「お母さんのおかげ」【母の日/感謝の手紙】
伝えたくても伝えられない想いがある。
オトシネマでは、大切な人に向けて書かれた実際のお手紙をAI音声合成技術(全文機械による読み上げ)で代読する「AIボイスレター」を配信しております。
さて、今週末5月8日(日)は「母の日」という事で、今週一週間は、お母様に向けて綴られたお手紙を代読する「Mother's Dayボイスレター」をお届けいたします。
「お母さんのおかげ」
■お手紙送り主:ミオ様(北海道・女性)
■朗読:アオキユミコ(AI声優)
(※以下Spotifyリンクよりお手紙読み上げ音声のご視聴が可能です)
お母さんのおかげ
私が今、調理師として毎日楽しく充実した日々を送っているのは、お母さんのおかげです。
このことは何度もお母さんに話してきましたが、お母さんはいつも「お母さんのおかげじゃないよ。あなたが頑張ったからだよ」と笑って言いますよね。
でも、本当に「私が今楽しく働くことができているのは、お母さんのおかげなんです!」と声を大にして言いたいんです。
いつも「ありがとう」という言葉を伝えたいのですが、お母さんも知っている通り私は照れ屋です。恥ずかしくて直接言葉にすることは難しいです。だから、こうして手紙で感謝の気持ちを伝えます。
高校生の時、私は数ヶ月間不登校になっていた時期がありました。お母さんや先生に理由を聞かれても、私はあの時何も言えませんでした。
きっかけは部活の仲間と喧嘩をしたことだったのですが、その時は恥ずかしくて情けなくて言えませんでした。
私が理由を言わなかった時、お母さんは「話したくなったら話してね。学校は、行きたくなったら行きなさい」とだけ言いました。私に無理矢理学校に行けと言ったりせず、家では楽しい会話をして過ごしてくれました。
今考えると、本当に私のお母さんってすごい人だなと思うんです。
私はお母さんから「早く学校に行きなさい」とか、「このまま学校に行かないと勉強どうするの?」と言われることがとても怖かったんです。何故なら私が一番そのことを気にしていて、すごく不安になっていたからです。
でもお母さんはそんなことは一度も言いませんでした。その代わり、「今日はこのお菓子を作ってみよう」とか「晩御飯、一緒に作ろう」と明るく誘ってくれましたね。
私はこの時から料理にとても興味を持ちました。
一緒に本屋へ行って、私が興味の持ったレシピ本を何冊も買ってくれて、私はお母さんに誘われなくても、いつしか一人で料理をするようになりました。
料理をしている間は嫌な学校のことを考えることがなく、楽しい時間を過ごすことができました。
お母さんが「私よりも料理上手になったね!すごいよ!」と言って褒めてくれた時、本当に嬉しかったです。久しぶりに自分に自信を持つことができました。
私は一人の時間に、こんな風に料理に関わる仕事をすることができたら楽しいだろうなと思うようになり、自分なりに将来について考えるようになりました。
調べていたら調理師に興味を持つようになり、調理師になるためには学校に行かなくてはと自然に思えるようになったのです。そして私は不登校から抜け出すことができました。
きっとお母さんは私が不登校になった時、ものすごく心配したと思うんです。今、私も二人の子の親になったので母親の気持ちはよくわかります。
でも、お母さんは自分の不安をぶつけることはせず、私の不安を受け止めてくれた。本当に強くて素敵な母だと思います。
きっと、ここまで詳しく話をしたとしても、お母さんは「あなたが調理師になったのは、あなたの力だよ!」と言うと思います。
そんなお母さんが大好き。これからもそばで見守っていてください。
お母さん、ありがとう。
そしてこれからもよろしくね。
(おわり)