかクリアした。
こんな奴を最後まで見捨てずにいてくれた先生に特大の感謝を。
あと少しで社会人。本当の意味での大人への道を進んでいくことになる。
ここまで辿り着くのにどれほどの人のお世話になり、迷惑をかけてきただろう?
ありがとう、ごめんなさいと心の奥では思っていてもどうしても素直になれなかった。そのまま毎日を繰り返して、周りから差し出される手を借りながら歩くのももう少し。素直にありがとう、ごめんなさいを表現できるようになるのが大人になることなんだと思う。

「涙」や「笑い」も少なかったりした
実はそんなこともなかった
春が息吹く 桜の花も舞いはせず
ただ陽に照らされていた

後悔が沢山残った高校生活だったからこそ、大学生活は失敗しちゃダメだと最初は必死だった。授業を淡々とこなし、それなりに友達と一緒にいて上辺だけでも「普通」に卒業させてほしい。本当に最初はその程度の望みだった。なのに、それなのに私はそれ以上の幸せと思い出を手にしてしまった。大事にしたいと思える場所も、人にも出会えた。自分のことにちゃんと向き合って、前に進むことができた。本当にありがたいことだ。恵まれた4年間だった。流れるように過ぎる毎日の中で、決して穏やかだとは言えないけれど、温かい日々がそこにはあった。

大嫌いだ
今日が大嫌いだ
昨日も大嫌いだ
明日が大好きだ

自分も、周りも、環境も、全部が嫌いだった。
このまま生きていくくらいならいなくなりたいとも思ってた。今もたまにどうしようもない感情に襲われることもある。不安もある。でも、この辛さもいつかは話のネタになる、伝えたい誰かがいるって思えるようになった。だから、もう少し生きようかなと思う。

いつか いつか 見つけてくれるのなら
いつか いつか 大切に思えるなら
あなたが生きてさえいれば なんでもいいや
わたしが生きてるなら それでいいや
それでいいや それがいいや

これからみんなそれぞれの場所へと進んでいく。もしかしたらあれが最後の焼肉だったかもしれない、最後の京都観光だったかもしれない、じゃあね!って手を振ったけどもう会えない、会わないかもしれない。それでも笑いあった、ときには気まずくなった、一緒に過ごした時間は消えることはない。みんなそれぞれの道に向かい、いつかまた交わればそれ以上嬉しいことはない。ずーっと一緒じゃなくてもいい。再会したからといってそこからもずっと一緒にいる必要もない。くっついたり離れたり、のんびり緩やかに繋がっていけたらいいな、というのが今の願いだ。
それまで頑張りすぎずに頑張って生きてみようと思う。

大嫌いだ
人が大嫌いだ
友達も大嫌いだ
本当は大好きだ

自分が自分のことを好きになれないのに、こんな私と仲良くしてくれてありがとう。離れられるくらいなら自分から嫌いになって切ってしまいたいと思ってしまって心を閉ざしても辛抱強くそばにいてくれてありがとう。どう頑張ってもひねくれてる私だから直接は言えなかったけど、本当に本当にありがとう。みんなと過ごせた4年間、幸でした。大好きでした。


春愁の季節①から約1年、みんなと一緒に笑って卒業式に出ることができました。本当に本当に幸せなことです。
何かと決別した春、前に進めた春、少し悔しい春、ガムシャラに過ごす春、全ての春を生きる方の未来が明るいものでありますように。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
ではまた👋

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