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#読書感想文
「遥かなものの手ざわり」
笹井宏之『ひとさらい』
(※わたしが読んだのは書肆侃侃房刊行の版ではなく、SS-PROJECTの「歌葉」によって刊行された版でした)
ほわんとしたかわいらしさのある、でも何が描かれているのかわからないような、わかるような、不思議なイラストのような短歌だと思った。
ひろびろとした、厚手のしっかりした白い紙のまんなかを贅沢に使って、縦長に奥行きのあるイラストが広がっている。
描かれている世界は、
〈まだ知らぬ場所〉へ
小島なお『サリンジャーは死んでしまった』「詩歌がわかるようになりたい!」と喚いていたら、友人が笹井宏之と小島なおをおすすめしてくれました。
というわけで、練習がてら、小島なお『サリンジャーは死んでしまった』から15首抜き出して鑑賞文を書きました。
(笹井宏之『ひとさらい』の感想はこちら)
ここに書かなかった歌にも良いなと思ったものはあったし、その中には、どこが良いと言葉に出来なかったものもあ
糸が変わる、織り方が変わる
梨木香歩『からくりからくさ』
(※ネタバレを含む感想です)
この本を最初に読んだのは5年以上前で、今ようやく2度目を読み、初読のときは無知すぎて何が書かれているかわからず読み落としていた部分がだいぶあったんじゃないかなあという気がした。
ほとんどクライマックスの一瞬の光景しか覚えていなかった……といっても過言ではないくらいの記憶しか残っていなかったのは、理解してなかったからじゃないだろうか。