「お父さんからの手紙」【父の日/父への手紙】
伝えたくても伝えられない想いがある。
オトシネマでは、大切な人に向けて書かれた実際のお手紙を俳優(声優)が代読する「ハートフルボイスレター」を配信しております。
さて、明日6月19日(日)は「父の日」という事で、今週は、お父様に向けて綴られた心のこもったお手紙を代読する「Father's Dayボイスレター」をお届けいたします。
「お父さんからの手紙」
■お手紙 送り主:ゆり様(女性)
■代読:伊藤るび(俳優・声優)
(※以下Spotifyリンクよりお手紙読み上げ音声のご視聴が可能です)
「お父さんからの手紙」
お父さん元気にしてますか?
私はいつも通り忙しく家事と育児に追われています。
忙しいを言い訳にして中々、実家に帰ったり孫の顔を見せにいけなくてごめんね。子供たちは、7歳と3歳になり、よくおじいちゃんに会いたいと言っています。
そして今回は父の日だから、日頃のお父さんへの感謝の気持ちを手紙にしました。いつもお父さんありがとう。
私は、自分自身が結婚して子供を産んで母になり、ようやくお父さんへの心からの感謝ができるようになりました。
お父さんが一生懸命に毎日家族のために働いてくれたから、子供の私は安心して生活して大学進学や留学までもできました。
当たり前のことを当たり前に、何不自由なく育ててくれたことは、実は、お父さんの大変な努力の上に成り立っていたのだなと気づいたからです。
本当に感謝しています。
私が小さい頃、お父さんはいつも仕事ばかりしていましたね。お父さんは、朝は私が学校へ行く前にすでに会社に出勤して、子供たちが寝た後に帰宅する生活だったから、私はやっぱり寂しかったよ。
もっと他の家のお父さんみたいに、一緒に公園に遊びに行ったり、ゲームで遊んだりしたいなと思っていました。
そして10代の反抗期くらいからは、お父さんに対して冷たい態度をとってしまいました。大学生になると、実家を出て都内に進学してしまったので、さらにお父さんとは話す機会も激減しましたね。
そんな私に、お父さんは1年に1回、手書きの手紙を都内の寮まで送ってくれましたね。10年経った今でも私はお父さんから、もらった手紙を大切に持っています。
お父さんは手紙の中で私の体調を心配してくれたり、わざわざ私が興味がある分野(英語教育)の記事を新聞で見つけると切り抜いて送ってくれましたね。
白い便箋3枚ほどにびっしりと、きれいな字で書かれた手紙を見て、涙がぼろぼろこぼれました。
「お父さん、なんで手紙なんて今どき、書いてくるのと尋ねると、直接私に電話しても、言いたいことが伝わらないし無視されるからだ」と言いました。本当にあの当時、お父さんにひどい態度をとってしまって、ごめんなさい。
私が学生時代、お父さんに嫌な態度ばかりとってきて、まともに話したこともないのに、実家に連絡するときはお金が足りない時くらいで、本当に親不孝な娘なのに、なんでお父さんはこんなにも私を大切に思ってくれているのかと思うと、涙が止まりませんでした。
こんな娘の私を、いつも気にかけてくれるお父さんにとても感謝しています。
お父さんは、家では口数が少なくて、あまり一緒に話したことはなかったけど、何か私が大切な決断をした時には、いつも正しいアドバイスや応援をしてくれたね。
普段は中々、直接会うことが難しい距離にお互い住んでいるけれど、いつも心の中で、お父さんの健康や幸せを願っています。
本当にありがとう。
娘より。