「愛犬メルを探してくれた方々へ」【感謝の手紙】
伝えたくても伝えられない想いがある。
オトシネマでは、大切な人に向けて書かれた実際のお手紙を声優が代読する「ハートフルボイスレター」💌を配信しております。
本日は、とある女性から、飼っていたチワワを探してくれた方へ綴られた感謝のお手紙をご紹介させて頂きます。
「愛犬メルを探してくれた方々へ」
■お手紙送り主:めめ 様(東京都/40代女性)
■代読:合田 温子(俳優/ナレーター)
■イラスト:TATASUMIRE
(※以下Spotifyリンクよりお手紙読み上げ音声のご視聴が可能です。)
「愛犬メルを探してくれた方々へ」
私の家には1歳になるチワワのメルちゃんがいます。
まだ若くてとてもやんちゃで落ち着きがないのですが、私はメルが本当に大好きでした。
ある日いつものようにメルを散歩に連れて行こうと外出しました。ただ散歩が大好きなメルに首輪をつけることはいつも困難で、その日もはしゃいで、なかなか首輪をつけることができませんでした。
時間がなかったこともあり、首輪をちゃんと着けたという確認を目で行わずに散歩に出てしまったのです。
そこで悪夢が起きました。
嬉しさのあまり引っ張るメルの首輪が外れ、メルは猛ダッシュで走り去ってしまったのです。
血の気が引いた私は急いで追いかけましたが、足の速さについて行けずメルを見失ってしまいました。
私はどうしようと涙が溢れ、でも急いで見つけないと車に轢かれてしまうのではないか?という不安を抱いていました。
いつもの散歩コースを探してみましたが、メルはいません。
「メルー!」大きな声で叫んでも現れませんでした。
どうしたらいいんだろう?と途方にくれていると、前方からある男性が歩いてきました。彼は、首輪を持ったまま涙目で不安そうな私を見て、声をかけてくたのです。
誰でもいいからメルを見つけてほしいと思い、事情を説明しました。
すると男性は「急いで探しましょう!犬の写真を見せて下さい!」と言いました。
私はもうメルが見つからないかも?と最悪のことを考えていましたが、男性の熱心な想いを受けて「飼い主が諦めてどうするんだ!」と自分に喝を入れ直しました。
男性の家族も一緒に探してくれることになり、見ず知らずの私のためにこんなにも一生懸命になってくれている姿を見て感謝の気持でいっぱいになりました。
みんなで手分けして再びメルを探しに行く事になりました。メルはきっと芝生の多い場所が好きだと思い、芝生の多い公園に向かいました。
すると前から、チワワを連れた年配の女性が歩いてきたのです。
どこかメルに似ていると思いましたが、チワワを飼っている人は沢山いるのできっと違うだろうと思いました。
しかし段々近くに来ると、その仔は間違いなくメルだということが判明しました。メルも尻尾を振って私の方に来ようとしています。
女性に事情を説明すると、チワワが一人で歩いていたのでおかしいと思い保護してくれていたことが分かりました。
私は「ありがとうございます!」と心から感謝の気持ちを伝え、こうして無事にメルと再会することができたのです。
一緒に探してくれていた男性と家族の方にもメルが見つかったことを伝えると、涙を流して喜んでくれました。
温かい人ばかりに出会え、私もメルも運がよいと思いました。
あの時にメルを探してくださった皆様、本当にありがとうございました。